“ノー”と言う境界〜それは本当に自分の感情か?【前編】
身体感覚からのアプローチで生きづらさを卒業し強みで働く
HSPのための自律神経ケア×強みプログラム
そういう個と。主宰の皆川公美子です。
対人援助職のための支援業務拡張のため、
第14期をもって開講を一時休止させていただきます。
講師皆川がおひとりおひとりに深く関わり
「感覚疲労や生きづらさから卒業していく」を目指せる第14期は
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さて、今日のテーマはHSPさんのお悩みテーマにあがりやすい
「境界線」について考えたいと思います。
周りに気をつかいすぎて疲れてしまう…
人の気持ちが伝わり、こちらまで緊張してお腹が痛くなることも…
サイレントニーズに板挟みになってしまう…
このように、HSPの特徴である共感力の高さに振り回されて
体調にまで響いたり過剰に疲れてしまう人は多いです。
境界線の感覚を得ることは自己をきちんと守ることにつながります。
今日は境界線を引くために
日常に取り入れていただけるといいなというヒントを
お伝えできるといいなと思ってポイントを4つお伝えしてみます。
今日は前編として2つお届けです。
HSPさんの共感力
ほかの記事でも度々ご紹介しているHSPの特徴について
そもそもHSP理論提唱者のアーロン博士が提示する
「DOES」と呼ばれるHSPの定義の4条件
1.【Depth of processing】深く考え、 深く処理する=深い処理
2.【Overstimulation】過剰に刺激を受けやすい=刺激から圧倒されやすさ
3.【Empathy and emotional responsiveness】全体的に感情の反応が強く、 特に共感力が高い
=共感力
4.【Sensitivity to subtleties】ささいな刺激を察知する=環境感受性
のうち、
境界線に大きくかかわっているのが3番目のEの部分ですよね。
「他人の気持ちが自分の中に入り込んでくる」
という表現を使う方もいますし、
困っている人がいれば気づかないうちに
「自分が助けるべきだ」と感じていたりする。
「あなたいま大変なんだね」と共感して理解するのではなく
相手の気持ちに深く入り込み、
まるで相手と同じ感情を抱くように感じ取ってしまうのが
HSPさんの共感力のすごいところです。
これは共感の一つの形ですが
優しさに繋がる良い点もある一方で、行き過ぎてしまうと
相手の過度な要求を受け入れすぎたり、
相手が求めていないサポートをしすぎて、自分を犠牲にしてしまうことにもなりがちです。
ですから、自分と他人の心理的な距離を保つことがとても大切になります。
無理に助けないことに罪悪感を覚えたり
「困っている人を手伝わない自分は良くない人間ではないか」と感じることもあるかもしれませんが、それはある種自然な気持ちです。
しかし、適度な距離感を保つことで、過度に他人に巻き込まれず、
自分も他人も大切にできるバランス感覚が身につくかもしれません。
ポイント1:自分の感情と他人の感情を区別すること
先ほども触れましたが、特にHSPさんは
他人の感情や状況に共感しすぎてしまうことが起こりがちです。
その結果、自分が抱いている感情が本当に自分のものなのか、
それとも相手のものなのかがわからなくなってしまう方も多いのです。
まず最初のステップとして
これは自分の感情か、それとも相手の感情かを考えてみましょう。
例えば、相手が困っている表情を見たとき
即座に「助けてあげよう」という気持ちが湧くこともあるでしょう。
でも、その「助けてあげたい」という気持ちは自分の感情なのか、相手が手助けを求めているという相手の感情に影響されているのか、
確認してみることが必要です。
もし単なる相手の感情である場合には、
「困っているのね、どうかした?」
「困っているの?どうしたいの?」と、まず相手の状況や希望を聞くプロセスを踏むべきです。
これが、自分の感情と相手の感情を分けて行動するポイントです。
しかし、相手が困っている姿を見た瞬間に即座に手をだしている、
なんなら「さらにどこを手伝おうか考えている」ということが起こりがち。
え?それ普通じゃない?
と思ったみなさま、社会の大勢のなかでは普通じゃありません。
あるいは「やってあげよう」がいきすぎて
相手の成長や支援にまで踏み込んでしまうと、
どちらの感情に基づいた行動かが曖昧になり、負担や自己犠牲に繋がりかねません。
相手は「いやそこまでやってくれって言ってないんだけどな」
と思いはじめることなんかがあると
すれ違いのもとになって感情が発火、
「なんでやってあげたのに感謝しないのよ!」とこちらも爆発、
のようなことは、実はよくあることです。
小さな親切のうちはよかったけど
親切ってなんか断れないし、
そのうちに「もういいよ、口出しが過ぎる」と思い始めたときに
それが親切って受け取れなくなるんだよ・・・
これはHSPさんに「親切にされた側」からの言葉です。
ポイント2:「NO」を言うことへの勇気
日本では特に「NO」と言うことにためらいを感じることが多いのではないでしょうか。
たとえば、レストランでみんなでデザートを頼む場面では、
お腹いっぱいだとしても「私はデザートはいらない」とは言いにくく、
みんなが頼むのを見てほんの小さいのを頼んでおこうとか
お付き合いの観点もすごく大きいですよね。
特にHSPの人は他人に嫌われたくない、傷つけたくないなどの気持ちが強い方は多いと思います。
でも、自分を守るために時にはNOを言うのも大事なことなんですよね。
「NO」を言うことは、必ずしも冷たく拒絶することではありません。
意味が伝わればいいので、例えばお誘いに対して
「その日は都合が悪いんです、ごめんなさい」
と丁寧に断ることも、立派な「NO」の表現です。
本当は行きたいのだけど…とか
これ以上は急げないけどこの日以降でよければやれます、
といった前向きな気持ちと共に断るのもありですね。
また、誰かが急に辞めた、異動になった、体調不良でお休みなどの状況で
仕事において過剰な負担がかかっているときには
「これ以上は難しいです」と伝えることも、自分を守るために重要なスキルです。
「でも仕事だし」「頑張ればなんとかなるかな…」
「みんな頑張ってるんだし」と思って
キャパシティ的に無理ですと伝えないことも多いでしょうが
まずは言ってみるということが大事。
上長の方はそこまでパンクしそうな状況に気づいていないことも往々にしてあります。
だから一度話の俎上に上げてもらうことは可能ですか、という気持ちで
(結果ありきではなく)伝えてみましょう。
話し合った結果振り分けは厳しそう、となることもありますが
他のメンバーに振り分けてもらえる可能性ももちろんあるわけです。
でも、言わなければそればいつまでも誰にも伝わらず自分だけの問題になってしまいます。
仕事のことは難しさもありますが、
このように自分の限界を尊重するための「NO」を伝えることで
周囲との関係もより健全なものに育てることができます。
子供時代からの影響と境界線の見直し
多くの人にとって「NO」を言うことが難しい背景には
子供時代の経験が関係していることが少なくありません。
幼いころ、「やだ〜〜〜」とNOを言ったときに親や周囲から
「わがままなんだから!」「そういうのはいい子じゃない」と言われて自分の意見を引っ込めた経験があったり、
ニーズを伝えても無視された経験が多いと、
成長してからも「NO」を言うことがためらわれるようになります。
(自分のニーズ・欲求に気づけない、という方もたくさんいます)
しかし、大人になった今だからこそ
自分を守るために必要なときには「NO」と言って良いのだと再認識することが大切です。
また、心理的な境界線を保つには、信頼関係も重要です。
相手との対話が安心できるものであるならば、
お互いの違いや意見を率直に伝え合うことが可能ですよね。
カウンセラーやセラピストとの対話も同様です。
たとえば、
・今のところがわからなかったです、どういう意味ですか?
・わたしはそうは感じてなくて〜、
・意味が上手く伝わってないかもしれません
こういったことはセッションの中で大歓迎なセリフです。
ここから本当に必要な対話が始まるからです。
こんなこと言ったらセラピストさんやカウンセラーさんに悪いかなとか
伝えても理解されないだろうなと思われたら
それはカウンセラー側の実力不足ですね。
相手に対して正直に自分の感情を表現できる(安心の)環境であれば
境界線を見つめ直すための良い練習となります。
これらのポイントを意識しながら、自分の境界線を見直してみましょう。
相手に合わせるばかりではなく、自分の限界や気持ちを尊重することが
心地よい人間関係の第一歩です。
次回は後編、
ポイント3:自分の価値観を大事にする
ポイント4:身体感覚のトレーニングで境界を強化する
をお届けします。
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