都々逸まとめ2

レースカーテン窓辺に揺れて
ひかりは透けてゆらゆらと


ふたり並んでくすくす笑う
裏切らないのは記憶だけ


きみはちっともやさしくないが
ふいの気紛れで存える


52ヘルツの瞳に映る
ひとりの空はうつくしい


どこでもいいよ。なんでもいいよ。
くりかえしては目を逸らす


たったひとりの世界で生きて
「恋」の言葉をわすれたい


「夢を見たよ」と彼女が言って微笑む、
そんな夢を見た


やまない雨が頭の中で響く、
夜空は澄みわたる


幸福の代名詞になって、
死体を踏んで微笑んだ


雨が来るねとバファリン飲んで
かすかにあなたの頬緩む


私の寿命はあなたの生きる
最後のその日の次の日だ


遠く離れて会えなくたって
過ごした月日がここにある


宇宙のようなまっくらの部屋
ありったけの水飲み干した


こぼれた涙は海に流れて空から君に降り注ぐ


同じ空なんて見られないんだ
きみとわたしは違うから


あたしはあなたに夢を見ていた、
そして今でも醒めないの

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