【✏】えんぴつ堂#797~#870
使用の手引き… https://note.com/souffle_lyric/n/n0ba1320f658a
ごゆっくりどうぞ!
【797】
【✏️】
賑やかすぎて速すぎて
怖かった世界がモノクロになった
手のひらに収まるほど遠ざかり縮小
蛍のように優しげな灯りが現れる
安堵した僕は食器棚に向かい
ココアを注ぐ準備を始めた
【798】
【✏️】
感情が頬まで伝うそのわけは拭う手当てが必要だから
【799】
【✏️】
世の中と上手にとろけられなくてチーズやプリンに笑われている
【800】
【✏️】
名も知らぬ行き交う人と擦れ違い私の帰路は誰かの往路
【801】
【✏️】
あの言葉あの日あの空あの音楽残り留まり絶えず焦がれる
【802】
【✏️】
青果市場で尋ねる
毒のリンゴは何処ですか?
ぎょっとした店主に向かって
最近眠れないんです、と述べる
提供された半毒リンゴは
自力で目覚める青い果実
最近売れてるらしいけど
毒リンゴを求める世界なんて…
【803】
【✏️】
あなたがくれた言葉
キミと交わした言葉
お前にぶつけられた言葉
千の言葉は編み上げられて
思考や外見や行動になった
言葉でできた人間が生まれた
言葉人間、一冊の詩集
そう
僕こそが詩だった
【804】
【✏️】
青すぎる反発力を止められず跳ね返ってたあの日の気概よ
【805】
【✏️】
憂鬱に日常が埋もれて
窒息してしまう前に
少し手伝ってくれないか
生きてるを感じられるものを
探しに走ろう
手を繋いで
汗ばんでもいい
気がついたコトを教えて
何気ない毎日だって
面白いって思いたいから
【806】
【✏️】
指切りをしながら見つめていたいのは指より奥の澄みきる瞳
【807】
【✏️】
アイドルもアナウンサーも巣立ちゆき電池の切れるペンライトかな
【808】
【✏️】
理想のボクが遠ざかる
望んだキミが遠くなる
欲しがり屋さんになっていた
愛情のテキストを下さい
はぐれないように学ぶから
傷つけないよう気をつけるから
完璧主義の幼児性が
赤子のように泣きながら求める
【809】
【✏️】
並び立つ住の明かりを歩き抜け帰り着いたら僕も光ろう
【810】
【✏️】
人間の儚さあふれ見守るはTVの音も消える路地裏
【811】
【✏️】
未熟者だからまだ半透明
半透明人間のぼくを
どうか笑ってよ
どうかクスクス笑わないでよ
幽霊じゃないよ
物陰に隠れる半端者
だけど透明になりきれないのは
全ての繋がりが消えそうで怖いからだ
【812】
【✏️】
昏くなる攫うみたいに連れてって車の鍵が仄かに光る
【813】
【✏️】
ツーショットチェキの笑顔を連れ帰るほら地上だよ知ってるだろう
【814】
【✏️】
人生で一度もくるったことがないそう言い切れる自信はあるか
【815】
【✏️】
どうにもならなくなったからこそ
僕らは祈ろう
自他の為に祈ろう
句読点のように祈ろう
どうにもできなくなることはない
まだ祈れる
まだ祈りがある
祈る事だけはいつだって許されていた
【816】
【✏️】
食べ物が足りない
飲み物が足りない
キミが足りない
こんなにも欲深くなって
何もかもが欠けている幻想
喉から手を伸ばすように
満たされる幸福に酔いたくて
空っぽのカラダは泣き叫ぶ
愛情に噛みつきたい
【817】
【✏️】
お庭にアメジストが咲いたね
澄んだ紫色を摘み取って
ジュエルティーにしましょうか
なるように進んでいくよ
高貴な香り
ふわり心身を鎮めて
透明なガーデンパーティ
【818】
【✏️】
夜のお疲れ様
キミを腕に抱いて
一緒に瞼閉じたら
夢の国に行こう
悪夢を見ても大丈夫
腕の中の楽園
どうか留まっていて
また空が明るくなるまで
朝のおはようまで
【819】
【✏️】
筆を執りナウローディングを繰り返しやっと完了恋文ひとつ
【820】
【✏️】
使えぬをできるに変えていく事が醍醐味なのだと只教わりぬ
【821】
【✏️】
あ、か、さ、た
詩人は語彙に惑う
い、き、し、ち
詩人は表現を閃く
う、く、す、つ
詩人は筆を執る
え、け、せ、て
詩人は言葉の森を抜ける
お、こ、そ、と
【822】
【✏️】
報われなくて打ちのめされて
それでもノゾミは止まらない
願い続けて動き続けて
ある日、ノゾミの端っこが叶った
小さな欠片がこの手にあった
大きな夢は難しくても
でも…これからもノゾミタインダ
【823】
【✏️】
認めたくない事全部箱に詰め今からこれは架空の話
【824】
【✏️】
渡せずに夕焼け小焼けで日が暮れて日ごとに皺が増える恋文
【825】
【✏️】
いつからか得意な役は聞き役でうんそうだねと歌う相槌
【826】
【✏️】
相応しく整えて
ご奉仕に出かけましょう
欠伸をこらえて
誰かを助けられるように
力になれるように
お金が貰えるから嬉しい
ありがとうが聞けたら嬉しい
青空と一緒に働こう
【827】
【✏️】
どうしようもなく旅路は続いてくせめて隣で笑い生きよう
【828】
【✏️】
君のレーダーチャート
強さと弱さの凸凹
補えるような僕になろう
鋭いギザギザのままでもいいよ
君を愛してる
【829】
【✏️】
例え愚かと笑われようと
太陽がまた昇るように
月がまだ満ちるように
成し得る事を続けていきたい
ありがとうにありがとう
頑張れに頑張るよ
嘲笑じゃない笑顔のために
もう一度羽ばたいてみるから
【830】
【✏️】
次々とビックリ箱を開けている開けさせられてる場合もあるが
【831】
【✏️】
言えない言葉を
表出できない気持ちを
戦えない現状を
ドロのように喉奥に
今日もこびりつかせたまま
また吊革につかまり揺られている
【832】
【✏️】
ありふれた言葉じっくり漬け込んで僕だけの味つけて売ってる
【833】
【✏️】
強すぎず弱くもないと力込め恋のシーソーぎっこんばたん
【834】
【✏️】
「まじか…」などまじかるぱわーで解決だそれができたらどんなにましか
【835】
【✏️】
焼肉屋開くメニューににんまりと肉と肉との熱き交歓
【836】
【✏️】
出勤日髪やネクタイ結んでは結び目みたく澄まし顔して
【837】
【✏️】
ドラゴンの国がこの世にあるならば僕の悩みは雑草だろう
【838】
【✏️】
艶やかな声を伴う息遣いイヤホン越しの私は姫君
【839】
【✏️】
壁紙か待ち受けか揉めるホーム画面我関せずとスマホは光る
【840】
【✏️】
世の中の強い基準ばかりに
囚われてしまいそうになるけど
もっとピュアに、もっとイノセントに
思い出せ、抱きしめろ
ぼくの胸の中だけの希純
【841】
【✏️】
報告はタイムラインじゃなくってさ個別の仲と思っていたよ
【842】
【✏️】
独りの日とびらをひらき内側で泣いてるわたし撫でてあげよう
【843】
【✏️】
穏やかな春
ショッキングな春
無数の道が枝分かれして
今日までの伏線の蕾が開く
虹色の春
真っ黒な春
吹き抜ける風だけは平等に
現実の花弁と戯れる
僕は目と鼻をツンとさせながら
さくら味のドリンクを買い求めに行く
【844】
【✏️】
離人感ふわふわ辿ってきた地図はすでに誰かの名前があった
【845】
【✏️】
窓際にかたりと置いた砂時計朝と夜とをひっくり返し
【846】
【✏️】
眠り落ち時が止まった心まで揺り起こすよに陽光が射す
【847】
【✏️】
実はね ぶっちゃけ
あの時 こうだった
身の上話がワンルームに満ちて
互いを見る目も獣色に変わる
どこまで話しましょう?
もういいや!バラしちゃおう
理性がお先に眠ってる
だってだってあいつってさあ…
低められる声と寄せられる首
告白会は黒く愉しく
【848】
【✏️】
そろそろとタイトロープをつたってく三日月の爪落ちないように
【849】
【✏️】
恥じらいを脱ぎ捨てられず
また躊躇って躊躇って
色づいてゆく心
やがて太陽に背を押され
ひらく…
怖がりの蕾はまだ知らない
我知らず抱きしめている
可能性の種たちについて
【850】
【✏️】
今日もまた惰性で過ごし夢見てた半分くらいは叱ってほしい
【851】
【✏️】
捕食者が心に牙を突き立てる食糧としての価値説きながら
【852】
【✏️】
ステージの上からウィンク射抜かれて目と目が合った絶対そうだ
【853】
【✏️】
何気なく見えた写真の違和感に僕はファンから探偵になる
【854】
【✏️】
汗と涙で育った若木は
壊れそうな危うさ秘めて
きらきらとくらくらと輝く
その瞳の鋭さ和らげる
花との出逢いはきっともうすぐ
【855】
【✏️】
平気ですよ、大丈夫だよと
強がりパブリック…
有名人でもありませんのに
真似をしちゃってふらふらり
貴方だけには小規模に
暴かれたいよプライベート
【856】
【✏️】
吹き抜けた歌のかたちと踊りの音神様達に伝わるように
【857】
【✏️】
人々の群れにキミはいた
最初は背景だったのが
だんだん惹かれて近づいて
この交差点の真ん中で
血肉を持ったキミになった
笑顔の練習始めるから
どうかボクを景色にしないで
【858】
【✏️】
数学のテキストに風吹き荒れろ旅人算をめちゃくちゃにしろ
【859】
【✏️】
雪解け水から
春告げ鳥から
さて、何を習いましょうか
別離と邂逅
新しい天地
不安定な季節でも
揺れ動く心でも
希望という光を
かき集めて
春休みの友としよう
【860】
【✏️】
年齢と出演作と性格と沼に推ちてはデータむさぼる
【861】
【✏️】
お気に入りの服で
待ち合わせ場所まで行くよ
羽が生えたみたいに
ココロ軽くなるね
背筋が伸びて
お気に入りの服は
魔法がたっぷりかかってる
今日の自分はステキ
そう真っ直ぐ思える魔法
【862】
【✏️】
自分には関係ないと思っても春の陽気は抱きしめている
【863】
【✏️】
新年度慌ただしく流れる傍でどんと構える桜餅かな
【864】
【✏️】
ウグイスが脱落させた羽根ひとつ春の風へとひら落ちてゆく
【865】
【✏️】
春の夜の桜の下を通る時…根のような手が待ち構えてる…
【866】
【✏️】
消印のない風の便り
時に冷たく時折やさしく
あなたのいまを運んでくる
わたしのことを送るには
どうすればいいですか
【867】
【✏️】
電卓を叩くネイルが艶めいて合計額をデコる錯覚
【868】
【✏️】
「まだ乗れる」「いけるだろう」の集合体通勤列車が運びゆくエゴ
【869】
【✏️】
青色はまたやってきて
汚れなきふりをして
思春期の例えとなって
爽やかな笑顔を以てして
生活にするりと滲む
青ざめてどろり、食欲を減らしてる
僕のことなど構いもせずに
【870】
【✏️】
なにくそと継ぎ布当てて縫っているすりきれた夢まだ着るために