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【余りの世界】合同式の基礎①
このnoteでは、素数を始めとする様々な数を取り上げています。
主に整数論に関する内容を投稿しているのですが、説明する上でいくつかの基本的な内容を記事にしておきたいなと思っています。
そこで今回は、合同式の基本的な内容を書いていきます。『≡』という記号を使います。
全く同じ形の図形のとき、『2つの図形は合同である』と言って『≡』を使いますが、整数ではちょっと違います。
なるべくわかりやすく説明しますので、初めて合同式を学ぶ方は読んでみてください。
今回は基礎編①です。合同式のたしざんやひきざん、かけざんについては②で書く予定です。
②はこちら↓
【現在準備中】
それではどうぞ!
合同式の定義
まずは、合同の定義を書きます
a, bを整数、nを2以上の自然数とする。
a−bがnの倍数になるとき、
aとbはnを法として合同といい、
a≡b (mod n)
と表す。
modはmodularの略です。『≡』を使った式のことを合同式と呼びます。
式だけ見てもピンと来ないかもしれないので、具体例を挙げます。
具体例
例えば、17と2。
17−2=15となり、15は5の倍数ですよね。
よって、
17と2は、5を法として合同といい、
17≡2 (mod 5)
と表します。
他にも、以下が成り立ちます。左辺から右辺を引き算して、括弧の中の数字で割り切れるかどうか確かめてみてください。
31≡3 (mod 7)
37≡11 (mod 13)
73≡5 (mod 17)
↑全部素数になるようにしました笑
定義の言い換え
合同の定義は以下のようにも表現できます。
a, bを整数、nを2以上の自然数とする。
「aをnで割った余り」と「bをnで割った余り」
が等しいとき、
aとbはnを法として合同といい、
a≡b (mod n)
と表す。
こちらも覚えておくと良いかもしれませんね。
時計を例に挙げると、7時と19時はどちらも7時を表しますね。これは、7と19を12で割った余りがどちらも7になるからです。つまり、
19≡7 (mod 12)
が成り立っているのです。
(19−7=12は当然12の倍数になっており、一番最初の定義を満たしています)
また、大きい数が登場したときは、法の数(↑の定義のnのこと)でひきざんしていくと簡潔に表すことができます。
83が11を法としていくつと合同か?
と聞かれたら、11を引き続けることで、
83≡72≡61≡50≡39≡28≡17≡6 (mod 11)
となるので、11を法として6と合同になります。これも、11で割った余りが同じであることから変形できるわけです。
負の数も登場する
さらに合同式では、登場する数字が負の数(マイナスの数)であっても構いません。
例えば、17から(−3)を引き算すると
17−(−3)=20となり5の倍数なので、
17と−3は、5を法として合同です。
17≡−3 (mod 5)
と表します。
今の段階では、「どうして負の数が登場するんだ?」と思うかもしれません。今後登場する「合同式同士のかけざん」で役に立つことがあるので、頭の片隅に入れておいてください。
これ以上長くなると読みにくくなりそうなので、続きは②で書きます。わかりにくい場所があれば遠慮なく教えてください!
②はこちら↓
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。