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天職というのは、身体性である。と思う

身体感覚からのアプローチで生きづらさを卒業し強みで働く
HSPのための自律神経ケア×強みプログラム
「そういう個と。」主宰の皆川公美子です。

今日は身体性のお話です。
ぜひ自分のことを振り返りながら
じっくり読んでいただきたいと思います。



前提にあるのは幼少期に染み込んだ人間関係対応パターン

家庭において
幼少期から親に口答えをせず黙っていることで
自分の存在意義を保ってきた、
その癖が今も染み付いていて
職場では知らず知らずのうちに上司に反発しないようにしている、
意見、とかでも言わない。
という方が、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

親がとても厳しかった、と思い出す方もいらっしゃるでしょう。
キレる親だった場合は、なおさら口答えしないパターンが染み込むと思います。
またはお母さんがおばあちゃんにいじめられていた、などのときも
「自分がいい子にしていることで波風がたたないようにする」ことを
知らず知らずのうちに自分に課していた方はとても多いです。

「子どもは何もわかってなくて天真爛漫」という世間的な概念からするとHSPの子どもは変わった子に映るんですよね。

そのために
特に非HSPの親御さんは
こんなんじゃやっていけない!
こんなんじゃ社会に通用しない!と
一種の怖れの感覚から
なんとかその子の「質」を矯正しなければと
子どもを過度に教育することに熱心になる親御さんも多いです。

子どもは生まれ持ってのなにかのタネを持っています。
ひまわりのタネはどんなに矯正しても朝顔の花を咲かせることはありません。
オシロイバナのタネはどんなに矯正しても、ひまわりのようなぶっとい茎を持って天高く伸びるということはありません。

これは単なる例え話ではなくて
クリフストレングス(強み)の世界では当たり前のことです。
(注:ストレングスファインダーの名前でご存じの方も多いかもしれません。)
クリフストレングスでは「3歳のときのその子の資質は26歳になっても変わらず観察できる」という追跡研究結果を持っています。

けれども親も人間なので
愛しい自分の子どもだけがなんだか世間から外れているような気がすると
不安になって、つい、子どもの質自体を変えようとするということが起こるのかもしれません。
「ちゃんとしなさい」「お友達はどうなの?」
「みんなはこうしているのに」
「他の人に迷惑がかかるでしょう」このような言葉は

”同質化”させたい

という気持ちの裏返しだったのかもしれません。

もしかしたら養育者が
自分という人間と同じチューニングである子どもを望んだかもしれません。
子どもは自分とは違うのだ、ということは
みなアタマではわかっていますが
心からそれを実行できる親は少ないのです。


「適応」はいいけど、「同質化」は違う?

適応(=その場の状態・条件などによくあてはまる)することはいいけれど
同質化することは、その人の良さを残したまま
環境や今いる組織に適応することとちょっと違いますね。
無条件に何かに合わせることは
その人固有の良さを打ち消すことになります。

けれども、確かに子供の頃には
「同質化」が確かに必要だったかもしれません。

親の考えに合わせなければ親のもとにいられなかったかもしれません。
親のもとにいられないと、
ご飯をもらえない、衣服をもらえない、
家にいられないといったことに繋がる可能性もありました。
「それは生きるためには危険」
子どもにはそういう本能的察知なものが必ずあります。


幼い頃の(神経・行動)パターンは、今もなお必要でしょうか?

ですが、そろそろ私たちは「人生の午後」に差し掛かっているわけです。

20代の若い方はまだ差し掛かっていないかもしれませんが
私の周りには人生の午後(by ユング)を迎えている大人の方が多いので
この表現を使わせていただきます。

この人生の午後に差し掛かると、身体が本能的に
「幼少期の神経パターンをもう手放してもいいんじゃない?」
という感覚になってくるんですよね。

「自分のこともう少しよく知ってみようかな」
「自分を理解できてないんじゃないか」
「なぜいつもこういう人間関係パターンになるんだろう」
そんな言葉があがってきたら
幼少期に身に着けた神経パターンを見直すタイミングがきています。
実際、身体がそう感じている方が、
私たちのプログラムそういう個と。に参加されています。


身体には、それ自体の意思がある


身体には本来、意思があるんです。
頭、マインドとは違う意思を持っています。

これは、TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)
長く続けている方には、
必ずと言っていいほど出てくる局面なんですが
頭で指示していない動きが体から自然に出てくるんですよね。
「こんな動きが出るなんて!」とか
「こんなことが起こるなんて!」ということが
頭ではなく体から湧き上がってくるんです。

それはとてもリアルです。

TREはシェイク(身体全体の貧乏ゆすりみたいな揺れ)を起こすことで
大腰筋を解放していくエクササイズなのですが
自分で動かそうと思うのではなく
身体から湧き出る動きについていくようなツールです。

そうやろうと思っていなくても
腕がなにかを振り払うような動きをしたり、
肩が上下に動いたり
横揺れから縦揺れにかわったり
おもしろいです。

そうするとクライアントさんは
普段は頭が命令しているように思っているかもしれませんが、
身体には意志があるんだ!ということが分かってくるんです。


「こっちに行きたい」「これをやりたい」といった方向性は
本来、体から湧き上がってくるものなんです
よ。

逆のこととして
アタマでは「これから大掃除をしよう!」と思っていても
身体が動かない、まったりしちゃって
どうにも立ち上がれないときってありませんか?
アタマではこれから掃除の時間、とわかっていても
身体は動けない。
これは「意志が弱い」ということでは片付けられない、
身体不調や身体の休息の必要性を表していることも多いです。


転職ってなんですか?その先にある天職

以前、心理士の吉里さんとの対談にお招きいただいたときに
「転職とは何ですか?」と聞かれ、
私は「転職は、究極、身体的なものだと思います」とお答えしました。

その意味は
転職、つまり自分の身体が喜び、意義を感じることは
はじめ頭で考えて考えて出てくるようなものではなく、
人生の中で「こっちかな?」「これかな?」と身体がわくわくしたり
身体ががやってみたいと感じる方向を試していく中でみつかるものだと
たくさんのクライアントさんの人生を見送ってつくづく感じます。

「仕事に呼ばれる」という言葉を耳にしたことがある方はいらっしゃいますか?

何かをやっているうちに、自然と仕事が広がったり
知人から手伝ってくれない?と言われたり
興味があることにそちらに誘われたりする。
計算して狙って計画したことではなく
「これは嫌だな」「これは違和感がある」と避けていくうちに、
「これをやりたい」「この人と会ってみたい」といった喜びを追求していくうちに
気づけば仕事に繋がっていた、ということがあります。
HSPさんはそのような方向性を持てるほうが幸せな転職になることが多いです。

自分の好きなんて・・・と思わずにそれを自分に許可していくと
不思議なことにチャンスが訪れたり、
誰かとの出会いが仕事に繋がることもあります。
そうした偶然の連続が
実は天職につながる仕事
というものだと私は思っています。

これはもちろん起業・フリーランスに偏った話と感じられるかもしれません。
しかし、会社員として就業している方でも
まずは「こっちだな」と感じる方向を選び、
その先で新しい部署に誘われるなど予想外の展開が起こることも多いです。
これは幼少期の神経パターンを手放した後に、自然にやってくることです。


【おまけ】その道を邪魔することがあるとすれば
それは幼少期の行動パターン>感情パターン>神経パターン

屈託なく
素直に
本心のままに
自分の身体が求めることに従っていくと
扉は開いていくものです。
 
楽観的に
信じることを追求するチカラ、
憧れないで自分を見るチカラ、
さっと成果がでなくてもグレーにとどまりながら
ご機嫌で実験をしつづけるチカラ、
それを邪魔するようなことがあるとすれば
それは幼少期神経パターンなのです。

ネガティブ・ケイパビリティということばが最近急に注目されています。
事実や理由を性急に求めず、不確実さや不思議さ、
懐疑の中にいられる能力
」という意味です。

幼少期の神経パターンは
身体に深く染み付き「当たり前」になっているので
普通にしていたら気づけません。

ライフブロックと言えるような
長きにわたる低迷感や停滞感を感じて
その正体がなんだかわからないもやもやだと感じる方は
ご自身のなかにある幼少期のパターンを見つめることをやってみるといいですよ。

それはこれまで一生懸命生きてきた子どものころからの自分を
発見し、認めてあげることになり
とても素晴らしい体験になるはずです。 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。