HSPが味方にすると無敵【落ち着き力】~内的な家族システム、愛着の問題から
働くHSPのための自律神経ケア×強みプログラム「そういう個と。」主宰の皆川公美子です。
HSPが味方にすると無敵【落ち着き力】シリーズは5回目、最終回となりました。
本記事の音声版はこちらからお聞きいただけます。
前回までの記事はこちらからどうぞ。
落ち着き力ということをここまで4回かけてお話ししていますが
その「落ち着き力」とは何かのプレッシャーや感情的な揺れが起こっても、短時間でご機嫌に戻ってくることができる力です。
何か外界からの刺激によって揺さぶられて平然としていられないようなことが起こった時に、HSPさんがそこから立ち直れる力、心から元気になれる、ご機嫌になれる力っていうところについてお話をしてきました。
そのテーマについて、マニアックな話題になるかもしれませんが今回も引き続きお伝えしていきたいと思います。
短時間でご機嫌に戻れずに2日も3日もモヤモヤイライラすることがあったら、
それは幼少期のサバイブによってそうなっている。
要するに、落ち着き力に降りられないのは、親との関係による防衛適応のためである、という意味です。
(転職をしようかとモヤモヤしている方のお悩みの根っこがこの愛着問題に根ざしていることはよくあることです)
今回は親子関係がもたらす人間関係パターンについて。落ち着き力を揺るがす影の部分
という話題について深掘りしていくと予告していました。
けれども親(幼少期の養育者)との関係については、どこからお伝えしよう・・という本当に深い大きなテーマですね。
それに仕事とか働くに関係あるの?!という方もとても多いと思います。
そうなんです、
働く中でトップ1のお悩み、
人間関係はすべてこの愛着パターンが根っこ
になっています。
人間関係は何万冊も本が出版されているような、誰にとっても人生の中で1か2を争うようなビッグテーマかもしれません。
働く人の話なのに、親子関係なんて?と眉をひそめる方もいるでしょう。
すこし説明させていただきますと、
働き始めてからの人間関係のパターンは
幼少期の人間関係から作られるものです。
このことを心理学の用語で「愛着形成」と言います。
例えば、いつもびくびくしていなければならなかった家庭で育った子は
自分を主張することなど知らずに育ちますし、
親の感情が不安定でいつもため息をついていたり
そうかと思うと明るかったり、
可愛がってもらえるときと可愛がってもらえないときの違いが不可解・不透明だった、なんていうときは、子どもは何か重大な災難(急に鬼の形相で怒られるなど)に遭わないように
親の顔色を見ることに非常に敏感になっていきます。
大人になって
上司が怖くてフリーズしてしまうとか
会議で発言しようとするとなぜかうまく言葉がでなくて真っ白になる、
なども幼少期のなにかのパターンが引き起こす防衛であって
意思のなかでは自分を守っているつもりなどないのに、
防衛とは信じられないかもしれないのですが、
言葉にならない身体記憶(大脳辺縁系に身体記憶のフィードバックが蓄積しているとも言われる)が関係しているとしたらどうでしょう。
誰にとっても社会においての感情の揺れを起こさせる信念(ビリーフ)というものは
たいてい幼少期の親との関係がモデルとなっていて
HSPさんたちの親子問題についても対話の俎上(そじょう)にあげてみようと思いました。
重た目な内容を気楽なテイストでお伝えするトライアル!
人間関係のもと=愛着には安定型以外に3つのパターンがある
親との関係というのは、その人の中で無意識の中に沈んでいて最も影響を及ぼす人間関係の雛形と言われているものなんですね。
例えば、親がとっても愛情深く一貫した教育方針を示していて、
不安になったり感情的になったりすることをせずに、安定してドカンと子供に愛情をむけていられる状況だったという場合は、いわゆる安定型愛着という状態で健全な形で発達するということが起こります。
愛着というのは一番近しい人との関係のことです。
余談ですけども、この方は本当に安定型だなーって思ったのはYouTube大学で有名な中田あっちゃんの奥さんの福田萌さんです。
名指しして失礼だったら申し訳ないのですが、リスペクトやまないステキな方です。
彼女は安定型愛着さんだなと感じ、ゆるぎない明るさと安定感を周りに伝播しておられる稀有な方ではないでしょうか。
安定型の人は普段から雰囲気が軽やかで重たみがないんです。
それでいて、興奮しているっていう意味でのご機嫌ではなくて、軽やかになんとなくご機嫌という感じの雰囲気をまとっています。
そして、人間関係のもと
愛着にはいろいろなパターンがあります
ということをご説明します。
相手が離れた時には悲しみ、相手と会えた時には単純に喜ぶのが安定型愛着のように健康な状態と上記でご説明しました。
これはペットの動物が体現していることが多い。
帰りが遅かったとしても、帰ってきたときに
なんで早く来てくれなかったのよ!とか、
もういいよ、早く出て行ってくれよって言いながらチラチラ覗いている、
のような複雑な心境、矛盾は抱えていません。
ペットも複雑な応答をしませんよね。
虐待を受けた動物以外は安定型愛着だから。笑
シンプルに現状に対応した態度をとるのではなくて、過去と未来について、自分のナラティブ、解釈が入って感情が揺れる、というのが安定型愛着以外の愛着の特徴です。
①不安型愛着
例えば、会社の会議なんかの時に、自分が出した企画案に対して反対意見が出たとします。
別に個人の性格や資質に対して言われたわけじゃなく、事案に対して発言されたのに、責められたような気持ちになっちゃう、
自分が足りなかったんじゃないかっていう気持ちになっちゃう、
それは、実は幼少期からずっと持っている自分のナラティブ、物語が関係しています。
たとえば親がとっても支配型だった場合に起こりやすいです。
「あなたにできるわけない」など親のネガティブな声掛けだけではありません。
一見ポジティブな「絶対にこれ美味しいから食べなさい」「ボク、、、やだよ。」「一回食べなさい、みんな好きなんだから」といった子どもの好みを尊重できない場合にも起こります。
または親自身がいつもため息をついたり不満顔でいたり神経状態が安定しない場合にも、不安型愛着の状態に子供は陥りやすいです。
不安型愛着パターンの人は、 お母さんの愛をどこへ行ったらもらえるのかということをいつも世間に向かって手探りしているような心理状態になります。
そうすると私のこと大事にしてくれているのかな?などと潜在的に常に思っているので、何かの瞬間に相手を試してしまったり、急に冷たいこと言って相手の出方を見たりという行動がでてきます。
そして、自分を好きでいてくれる又はこの人はすごい!という人を見つけると、
この人しかいないと思って、一人の人に入れ込んだり、いつも一人の人にもたれかかってしまったりすがりついてしまったりするというのも不安型愛着の特徴です。
独立した人間同士としての会話というよりは、依存が必要な発達状態にいるので(子どもの発達には安心の依存が必要です❤️)
それが満たされないで育った時に、
大人になってももたれかかるような異性関係や友人との関係性を絶え間なく切れ目なく持っていく。
この方たちは、でも結構モテるんです!!
モテたり人気があったりします。
過剰同調といってすごく相手に気を使って嫌われないようにうまく立ち振る舞う能力がついてるんですね。
それは親との関係でそれを鍛えてきていたからそうなってるというわけです。その人のもともとの性格ではなく、神経パターンというクセです。
②回避型愛着
それに対して回避型というパターンもあります。親との愛情を諦めたパターン。⇨人と深く気持ちを許しあうということが苦手な人です。
でも表面上は明るくフレンドリーに振る舞うことができます。
(回避型が進むと引きこもりなど、社会そのものから距離を置くカタチをとって、その人は自分の命と存在を防衛します)
親が本当に冷たかったとか子供の可愛がり方がわからなかったとか
我が子のことなのに全く理解できない、というときに起こりやすいです。
もちろん虐待やネグレクトがあった場合にも起こります。
人間同士の関わりに対して(根源的、潜在的に)絶望している状態、諦めがある状態これを回避型と呼びます。
回避型の方は親しい人ができると途中から怖くなってしまったり、急に距離を置く、急にLINEの返事が遅くなる、急に会う約束をキャンセルするといった行動として表れます。
関係性がどんどん深くなっていくと、
裏切られるのが怖くなってきちゃうわけです。
それまでに深く温かいつながりの関係性を持てた自覚・経験がないからです。
そうやって自ら人と距離を置く、または一定の時間が来てその人の中のタイムアラートが鳴ると関係をリセットしてしまう癖がある、こういう人たちもいます。
③未解決型愛着
離れたくない依存型と近づくことに恐怖がある回避型、その両方を持っている人を混合型や未解決型と言いますが、これはある程度傷が深いパターンになります。
これは何も虐待された家庭でだけ起こるとかそういうことではありません。
感受性が高すぎる子(数的、比較の問題です)は、虐待などされていなくても、
感じ方として
不安定な愛着に陥りやすいです。
今回このある程度重たいお話をしようかどうしようかなとすごく迷いながらも、軽やかに聞いてくださいと前置きをして始めた理由はここにあります。
社会の中には愛着形成からくる人間関係のねじれを持つ人はたくさんいます
組織で働く人のなかで
予期せず怒鳴ったり、感情をぶつけてきたり
感情はださないけど必要以上に冷たい態度だったり
時によってコロコロ態度がかわる人が思い浮かびませんか?
そのような人物に感情ごと巻き込まれなくていいのです。
その人は幼少期のサバイバルから来る、防衛を使っているのかもしれません。
自分を守るために、相手に怒る、責める、
自分を守るために、口をきかずに黙り込む、無視する、などです。
または自分自身のこととして、
必要以上に人に警戒心があるとか
人間関係がうまくいかないとか
関係性にいつも苦しさが出るわ、と思ったとしても、それはその人の性格ではないのです。
(サバイブのために構築された愛着に少し歪みのある神経パターンなので)
そこから抜けられるということをお伝えしたかったのです。
その人のせい、でも
その人のもともとの性格、でもありません。
自律神経を自分で扱えるようになるとその結果、働く職場での人間関係がよくなったり、
人としゃべることに不安がなくなりました、
ということが起こります。
あの人にいつもカチンときていたのに全く気にならなくなって驚いた、
という神経の変化は
そういう個と。プログラムでは普通によく起こることです。
ということで、今日はHSPさんがもしも深く深く深く深く処理する特性のなかで、その幼少期の困難のパターンにはまっていて、
なんとなく対人関係での雑談が苦手だったり、緊張しすぎていたり
過剰に相手に同調してしまって自己嫌悪に陥ったりするときは
きっと幼少期になにかのサバイブな環境があったということだと思います。
どうぞご自身の幼少期を優しい目で見返し
「よくがんばったね!あたし(オレ)」と言いましょう。
(決してそのような自分を責めたり、ダメだと思うのではなく)
幼少期のサバイブが自分に不安を起こしてくれて
危険ゾーンに踏み込まないように引き留めていたり、
凍りつくことによって九死に一生を得る動物としての機能をつかって
フリーズをすることによって、身体さんはこの事態をスルーさせようとしているのです。(ポリヴェーガル理論についてはこれからもご説明します)
フリーズや
不安や
怒りは
この現世のなかで
わたしたちの命を守ろうとする動物としての身体が繰り出す技です。
でも社会のなかで不都合を感じすぎるときは
変えていくことができます。
(今日この話に、自分は関係なかったなと感じる人はそのままスルーしてください。とても相性のいいすばらしいご両親に育てられたのでしょうとご想像します。)
そして愛着の神経パターンの修復においては
現在親との関係がどうあるかということは関係ありません。
ましてや親と仲直りしましょう、などということは
一切関係ありません。
自分の安心安全を脅かす存在は、親であっても避けていいですし、
そうやって境界をひくのがうまくなることもHSPさんにはとても大切なことですね。
楽しくラクに働こう!仕事は人生のエンタメだ!
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。
<お知らせ>
12月始まりのそういう個と。プログラム10期生の募集が始まりました!
プログラムの中で唯一時間が決まっているのがグループセッションです。
10期のグループセッションは金曜日の夜クラスとなっていて
12月22日の午後7時から始まります。(各回3h)⇨残席4
<10期グループセッション>
12/22 スタート・1/19・ 2/16・ 3/15・ 4/12・ 5/10
19-22時(最終日のみ23時まで)
■人間関係のお悩みが絶えない方
■自分の中に何か怖すぎる部分があるなとお感じの方
■疲れすぎると思っていらっしゃる方
どうぞご参加ください。
▶▶そういう個と。プログラム10期生 詳細・お申込みはこちら
これまでの「そういう個と。」プログラム修了生の声
<そういう個と。公式LINE>
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〜サクラと転んだ坂道と
<HSP強みdeワーキング〜洞察系・共感系・感覚系>
HSPを才能と捉えてこんな見方をすると、シゴトが開けていく。
ワークや実例がたくさん載った主宰皆川の著作。