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#016 愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ
あいよ。
はい。
はいはいはい。
ほい
はいはい
ほう
あー、もう怖い怖い怖い。
今日は名言を紹介したいと思います。
紹介したい名言は「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」です。
これは、ドイツの鉄血宰相とあだ名されている、オットー・フォン・ビスマルクさんの名言です。
この鉄血は、鉄と血ですね。鉄は戦艦とかの兵器、血は兵隊の例えなので、血の気の多い独裁者みたいなイメージが先行してしまっていますが、外交にも注力をされた人で、ヨーロッパにビスマルク体制という一時的な平和を築かれた功労者です。
ビスマルクさんと同じように、この名言も少し誤解をされているのかなと思います。ビスマルクさんが実際話した言葉は
Nur ein Idiot glaubt, aus den eigenen Erfahrungen zu lernen.
Ich ziehe es vor, aus den Erfahrungen anderer zu lernen, um von vorneherein eigene Fehler zu vermeiden.
これを日本語で素直に訳すと
自分の経験から学べると思っているのは愚か者だけだ。
私は、はじめから自分自身の間違いを避けるために、他の人の経験から学ぶことを好みます。
になるんです。「愚か者」とは言ってるけど、「賢者」なんて言ってないし、ましてや自分の事を賢いなんて一言も言ってないんです。あと「歴史」なんてことも言ってないんです。
訳としてはかっこいいけど、意訳としては少し失敗してるというか、訳した人の考えが恣意的に入ってしまってるような気がします。
わたくしsottoが意訳するとこんな感じです。
自分で経験しないと学べないというのは愚かだ。
私は失敗しないように、人の経験からも学びたい。
ちょっともっちゃりしてますが…我ながら良い訳と思います。
失敗には1回で即死レベルの失敗もあるし、沢山の人を不幸にするような失敗もあります。それを経験しないと学べないなんて、おかしいですよね?
そんな事にならないように、リスクや影響が大きいものは、人の経験を活かしたいですよね。
ましてやビスマルクさんの職業は「政治家」です。自分の経験不足の結果で、国民や世界中の人たちを巻き込むのは絶対におかしいですよね。
人の経験のカタチは沢山あります。人から直接聴いたり、本を読んだりとか、動画やポッドキャストなんかもそうですね。歴史というのも、人の経験が詰まった経験のカタチの一つです。
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」
この名言の間違った解釈として、自分の経験よりも本や歴史から学ぶ方が良いと説明されているものがありますね、本来の意味は自分の経験から学べるものや、学ぶべきものもあるし、本や歴史から学ぶ方が良いものもあるという意味なので、学び方自体に優劣があったりしないんです。
もちろん実際の経験や失敗をせずに、本を読むだけでさらっと学べる事は良い事だと思うし、スマートだと思うけど、経験からしか学べない人が愚かだとは私は思いません。
会社で自分の机に本を並べてる人っていませんか?あれ、なんの為に置いてるんですかね?辞書みたいなものとかで、仕事上のことなんかで、直ぐに調べられるようにしているんだと意味は分かるんですが、使っているような気配はないんですね。
そういう本って、だいたいビジネス書とか自己啓発本なんですよね。
合理的かどうかは置いておいて、いくつかの理由があるようなんですね。
1つ目の理由は、そういう人本人に聞いたんで間違いないんですが、誰かが読みたいかもしれないから、いつでも貸せるように置いてるとの事。
だったら会社の本棚に置いておけば良い気もしますが、自分の本なんですもんね。
2つ目は、何かの記事で読んだものですが、自分の思想や考え方をあえて表明しているという考え方です。まあ、これも分からないではないですが、回りくどいし、最後の理由に纏められる気もします。
最後の理由は、まあ一番わかりやすい理由でくだらない理由なんですが…自分の知識をひけらかしたいというか、本を読んだ事を自慢したいというか、本を読んだかどうかは別として自慢したいというかそういう理由です。
本って置いてても役に立たないし、自慢するならその本から学んだ知識であって本じゃないですよね。また、そういう人たちって本が読めてるかどうかも怪しいし、また読んでる本も面白そうな本じゃないんですよね。
たとえば「資本論」とか「ツァラトゥストラはかく語りき」とか「失われた時を求めて」とかが置いてあると、読んだかどうかに関係なくそのセンスに一目置くんですが…
120%悪口になっちゃいましたね。リスナーの方で、勤め先の机の上に本を置いている人ごめんなさい。
でも、周りの人はあなたの事を、そんな風に思っているかもしれませんよ。
今は、「学び」のカタチって変わってきましたね。本だけじゃなくて、ブログ、動画、ポッドキャストやオーディオブック、また双方向のビデオミーティグもあります。求めれば、沢山の情報を得ることができます。
人の経験から学ぶ事は比較的簡単になってきました。
ただ、高度な内容のものを得ようとすると、それらを系統だてて理解していく時間やコストがかかります。
そういう学びは、「自分の経験」なんだと思うんです。
普通の人や賢者は「人や自分の経験」から学び、愚者は「何も学ばない」
はい、きっとね、みなさんにもきっと、何か学べるはずだって思える回になったんじゃないかなって思ってますしぃ、まずはこの番組のフォローボタンを押すことから始めてみませんか?フォローボタンを押すとsottoが喜びます。
ということで最後まで聴いていただいてありがとうございました。
エピソードのメタ情報
第16回の台本です。
配信日は2024/07/27でした。
ビスマルクさんのイメージから来る誤解を解きたいなあと思ったのと、以前からずっとこの言葉にひっかかるところがあったのでエピソードを書いてみました。
ビスマルクさんって「戦艦ビスマルク」のイメージですからねって、そんなイメージの人も日本では少ないのかな?って思います。
まあ日本でいうところの「戦艦大和」のドイツ版だと思ってください。大和同様悲しい最期を迎えた船でしたが、それは全く別のお話。
あと会社の机の上に本を置いている人の話、ほんとにごめんなさい。
私は本をほとんど読まない人間なんで、そんな人間の戯言と笑ってやってください。
あと、エンディングの挨拶は私の大好きな歴史系ポッドキャスト「大人の近代史」のパロディでした。
もしよかったら、このエピソードのポッドキャストも聴いてみてください。
「和尚は逃げても寺は逃げない」はポッドキャストで配信していて以下プラットフォームで聴取可能です。