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グランメゾンパリとエスプレッ層
グランメゾンパリを観終えた時、
農家、珈琲人、飲食が好きな1人として、
感動してました。
食に向き合う人には、すごく刺さるモノが多いのではないでしょうか。
オススメなのでぜひ観てほしいです。
ここに僕が書き残そうと思ったきっかけは、
作中に出てくる"メインディッシュ"に
感激と共感
したからです。
それは、作中に
"グランメゾンに関わる皆の思い"を詰め込む、
という意味で作られた
"ピティビエ"
と呼ばれる
肉をパイで包んだ料理。
切り分けたときの
断面を見て
思わず、
"エスプレッ層だ!"
と感動しました。
数種類のお肉を詰め込む、と聞いた時は
パイの中にゴロゴロと入った中身を想像したのですが、
実際は、3枚の分厚いお肉が"重ねられて"いました。
しかも、1つ1つの素材の味が最大限に引き出される調理がされたあと、パイの中に詰められ、火を入れて完成されている、すごい手間のかかる1品なのです。
その台詞を聞いた時に、
僕が作ってた"エスプレッ層"の
考え方と同じだ!
と気づきました。
エスプレッ層も、
それぞれの珈琲豆の良さを、100%引き出せるように重ね合わせて
層を作り、抽出していきます。
正直、技術と手間が掛かるやり方です。
エスプレッソの語源となったとされる
"急速"
とは逆なことをしています。
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なぜ、"層"、にしたかと言うと
こんなにも特徴豊かな珈琲たちを
いっしょくたにしてしまうのは
もったいないと思ったからです。
土地、品種、精製、焙煎
抽出までの過程で
さまざまな工程が作用するため
その珈琲にとっての
"良い抽出ポイント"が
1つ1つ違ってきます。
そして、工程の肝となるのが
"豆を挽く"
です。
挽き目を1つ1つに合わせる事が
本当に難しく
豆を分析する力が
とても試されます。
僕は、エスプレッソを抽出するため
"挽目"が少しでもズレると
圧力が掛からずサラッとなったり、
詰まったりしてしまいます。
まだまだ研究中ですが
"層"を作るのは
珈琲たちの最後の仕立て作業と思うと
楽しいです。
このように、ブレンドのやり方を、一工夫するだけでもっと楽しい液体ができると思っています。
グランメゾンパリを観て、探究心に刺激を頂きました。
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味はどうなの?
と聞かれてしまいそうですが
機会があればぜひ感想を頂きたいです。
そして、興味持たれたコーヒー好きの方に
"層"を試してもらいたいです。