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「ミュージカル刀剣乱舞」に端を発した共感覚に関するQ&A②


ミュージカル刀剣乱舞がきっかけで、私は自分が持つ「音楽や歌を聞くと色が見える」という共感覚について再考するチャンスを得た。
(詳細は「Q&A①」に書いているので、そちらを参照してほしい)

匿名ツール「マシュマロ」で共感覚体験に関する体験談や質問を募ったところ、ありがたいことに多くのコメントをいただいた。
この記事は、そのコメントと私の回答をアーカイブ目的でまとめたものである。第二弾である。

1.Q&Aまとめ(その②)

■補足事項
・この記事に掲載している画像は、いずれも著作元の利用条件に則って使用している。著作元は画像の直下に記載しているので、もし使用したい場合はまずそちらを確認してほしい。

・「マロ主さん(まろぬしさん)」とはコメントの送り主のことを指す。送り主は匿名なので、便宜上そのように呼んでいる。

・マシュマロ(コメント)は基本的にいただいた順に掲載しているが、同じ送り主からいただいたものに関しては、会話の流れが分かりやすいよう順番を入れ替えている。

・noteにまとめるにあたり、私の返信は基本的にそのまま転載するが、誤字脱字があった場合は訂正している。なお、冒頭の挨拶は適宜省略している。

・私の返信に学術的な正確性は保証できない。2020年現在の最新の研究事例をベースにしたものではないので、ご容赦願いたい。

・私は「色聴共感覚」という単語をあえて使っていない。
なぜなら「色聴」は「Colored hearing synesthesia」の誤訳のように感じるから。熟語の作りとしてもおかしいように感じるから。
私は色を聴いているのではなく、聴こえる「音」に色や形を見ている。
だから和訳するのであれば「音視」「音見」がより正確だと思っている。

・「共感覚者」という単語もあえて使っていない。「共感覚を保持している人」と言うようにしている。

▽No.12:千子村正(演:太田基裕)、長曽祢虎徹(演:伊万里有)の歌の質感

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マロ主さんが感じていらっしゃる太田さん、伊万里さんの声の質感の体験、「そのニュアンスわかるかも…」と、ときめきながら拝読しました。

件の連ツイでは、有澤さん、小越くん、阪本さんの言及がメインで、他にも数人ほど印象的な声の色をお持ちの方を挙げたのですが、あの瞬間でぶわーっと脳裏をよぎった強烈な色たちを挙げたと思っていただけますと幸いです…!
穏やかな色もまた素敵なのですが、私は一撃必殺の声に弱いので、つい強烈な色を挙げがちなのです…笑

今回はマロ主さんも挙げていらした太田さん(の村正)の声についての話を詳しくさせてください。

彼のような歌声は黄色系の色を帯びることが経験上多い気がするのですが、あおさくの大千秋楽公演(配信)の「Blackout」を聞いた時に
「黄色………じゃない……緑だと………!?」と慄いてしまいました。
私の中では緑系の色の歌声は激レアなのです。

今、先日購入したCD音源を聞きながら書いているのですが、CD音源でも綺麗なライムグリーンなのでうれしいです。目に痛くない、でも鮮やかで透明感もあるライムグリーンだなぁって思います。

ただし、太田さんの歌はこれが初見ではないというところがミソでして。私の中ではあくまでも「Blackoutを唄っているミュ村正の歌声」はライムグリーンなのです。

好きなタイプの歌声ですが、必ずしも色を想起しない。それが私にとっての太田さんの村正の歌のようです。

▽No.13:俳優の体調やコンディションで歌に見える色は変わるか?

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物心ついた時からずっとこの知覚と仲良くしたり喧嘩したりしながら生きてきたのですが、私は喧嘩してきた時間の方が長いため、そのように言っていただけると救われるような思いです…!
それでは質問への回答をば…!

Q1.見える色というのは、公演ごと(初演と千秋楽など)で若干違ったりするか?
A1.「違う」というよりは「消える」「現れる」という方が感覚としては近いです。


最も顕著な差が出るのは「CD音源」と「ライブ(現地での観劇)」です。
CDでは視えた音が現地では視えなかったりします。ただし、歌い方が変わる(ヘッドボイスのところがファルセットになる、など)と色が変わる事はあります。

後日、詳細をまとめようと思っているのですが、共感覚の中には「人の体調を色で視る」ことができるタイプもあります。そのタイプですと、私の持つ共感覚よりも断然顕著に俳優さんの体調やコンディションの色の変化が視える可能性はあります。私はそのタイプの方には会ったことが無いので想像することしかできませんが、まるで超能力だなって思います…!

Q2.日常生活の音にも色は見えるものか?
A2.私は視えないですね…!


私と同タイプで視える人もいるそうですが、大概そういう方はかなり厳密な絶対音感を持っていた記憶があります。
日常音が全部音階で聞こえるのと同じような感じで音が視えるのだそうです。これも想像するしかできないのですが、なかなか大変そうだぞ…と思いました。

▽No.14:楽譜の音符を色で塗りつぶす話/和泉守兼定(演:有澤樟太郎)の歌の色

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マロ主さんの有澤さんの声のイメージ、すごくエレガントで素敵だなぁって思って読みました。教えて下さりありがとうございます!

音(単音、コード、楽曲、楽器など)と色覚にまつわる共感覚は、共感覚のタイプの中でもかなりメジャーな方なのですが、マロ主さんのご友人は単音一つ一つに色が視えるタイプかもしれませんね…!これは想像で述べているのですが、ご友人はかなり厳密な絶対音感もお持ちかもしれないなと思います。

さて。マロ主さんの体験している知覚が共感覚かどうか、という件。
他の方への回答とほぼ同じ文脈になりますが、共感覚が起きている時の人の脳は、本来同時に作用するとは思えない部位が同時に動くようです。(私の場合「聞く」時に「聴覚」「視覚」「色覚」に関わる部位が同時に動くようです)

なので、もし、「考えると思い浮かぶ」というものなのでしたら、文章上だけでは厳密な判断はできませんが、それは共感覚ではない可能性があります。
とはいえ、音楽経験者と共感覚、イメージ能力の相関について調査しているのを見たことがあるので、今後何か定義が変わる可能性もあります…!

マロ主さんの知覚は、既に何か名前が付けられているものかもしれませんし、今後将来新しく名前がつくものなのかもしれません。
すぱっとお答えできず申し訳ないですが、これを回答とさせてください…!

▽No.15:感想マシュマロと私の返信

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マロ主さんのお言葉を見て涙腺がばかになってしまっています。嬉しいです。ありがとうございます。

この知覚のお陰で得られたこともありますが、諦めなければならなかったこともあります。色々ありました。でも、ふと振り返ると音楽が魅せてくれた世界の思い出に救われたり支えられて日々を生きています。

一度宝物になった曲はずっと宝物です。先日のツイートはそれが極まってしまった、いわば暴走に近い発露でした。
ですが、共感してもらえたり、いい曲だよね、いい歌だよね、ミュの土方組いいよねってコメントを見掛けたりして、つぶやく直前の何倍も幸福感をいただきました。今回は暴走(?)してよかったなぁって心から思いました。

素敵なものがどのように素敵なのか、好きな人のどこが好きなのか、語れる語彙を増やしていきたいのですが、一番大事なのは言葉を盛る事ではなく、真摯に向き合う気持ちだと思っていて、今回の一連のツイートはそれも込みで伝わっていたのなら嬉しく思います。

私もあなたの言葉に勇気をいただきました。ありがとうございました。

▽No.16:髭切(演:三浦宏規)の歌の色

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他の方への回答でも書いたのですが、私は(たぶん)ノンローカライザー型の共感覚なので、目の前に色が実際に現れる訳ではありません。ですが、音楽と一緒に現れる色はきれいだなぁって感じています。
その感覚に適切な言葉を探して探して表現しようと努めているので、楽しんで読んでいただけましたなら嬉しいです。

人の歌に感じる色についてなのですが、歌声や声が常に染まっている(阪本さんの堀川はこのタイプ)人もいれば、「この公演の、この曲の、この部分」という非常に限定された状況で色を放つ人もいる(太田さんがこれに近い)ので、それぞれ一人ずつを挙げるのは難しいです…すみません…!

最近双騎'20の予習で、双騎'19の源氏兄弟の歌をよく聞いています。
先日、高野洸さんの膝丸についてお話ししましたので、今回は三浦宏規さんの髭切の歌について書かせてくださいませ。

ミュ膝丸の生歌は「ひずみ」の印象が強くてランダムにざらっとした感じなのですが、ミュ髭切は、対照的かもしれません。CD音源・生歌ともにかなり均一に整った粒子で…
…なんだろう、いまあの質感を言い表したくて色々探していたのですが、「フロストガラス」というものがかなり近いかも。
フロストガラスの曇っている部分の粒に近いです。マットではなくて、うすーーーく色づいた光を透過しているような、そんな感じです。

ミュ髭切の歌もまたCD音源と生歌で変わります。CD音源だと穏やかで淡くて優しい黄色です。原作の髭切の髪の毛の色にかなり近いので、まさしく歌声まで髭切カラーというような趣ですが、

私は生歌の色もまた好きでして…!

生歌だとほんのり青みが滲む冷たいライトグレーなのですよ。しなやかだけど強固。エモーショナルに唄う所では、たまにその下からぐわーっときれいな暗褐色が覗くことがあります。

最近、テニミュ好きの人から三浦さんはテニミュで跡部様を演じられていたさなかで目に見えて発声が変わっていったと聞いたので、その変遷を追って聴く(そして見る)のも面白いかもなぁと思っています。

▽No.17:小狐丸(演:北園涼)の歌の質感&色

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了解です!刀ミュの小狐丸役の北園さん、書かせていただきます…!

ミュこぎさんの歌声はとにかくめちゃめちゃきめ細かくて、乾いていて、細やかにさやさや光っている表層があります。
あれを強いて何かに喩えるならば、パウダースノー、ですかね。
少なくとも刀ミュにこのタイプの声を持つ人はいませんし、自分の音楽視聴歴でもあんまり見たことが無い声なので、大人数で歌っている時でもふと視線が吸い寄せられやすいというか、耳に残るというか、惹きつけられるというか…そんな印象を抱いて聴いています。

あの新雪みたいなきらきらはよくよく見てみたくなるのですが、見ているうちに何故かおそろしくなるような、そんな美しさがあります。
「Kizuna」の、ファルセットで唄われるヴォカリーズのところも、まっしろでとても綺麗なので大好きです。

その声質がとんでもない光を放ったのは、真剣乱舞祭'18の「Versus」。あのシャウト。自分は現地参戦できていないので円盤で知るのみなのですが、
声が一切減衰せずぐんぐん伸びるわ、きらきらがものすごい勢いで押し寄せてくるわで心臓ばっくばくになります。未だになります。

そしてミュこぎさんは歌以外でも鮮烈な色を放つ瞬間がありました。
高声域で突き刺さる鮮やかな紅。少し青みが含まれていて透明感がある。男声では珍しい色です(私が知る限り、シドというバンドのマオというボーカルが近い色の声を出すときがあります)。

「刀剣乱舞」の間奏の殺陣をするところで「痛いですよ、ほら!」って台詞があるのですが、
あつぱりの巴里公演の音源の「ほら」の「ら」の「a」の瞬間がきれいすぎて…あの色に私はカーンと頭を殴られたような心地でした…
まさか2.5舞台であの色が見られるとは思わなかった…

…以上です。
大好きな色だったのでごりっごり語ってしまいました…!

今回の刀ミュ男士の歌声の共感覚的な言語化チャレンジ、大変だけどめっちゃ有意義です…自分一人で楽しむ分にはここまで厳密に言葉は編まなかったし編めなかった。
ミュこぎさんの歌のきらめきはパウダースノー。
すごく適切な喩えに着地できたと思います。ありがとうございます。

▼私の質問に対して、マロ主さんがくださったコメントがこちら↓

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回答ツイートを読んでくださりありがとうございます!
そしてごめんなさい!肝心の「色」のお話をできておらず…!ミュこぎさんの歌の色、リトライさせてください…!
質感の表現を見つけ出すことに囚われてしまい、一晩経ってから色の話ができていなかったことに気付きました…いやはや…申し訳ないです…
ためつすがめつ言葉を探していて、納得がいくものが見つかったのでお話させていただきたいです。

ミュこぎさんの歌のおもだった色はふたつあります。
ひとつは、白金色。
ライトアイボリーに似てるけどもっと限りなく白に近い。どこまでもきめ細かくて、乾いていて、細やかにさやさや光っている。パウダースノーみたい。だけど冷たくはなくて、やわい温かみとドライな輝きを備えている。
惹かれるけどどこかおそろしくもなる。不思議な色です。

もうひとつの色は、低声寄りの時に、白金色の下からふわっと湧き上がってくる暗い色。これもまた温かみのある色です。
(黒!とか紺!とかシンプルに言い切れるような色ではないです。グラデーションがかっているような感じがしないでもない)

これを書きながらあつぱりの巴里公演の音源を聞いていたのですが、
「向かう槌音」の頭の小狐丸ソロでは、その「暗い色」が最上層のパウダースノーのところまで一気に侵食し、全面で暗褐色っぽいきらきらの粒が光っているので大層綺麗です…!神様ですね…!

以上です…!
感じた知覚には忠実に、でも知り得る限りもっとも綺麗な表現で、好きなものや人を語りたいと思っています。
お褒めいただき嬉しかったです…!こちらこそありがとうございました!

北園さんの白金色のパウダースノーの歌声によく似た写真、
探して探して探してやっと!見つけた!ミュこぎさんの歌は自然界にもあった!嬉しい!!!

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Andreiuc88氏による写真「Road through winter forest at sunrise.」)

「あれ」のきらきらさやさやした感じはダイヤモンドダストの方が近い気もするし、もっと近寄りがたい空気感を備えてる気もするけど、
この写真の淡い光と雪の色は「あれ」の色にとても近いと思いました。

▼Ex.01:「倒れる終焉」は刀ミュのワンデイモア

これは共感覚と直接関係無いマシュマロですが、刀ミュの感想考察としてぜひぜひ多くの人の目に触れてほしいと思ったため掲載します。

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「倒れる終焉」は、刀ミュのワンデイモア…!
マロ主さんのお話、感嘆しながら拝見しました…!マロ主さんが言及されたフレーズを全部あらためて聞き返したのですが、
鳥肌がぶわ――――――っと立って興奮の波がまったく収まりません…!
こういう話を知るのも大好きなので、マシュマロ開放してみてよかった…と改めて思いました。
教えてくださって本当にありがとうございます…!

▽No.18:今剣(演:大平峻也)の歌の色

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お声掛けくださり嬉しく思います。ポジティブな反響をたくさん頂戴して恐縮です…
今剣役の大平さん、とても綺麗な色彩の歌をお持ちだなぁと思っていました。書かせていただきます…!

先ほど他の方への回答で書いた内容とやや重複するのですが、私の共感覚は割と限定的です。
刀ミュでざっくり分けますと…

(※※※下記の分類は絶対的なものではないです。あとから読み返して「もしかしたら違うかも」って思った箇所がいくらかあるので、あくまでもこのマシュマロの回答のためのものと捉えて下さい※※※)

1.歌声・声が染まっているように見える(例:阪本さんの堀川など)
2.歌声のみ染まっているように見える(例:小越さんの堀川など)
3.「この公演の、この曲の、この音源の、この部分」というように限定された状況で色が見える(例:太田さんの村正など)
4.1~3の混合(例:北園さん・岩崎さんの小狐丸など)
5.色は感じない(※これは悪いということではないです。色が見えずとも質感はあったり、好きな声もあります)

ミュいまつるちゃんはこの中で1にあたるかなと思っています。
彼の歌声は宝石のオパールとか、アコヤ貝の内側で光が乱反射しているような感じに似ています。きらきらの結晶を半透明な何かでくるんだ感じといいましょうか。

今剣の歌と同じ色のネイル、きっと探せばあると思うんだよなぁ…と化粧品売り場に行った時はいつも探してしまうのですが、今まで見つかったためしがありません。何かちょっと違うんです。難しいです。

ライブパートなどで意図的にがなったり吠えたりした瞬間は、その色が嘘のように消え去るのでびっくりするのですが(※それもそれとしてかっこよくて好きです)、
第一部のミュージカルパートで甘く切なく唄う時は、柔らかい半透明とその奥できらきらする光がよく見えてうっとりしてしまいます。

▽No.19:小狐丸(演:岩崎大輔)の歌の色

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私も岩崎大輔さん推しです…!同担の方からお声掛けいただけたのは初めてでしたので、嬉しく思います。ありがとうございます。

岩崎さんの声、あつぱりの小狐丸について書かせて頂きます。あつぱりの大千秋楽音源を元にお話しします。

当時「刀剣乱舞」「向かう槌音」を聞いた時、黒っぽい柔い何かがあって、あと苅安色の要素もある声だなぁと思いました。そういう色は自分の中ではあまり珍しくない方なのですが、あの黒の中で、きらきらさざめく何かが見えたような気がしたのと、「勝利の旗」のダンスがめちゃめちゃ格好良かったのとで(緩急の付け方が大変好みだったのです)、注目していました。

そして「うたかたの子守唄」。冒頭の小狐丸ソロ。
あの柔い黒の表層であかがね色の粒子がちかちかきらきら光って舞うのが見えました。

あのきらきらに心臓を掴まれました。

とんでもない求心力でした。なんかもういろいろ理屈じゃなかった。見たことが無い色だったし、何よりとても美しい輝きをしていたので目が離せなくなってしまって。それくらい、純粋に、惹かれる色だったのです。その後はあかがね色の粒子が出たり薄れたりするのをいちいち狼狽えながら観ました。

それ以降、あの色がまたどこかで見れやしないかと思って岩崎さんの活躍を追いかけはじめました。ありがたいことに声を聴く機会はいろいろ頂いているのですが、色々聞き比べてみて、あのあかがね色の粒子は音響設備の影響をもろに食らいやすいのではという仮説が立ってきているので、もしかすると、あんなに強く色濃く光り輝いたのは、あつぱりだけのミラクルであった可能性はある…かも…

…以上です!
きっかけは声でしたが、ダンサーとしての活躍にも刮目していますので、天狼傳が楽しみで楽しみでなりません…!

↓「うたかたの子守唄」冒頭の岩崎さんソロに視えた「あかがね色のちかちかする粒子」はこんな感じ。

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AVADA氏による画像)

写真や画像でイメージを共有できるくらいはっきりした歌声ってそうそう無いし、それを示せる写真や画像が見つかったこともまた奇跡。
あのきらきらはもっとエッジがある気もするけど、この画像を見た時に「あの歌の色だ…!」って胸が高鳴ったのです。だから使わせていただけて感謝しかないです。

強制的に焦点を結ばされてしまうような、あの歌声。
またいつかどこかでお目にかかれるといいなぁ。

▽No.20:歌声や楽器演奏から演者の感情がわかる共感覚

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有澤兼さんの歌と、決戦の鬨のツイートをご覧くださり、ありがとうございました。
視える曲や歌を言葉で言い表そうとする時、何かに命名する時のような、定義を作るような、…それくらい真剣な思いで考えて書いていますので、そう言っていただけて嬉しいです…!

さて。マロ主さんの感じていらっしゃる世界について大変興味深く拝見しました。共感覚には様々な種類がありますが、もしかすると、マロ主さんの感じているそれが共感覚由来のものであるならば、音声刺激と対象の感情が共起する、かなり珍しいタイプのものと思われます。

「人の感情を感じる」というタイプの共感覚は大変誤解されやすいようです。「それはあなたが相手の感情を勝手に想像しているだけでは…?」と言われることが多いそうです。
ですが、どうやら「人の体調を感じ取る」タイプの共感覚と同様のメカニズムで「人の感情を感じて」いるようなのです。
いやはや…文献で読んだことはあるのですが、その素質がある方にはお会いしたことはなかったので、とても驚いています。

しかし、このタイプは特に「共感覚であるかどうか」を診断するのが難しいと思っていますし、共感覚以外の現象である可能性も否定できませんので(あと、何より私は認知心理の専門家ではないので…!)
上記の話はどうか参考程度にとどめておいてくださいますと…!

マロ主さんも、岡宮さんの鶴丸の歌に注目されておられるのですね…!
私は初めて現地で聞いた時「すごいな」と思ったのですがその割に色が固着していないので「もしかするとこれからもっとすごくなるのかな」とも思いました。本当に、将来が楽しみな方の一人です…!

天狼傳楽しみですね!最先端の土方組の歌がどうなっているのか、期待は膨れ上がる一方です…!

…第二弾はここまで。
第三弾は年明けに書こうと思う。


最近、自分の共感覚のお陰で思い出せた曲があった。その時の話を記録がてらに書く。よろしければお付き合い願いたい。

2.記憶の補助装置としての共感覚

ふと、あるピアノ曲を聞きたくなった。その曲はピンク色でふわふわの綿菓子みたいで、なんだか夢のような主題のメロディを持っていた。たしか小学校低学年の頃に音楽教室で聞いた曲だった。

作者の名前も曲名も今となっては忘却の彼方だったけど、ピンク色でふわふわしている主題の断片は頭に残っていた。

…伴奏はそんなに難しくはない曲だ。
…たぶんバイエルかブルグミュラー程度の難易度。
…そういえば曲名に「人形」って言葉が入っていた気がする。

ピンク色の綿菓子のメロディを、頭の中で煮詰めて煮転がし、周辺情報を思い出し、繋げていく。推理していく。
そしてインターネットで演奏動画を探して探して、その曲は見つかった。

「Peter Tchaikovsky, The New Doll, Op 39, No.6」
その曲は、チャイコフスキーが書いた「新しい人形」という小品だった。
病気になり、死んでしまった人形の代わりとして新しい人形が来た、という予想外にヘビーなテーマを持っている曲だった。覚えた。

上の演奏動画には、あまりピンク色の綿菓子は感じられなかった。
私の記憶の中の「新しい人形」は、この動画の半分くらいのテンポで、そして少しおぼつかなさがあった。弾き手がまだ弾きこなせていなかったのだろう。
だが、もしかすると、あのスローテンポのおぼつかなさこそがピンク色の甘やかなふわふわだったのかもしれない。

■今後の予定

現在執筆中のものは下記の通り。
①~③は2021年内に同人誌にするつもりなので、まずはいちど形にしたいですね…年末年始のタイミングでアップしたいです。

▼刀ミュ関係
①「歌合 乱舞狂乱2019」小狐幻影抄を能楽的観点から考察する
②「歌合 乱舞狂乱2019」古典芸能との比較検討
③「真剣乱舞祭16-18」「歌合 乱舞狂乱2019」「幕末天狼傳2020」から刀ミュの三日月宗近の宿願について考える
④「ミュージカル刀剣乱舞」×テキストマイニング
▼それ以外
⑤「活撃 刀剣乱舞」×テキストマイニング 後編
⑤刀工 備前長船長義の評価についての調査結果
⑥「鶴丸国永」×テキストマイニング(※2021年秋予定)

いずれもnoteで公開予定です。


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