【自己紹介】介護の仕事に救われた話
デイサービス生活相談員をしている社会福祉士の田中こころです。
ここ数日間、note執筆はお休みして、福祉に関する発信をされている方々のnoteをたくさん読ませていただきました。
その中でも、特に心を惹かれたのは、書き手のプロフィールが詳細に綴られている記事です。
どんな人がどのような思いで記事を書いているのか、やはり読者としては一番気になりますよね。
そこで今回は、私自身のこれまでの経験や歩みについてお話しさせていただきたいと思います。
学歴への挫折と一念発起
私は高校を中退しています。高卒認定資格は持っていますが、今でも学歴は高校中退のままです。
幼少期から感受性が強く、また自意識過剰だった私は、思春期をこじらせて無気力になりました。
それなりに受験勉強をしてそこそこの高校に進学するという、「普通」の道を歩むための心の体力がなく、何とか入学した私立高校も2週間で通学を断念しています。
その後は、アルバイトを転々としながら、楽な方楽な方へと流れる日々を送りました。
「このままではいけない」と思いはじめたのは、同級生たちが進学や就職を決め、それぞれの道を歩み出した頃です。
介護の仕事との出会い
19歳のとき、デイサービスに就職しました。
以前アルバイトで障害者施設に勤めた経験があり、「介護なら学歴や資格がなくてもはじめられる」「手に職をつけられる」と思ったからです。
しかし、介護の仕事は間口が広い反面、続けていくのは大変でした。
知識も経験も未熟で、人間力も足りなかった私は、看護師から厳しく叱られることが日常茶飯事。
利用者様からも嫌われてしまい、1年半の間、毎朝ひとしきり泣いてから涙を拭き、出勤する日々が続きました。
それでも辞めなかった理由は、「これがダメなら、出家するしか道はない」と本気で思っていたからです。
専門性を求めて前進
少しでも介護の専門性を高めたいと思い、職場からは「必要ない」と言われたものの、ヘルパー2級を取得しました。
その後、介護技術をさらに磨きたいと考え、老健併設のデイケアに転職。
介護技術が身についてコミュニケーション能力も上がり、少しずつ利用者様や職員から信頼を得られるようになりました。
ようやく介護の仕事に「やりがい」が感じられるようになったのはこの頃です。
介護職に就いて3年、人生ではじめて努力して勉強し、介護福祉士の資格を取れたときは嬉しかったですね。
当時は筆記試験のほかに実技試験もあり、私は視覚障害のある方への食事介助を課題に受験しました。
試験中は緊張で膝が震えっぱなしだったことを、今でも鮮明に覚えています。
キャリアの転機
介護福祉士を取得した後、新たなフィールドを求めて放課後等デイサービスで児童発達支援管理責任者として働きました。
しかし、制度改正で資格要件を満たさなくなり、高齢者分野へ戻ることに。
再び介護職員として働き始めたデイサービスで、生活相談員への推薦をいただきました。
「せっかくのチャンスを掴みたい!」
私の自治体では介護福祉士の資格で生活相談員の職に就くことができます。
ただ、児童発達支援管理責任者のときのように資格要件が変わってしまうのではないかという不安がありました。
そのため、通信教育で社会福祉主事任用資格を取り、2年間の実務経験と9ヶ月の短期養成課程を経て社会福祉士になりました。
今日まで順風満帆な道のりではありませんでしたが、こんな私を活かしてくれた社会に少しでも貢献したいという気持ちが原動力です。
私を支えてくれた介護の仕事
私が介護を始めた理由は「人の役に立ちたい」「両親が祖父母の介護をしているところを見て」といった立派なものではありません。
しかし、学んだことを活かそうと努力し、利用者様との出会いを通してさまざまな経験をさせていただく中で、私自身が救われていきました。
私自身の成長が、目の前の人の支えになる。
そんな仕事に就けていることを、心から幸せに思います。
これからの目標
現在は、介護福祉士としての経験に社会福祉士としての知識をプラスして、相談援助を行っています。
これからも、自分の経験を糧に、一人でも多くの方の力になれるよう努めていきます。
そして、この仕事の魅力や価値を、より多くの人に伝えられるよう発信を続けていきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。