トゲトゲ植物にやられて病院へ
カメムシの毒と細菌の次は棘棘植物にやられる
半年以上続いたカメムシ被害による湿疹の治療は春に卒業。
それから3カ月も経たぬというのに先週(6/5土)藪漕ぎ登山から下山した夜から、両腕を中心に皮膚が赤く腫れだして湿疹が複数箇所に広がった。
山道のない斜面で樹々をかき分けながら山頂を目指した際、腰から下はシダ類や低木の硬い枝葉で太腿や膝回りを常に擦り続け、棘がある細い木で何度も服や肌を引っ掻いたり棘に刺さったりしながら、少し強引に進み続けた自分の愚行が原因。
いただいた枇杷の葉エキスを塗り、気合で「痒くない!」と信じ込んで治そうと思ったが、腫れは引かず、痒みも尋常ではなく、どうやら病院に行った方が良いとアドバイスもいただいたので、受難後すでに三日が経ったが皮膚科へ行くことに。
愛車GoGoGreen号(街乗り用自転車)で神戸大橋を越え、カメムシ治療でお世話になった神戸中央市民病院へ。
皮膚科の診察室に入ると、女性医師はカメムシの時に撮影された凸凹の湿疹だらけの顔写真を確認したあと、
「今回はどうされました?」と言って腕の湿疹を見て、
「わぁ~、結構ひどいですねぇ」と声を出して驚く。
皮膚科の医師がひどいですねぇ、というくらいなので、自分が思っている以上にこれはちゃんと病院で治療しないといけない発疹だったようだ。
「山でちょっと樹々をかき分けて歩いた後に、その晩から赤く腫れて」
「樹々をかき分けてって、ジャングルに行かれてたんですか?」
「いえ、は、はい、そぉですねぇジャングルみたいな感じでした」
「え、どちらのジャングルに?」
「神戸市の北区です」
というと、医師の横で映像と過去の記録をスクロールしていた看護師と立って私の腕の湿疹を覗き込んでいたもうひとりの看護師が二人同時に驚き、
「え~!北区に」「ジャングル!」と声を発する。
なぜか早漏を疑われる
想い出した!
カメムシによる湿疹がなかなか治らず、病原菌の種類と病名を絞るために行った生検(額の皮膚を数ミリ切り取って皮膚細胞を検査)をした際、麻酔を打つ前に血圧と心拍数を計測してくれた時の看護師だ。
その際、なぜか急に、
「緊張してるの?」
とため口で、しかもなんだか色艶のある口調(これは自分が勝手に変な妄想をして色っぽく感じただけだと自覚しているが)で言われたことを思い出した。
今からベッドイン、ではなく、処置台に乗って(ベッドオンして)額を切られるのだから、リラックスしている振りをしつつ、どちらかというと緊張してたのだと思う。
それよりも、生検の直前に、
「なかなかハッキリと病名を特定できずに申し訳ありませんが」
と医師から前置きされたあと、私はこれを疑っています、と見せられた病名はソウロウ。
「え!ソウロウ?」
と素っ頓狂な声で返事をした私。
と同時になぜ皮膚の湿疹で早漏が疑われるんや?!とプチパニック。
額の皮膚を切られて早漏が分かるんか!?と焦っている私の勘違いを察したのだろう。
「ソウさん、ロウソウですよ、ロウが前でソウがあと」
「え!?ロウソウ??」と間抜けた声で返す私。
自分が単に見間違えたことが恥ずかしく、気恥ずかしさを抱えたまま隣の処置室で生検の運びとなり、その流れで、
「緊張してるの?」
なんて言われたから、麻酔、切る、出血する、縫う、抑える、貼るなど、場馴れした相手に身を委ね、なされるがままの営み中、医師や看護師の想定量以上の出血だった以外に、大量のあぶら汗も噴き出した感覚が微かに残っているだけで、「あとは何も覚えてないの」状態だったことを思い出していた。
生検の結果、更に医師がカンファレンス(会議)で事例を発表し、様々な医師から知見を集めてくれたそうだが、結局、ロウソウ(狼瘡)ではなく、シュサ(酒査皮)でもなく、カメムシの毒とカメムシに付着していた細菌が弱くて薄い目の周辺粘膜から顔全体に広がったんだろう、ということで特定の病名も付かず、
「まだまだハッキリと病名が付かない皮膚の湿疹は意外と多いんですよ」
でカメムシ治療はおわった。
朝からズボンを脱がされる
きっと看護師は数カ月前に私がロウソウをソウロウと間違えたことはもちろん、自分が「緊張してるの?」と言ったことも覚えていないと思う。
「ジャングル!」の感嘆のあとは淡々と、
「発疹は首や腕だけですか?」と聞かれたので、
「いえ、太ももや膝の周りも」と答えると、間髪を入れず、
「じゃあズボンも下ろしてください」ときた。
(え~先生、いきなりズボンを?まだお昼前ですよ、情事はせめて昼下がりまでお待ちいただけないかしら?)の勝手な妄想を楽しむ猶予も与えられず、ズボンを下ろす私。
そしてなぜか、
「ズボンだけですよ」
と言われた時は、こいつはパンツまで下しそう、と疑われてたのだと分かり、勝手に妄想をし始めておきながら急に赤面する。
そんなこんなで今回もあっという間に終わった短い営みの結果、
「樹々に毛虫がいて、毛が無数に皮膚に刺さって刺激したようなアレルギー反応にも見えるし」「棘のある植物はトゲで引っ掻くだけでなく、植物には色んな成分が含まれていて、刺さった箇所やその周辺がなんらかの成分にアレルギー反応を起こしているのかもしれない」などの診断が下された。
「日に焼けたり汗をかいたりすると炎症が悪化したり、治りかけの湿疹部を擦って潰してしまうと患部が広がったりするので気を付けてください」
ということで、南アルプス縦走はもちろん、今週は山に行かずに大人しくしておこう。
家でじっとしてるのは苦手やから裁縫でもするか、と三宮でユザワヤに寄り、ファスナーと糸を買って帰宅。リュックは背負うときにいつも腕を擦って痛いので肩掛けバッグ作りに挑戦してみます。
完成するころには湿疹も治ってそうやけど、ショルダーバッグを作るのは初めてだから、ちょっとだけ「緊張してるの」。
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最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
真面目な話、自然界はまだまだ分からないことが多く、今まで何度も山で痛い目に遭っていますが、今回自分が取った行動(無闇に藪漕ぎして山に分け入る)は控えた方がいいと痛感しました。
皆様も森や山を歩かれる際は肌をあまり露出しないなど、自分なりの対策をとって自然の営みを楽しんで下さいませ。
よい一日になりますように。