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昔ながらの年の瀬
西海市で体験民泊をしている人から餅つきに誘われ、行ってきました。
とある場所で開催された名月鑑賞会で知り合い、それからひと月に一、二度、遊んでもらっています。年は17くらい上ですが、「さっちゃん」「アキちゃん」と呼ぶ合うくらい仲よし。のつもり。
なんとなく連絡したら、「明日、餅つきするから手伝いにおいで」と誘われました。彼女から西彼杵半島(外海もその一部)の伝統的なものを習っている気がします。
前回の干し柿も、彼女の家で干してるのを見たのがきっかけのひとつ。一番身近な「長崎人」です。
そんな"さっちゃん"のお誘いなので、またひとつ外海に近いことを知れるのではと期待して行ってきました。
まず驚いたのが、餅米の量。なんと8升!
「娘には叱られるから内緒にしてる」とのこと。私のほかに、"さっちゃん"の兄弟姉妹、お友だち夫妻、娘さんの知り合いなどに分けたのですが、お金はとらないし、おでんやおこわを振る舞うし、娘さんも心配になるはずです。
9時過ぎに"さっちゃん"の家に着くと、すでに薪ストーブ2台で餅米を蒸していました。
使うのは木の臼ではなく、石臼。小学校での餅つきに貸してほしいと言われ、持っていったこともあるそう。
そういうイレギュラーを除けば、一年に一度、年の瀬の餅つきでしか使わないと言います。(正確には、餅つきは2日に分けて行う)
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ひっくり返してあった石臼を上下逆さまにし、所定の位置に転がして移動。男性ひとりで行いましたが、途中石臼の重さに負けて尻もちをつきそうになっていました。
めったに使わず、外に出しっぱなしになっているにもかかわらず、臼の内部はとてもきれいです。
つき始める前に、蒸した餅米が冷めないよう、熱湯を回しかけます。餅米の準備が整うまで、ふたをして保温。さらに熱湯をかけて温め、ふきんで水気を取ったら、いよいよ餅つきの開始です。
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あちあちの餅米を入れると、すぐさま杵で潰すようにこねます。粘りが出て、ひとかたまりになってきたら、つき始めます。
"さっちゃん"の家には、杵がなんと5〜6本もありました。石臼なので、杵が縁に当たって傷ができることあり、その木くずが入らないようにスペアをたくさん用意してあるのだそう。
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最初は男性ひとりでしたが、途中から娘さん家族が合流。さらに娘さんの知り合い家族もやって来ました。
中でも、やはり"さっちゃん"の娘さんはキャリアが違う、めちゃめちゃうまい! つくのも、合いの手入れるのも、丸めるのも、全部上手!
一度、一緒につきましたが、リズミカルかつスピーディーでこっちまでうまくなったような気分になりました。
餅つきは保育園以来、40数年ぶり。翌朝がつらかったです。
今回、特に楽しかったのが、お餅を丸める仕事。
手のひらにコーンスターチをまぶし、千切って渡されるお餅をつまんでくっつけて、手と手を合わせるようにして表面を整えます。
最初はできなかったのですが、ゆっくりでもいいから丁寧に、と切り替えたらうまくできるようになりました。来年まで覚えておきたい……
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最初のひと臼がつき終わると、まずは「おろし餅」でいただきました。(写真はない…)
甘いお醤油を含んだ辛い大根おろしと、ほかほかもちもちのお餅の組み合わせ、誰が考えたのでしょうか。最高!
その余韻に浸るまもなく、この後は「丸める」「石臼をきれいにする」「蒸した餅米を移す」「つく」「丸める」……を延々と繰り返しました。
最後に蒸し上がったおこわをごちそうになり、解散。16時すぎでした。
家族や友だちが集まって、順番にお餅をついたり、丸めたり、大人はおしゃべりしたり、お酒とカキ焼きしたり、飽きた子どもたちは家の前で遊んだり。
昔ながらの年の瀬に行う家族行事だな、となんとなく感じました。
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"さっちゃん"から分けてもらったお餅は「鬼火焚き」に持っていく予定です。
年明けのお正月飾りを燃やす行事を、長崎では「鬼火焚き」と呼んでいます。私が以前住んでいたところだと「どんど焼き」や「左義長(さぎっちょ)」と言っていました。
長崎の鬼火焚きでは、くべた火でお餅を焼くのだそう。初めてなので楽しみです。