インターンシップ生へのアドバイスの取り組みで感じた雑感的なメモ
ここ2年ほど大津町議員が受け入れているインターンシップの大学生さんへのアドバイスをしています。
インターンシップ制度はドットジェイピーという非営利活動法人が運営しているもので、日本全国で行われています。
今期のテーマは「未来自治体のデザイン」で、「30年後自分たちが住みたい町にするためにはどうしたいか?」という観点で提言を作成するもので、地方大会を勝ち抜いたグループが全国大会に進むというなかなか興味深いイベントです
そのイベントの内容はさておき、今回学生さんとの話をしている中で気づいたことを書いておこうと思い、久しぶりのnote記事にしてみました。
第1回目は「ビジョンメイキング」でした。
事務局によってチームが形成されたばかりで、どういう方向に行くのかよくわからない状態です。タックマンモデルでいえばまさに「Forming」で、右も左もわからない。そんな中、怪しげなコンサル(僕)も交えて話をするという、若い学生たちにとってはかなりスリリングな時間です。
こういう時は定番のアイスブレークで空気を少し和ませて、早速本題「30年後あなたが住みたい町とはどんなイメージですか?」に入ります。
学生たちが漠然と抱いていた「自分が住みたい町」のイメージをホワイトボードに書き殴りながら、メンバー間の思いを確認していきます。それぞれが考えていることはバラバラでユニークなものでしたが、それらをよくよく観察すると関連性や共通項も見えてきました。
そこでの学生たちの気づきは以下です。
ちなみにビジョンには「主体性」「新規性」「共感性」が必要。
2時間弱の時間で、何もない状態から今回のメンバーのビジョンイメージが、きちんと浮かび上がってきたのはそこに参加したメンバーの前向きな姿勢がベースにあったからだと思います。タックマンモデルでいえば、「Storming」「Norming(の入口)」まで一気に進んだ感じです。
これをもとにして学生たちのビジョンとキャッチを考えてもらうのが次回までの宿題でしたが、出てきたビジョンは僕の予想を上回る良い出来栄えだと感じました。
そしてこのビジョンから、具体的に取り組むテーマとしてどんなものをあげてくるのかとても興味深く待っていました。
第2回目はその内容を見せてもらってアドバイスする時間です。
2回目の前日に送られてきたプレゼンシートの内容はそれなりに良い感じでしたが、合理性が若干不足しており、またそのテーマを「横串」で貫く印象的なシーンや具体的な場所を考えてもらうように伝えるつもりでした。
しかし、第2回目当日にその話をする前に学生たちの方から「横串としての具体的な場所」の提案がありました。彼らはそれを「テーマを貫く横串」とは考えてなかったようですが、とても素敵な横串だと僕は感じたのでそう伝えました。
後は合理的な構造です。これはなかなか難しいのですが、表現と抽象度を合わせるとうまくいくと経験的に知っていますので、それを一緒に作業していきました。
これまでいろいろなヒアリングを通じて思考を深めていた学生たちの反応はよく、20分ほどのやり取りでビジョンと実施テーマの合理的な構造がうまくハマったように思います。
ビジョンは思考の飛躍や新しい気づきによって「ひらめき」を伴うプロセスで作られることが多いですが、プレゼンは合理的な構造が絶対的に必要だと考えています。
もちろん、合理性だけでは人は共感しませんが、共感は明確なビジョンでリードすればいいのです。逆に言えば、共感的で主体的なビジョンを実現させるために合理的で構造的なテーマを取り上げることが必要だと思います。
そしてそのためには、日ごろの情報収集活動と思索が不可欠だと感じました。
ちなみに、学生達はこれからプレゼンシートを完成させて地方大会に臨むことになりますので、まだこれは途中経過です。したがって具体的な内容をここで書くのはもう少し先になります。学生たちがこれからの2週間でどういうSynergy effect (化学反応)をおこすのか期待しかありません。