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P:DEIという烙印、あるいは負の遺産を抱えながらも、よくぞここまでの映像美を世に送り出してくれたものだ。

今作は様々なゲームの設定を使ったいわゆるアンソロジー的な作品群になっている。そのためいくつか印象的な例を除いて、他の部分については言及しない。

なぜかというと今作を語る上でDEIというものについてもいくらか言及しなければならないため、紙面の都合上すべての作品をレビューすることは叶わないからである。

今回は作品ごとに評点をつけることは、あえてしない。ただ今後も同様の企画が生まれる可能性があるのであれば、今まで以上にゲームに対する愛情を注いでほしいと思う次第である。

R:もともとアーマード・コア6アセットマネジメントが見たくて見始めた今シリーズであるが、実はもっとも印象的に思えたのはその作品ではない。

3つ上げると最初に【ニューワールド 過去と未来の王】、次に【アウターワールド 大切な友達】、最後に【プレイタイム フルフィルメント】である。

意外にもパックマンやロックマンはランクインしていないわけであるが、理由を述べていこう。

最初の【ニューワールド 過去と未来の王】はDEI色に染まった今シリーズの中でもマッチョな白人男性の王様が色々あって友情に目覚めるというお話である。もらった王冠を鍛冶の技術を必死に学んで片腕のない友に義手としてプレゼントするくだりにおいて、高慢で傲慢なかつての王の面影は見られない。

ほぼ起承転結の承と転しかない作品が多い中で、まさに起承転結すべてを備えた一話完結のシナリオとして完成されている。わずか15分という時間の中で、物語としての完成度を上げるならば【ニューワールド 過去と未来の王】の右に出るものはないだろう。

次に【アウターワールド 大切な友達】であるが、これはまさにDEI色に染まった作品であった。知的障害の疑いのある愚直で純朴な白人の男の子の主人公が、ともすればヒロインである野心的な黒人の女の子に出世のための踏み台にされるという話である。

これは視聴後感が悪いという点ですば抜けて印象的で、おそらくポリコレを標榜する者たちの理想とされる世界なのだろう。しかし私には残念ながらそんな世界はディストピアにしか見えなかった。

最後に【プレイタイム フルフィルメント】である。

これも主人公が黒人の女の子で、今風の配達員である。そんな彼女が極秘に非合法なものを配達するということから物語は始まる。途中、ヘルダイバーたちに追いかけ回されたり、リトルビッグプラネットのキャラが出てきたり、こういう企画だから版権的な問題はないのであろうが、少々カオスな有り様を呈しているのが面白かった。

最終的に依頼を達成することで、ゲームの世界の素晴らしさを思い出すというお話になっている。

私は別に主人公が黒人の女の子であろうが気にはしない。作品として面白ければ、そこに必然性があるかどうかということも別に問わない。それを言うならばアジア人や白人男性であってもなんら表現上問題がないと思うからだ。

ただポリコレDEIを標榜する者たちがそう思っているかどうかは、批判的人種理論をはじめ彼らの主張を見れば一目瞭然であろうと思う。

E:いわゆるここまで大規模なゲームに着想を得たアンソロジーアニメというものを今まで見たことがなかったため驚いている。こういった試みは称賛されるべきだし、制作者側にとってもゲーム宣伝ができるという一石二鳥な制作物であると思う。

しかしながら、人々のレビューを見ていると無理やりねじ込まれたDEI臭さというものを毛嫌いする視聴者もかなりの数に上っているように見受けられた。

私はキング牧師の伝記漫画を読み、福田ますみの著作でポリコレについて独自に勉強を重ねてきた。そのうえで、この記事においてもポリコレに対する自身の姿勢を表明する必要があるように思えたので記述することにした。

私は基本的にアンジェラ・デイヴィスに端を発するいわゆるポリコレが標榜するDEIを支持していない。

世界は彼らの言い分などなくとも、元々多様的であるということを長い人生の中で知った。

その経験から決してポリコレなどではない【本質的な多様性】を支持する立場である。

ゲーム業界のマーケットがそれらを望んでいないことは、売上の数字の上からでも明白で、大のDEI嫌いであるかのドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任した今となっては、彼らの活動が下火になることは請け合いであるように思える。

しかしながら、彼らは長年にわたって粘り強く浸透戦術を社会に仕掛け、有力者を引き込んできた。その点では、トランプ大統領の任期が終わった4年後、再びDEIの火の手があがることを懸念している。

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