家のカギを忘れて家に入れない14時間で、全力で「今」をエンジョイした話
わたしはかれこれ、昨日の夜21:30頃に「やっべ、家のカギ持って家出るの忘れたわ‥‥」と気づいてから、翌朝12:00現在まで家に入れていない。
「家のカギを忘れて、家に入れないことなんて現実にあるのか?」と思う人がいるかもしれない。でも、実際あるのだ。なぜなら、それはわたしだから!今のわたしだからでーーーす!!!(((
誰かと一緒に暮らしていると、こういうことがたまにある。というより、最近の我が家ではこの事象が頻発している。(オットもやるけど、どちらかというと私のほうが頻度が高い。不覚だ。)
どういうことなの?今何してるの?今まで何してたの?と、自分でも突っ込みたくなる。
そんなわけで、朝5:40頃、比較的に家の近くにある河川敷の階段に座ってこのnoteを書きはじめた。
そして、途中に移動やご飯やいろいろを挟みながら、このnoteを書き上げて公開にいたる。(ちなみに、これを公開した頃には家に入れた。)
ひとつ最初におつたえしておきたいのは、私自身、今の自分の状況のことを、アホすぎておもしろいなと思っていること。
正直1ミリも落ち込んだりはしていなくて、「どうしてそんなことになっちゃってんのwww」という具合に、自分のことながら自分への突っ込みが止まらないし、全方位の自分がその状況を楽しんでいる。
そして、こういうときに、あまりうろたえない自分のことをまあまあ頼もしいやつだなと思っている。
だから、客観的にみておそらく可哀想で不憫な状況に置かれている私だけど、その点については心配しないで、もしおもしろければ、おもいきり笑ってもらえたらうれしい。
では、感じてください。
家のカギを持って出ることを忘れて家に入れないとき、人は何を考え、行動するのかを!!
まず、どうして家に入れないというイベントが起きるのか
実にいい質問。まずはここから語らねばならない。
これは私たち夫婦がケンカして一方がしめ出されたから‥などではなく、"ふたりが同時に外出して、その後バラバラに行動して帰宅時間が異なるとき"にのみ発生するイベントだ。
昨日も、夫と一緒に家を出て、そのときに夫が家のカギをかけた。私は私で、過去に何度も「カギ忘れ事件」を起こしているので、別のカギを持った。(はずだったが、実は持っていなかった。)
日中、ふたりで同じ場所にいった。夜になって、オットは友人たちと遊ぶ(たぶん翌日に帰るとおもう)というので、私は別行動をしてひとりで家に帰ることにした。
そして、家の前に着いていざカギを開けようとしたとき、カギ忘れが発覚してしまったというのが、今回の経緯。
過去いくつかのカギ忘れも、すべてこのようなシチュエーションでイベントが起きている。
しかも、今回はめちゃめちゃタイミングが悪いことに、「このまえ買ったパピコのキウイ味がおいしかったから、たくさん買ってストックしておこう!」と思い立ち、謎にパピコを3つ買って帰ってきた帰り道だった。
そうだ。パピコたちを溶かしてしまったことは、今回唯一のしょんぼりポイントだ。
毎日1本ずつ、6日間にかけておいしく食べようと思ってワクワクして買ったのに、こんなことになってしまって申し訳ないと思っている。
家に入れた暁には、再冷凍して食べるつもり。
イベント発生!そのとき、あなたはどうする?
とはいえ話を戻していくと、いよいよ今回の「カギ忘れ事件」が発生した。
あなたなら、どうするだろうか?
私は過去の実績もあり、こんなことには慣れっこだ。(なお、全くいばれることではない)
『まずは一旦冷静になって、自分の持ち物をもう一度すべて探そう』
カギ忘れプロとしては、過去、この方法で解決に至った経験も一度や二度ではない。
要するに、カギを忘れたと思ったのは、単なる早とちりだった説である。
でも、今日に関してはカギを忘れたという事実が立証されてしまった。どうやら私は、ちゃんとやらかしていた。
『夜風がしのげる場所を探そう』
過ごしやすい気候になってきたものの、まだ朝晩は冷え込んでいる。冷え込んでいるし、夜の間ずっと屋外にいるのはさすがに気が休まらない。
どうしようか‥‥‥。
こういうとき、私はいくつかの手札を持っている。
上記のことをザッと5分くらいで考えて、今回は家の近くのカラオケ屋さんに向かうことを決めた。
『スマホの電池が少ない!充電手段を確保』
薄々気づいていたのだけれど、この時点で、スマホの電池残量が30%程度まで減っていた。
私のiPhone14は最近、バッテリーのパフォーマンスが低下してきている。この分だと、朝まで待たずに電源が切れるだろう。
でも、この状況で私が音信不通になるのはさすがにまずい。
そもそも、オットがいつ帰ってくるのかわからないし、帰ってきたとしても私がなぜ家の中に居ないのか、居ないならどこにいるのか、連絡する手段がないのはまずい。
充電するためには、コードとアダプタ、もしくはコードと充電器が必要。(あたりまえ)
そして、私は今、そのいずれも持っていなかった。
買おう。迷わず買おう。こんなん、なんぼあってもいいですからね!!!
時間的に他の選択肢がなく、家の近くのコンビニを物色。
充電器を買うよりは、アダプタを買うほうが確実だと思っていたのに、アダプタは売り切れだった。
基本的に、充電器は買ってから充電しないと使えないもの。ただし過去の実績上、充電器は買った時点でいくらかの充電がされた状態であることが多い。
でも、それはメーカー側の厚意なだけであって、運である。
これで、私が買った充電器が全くのゼロ充電の状態で販売されているものだったら、連絡手段が完全に途絶えるな‥と、少し恐怖を感じながら、もうそれしかないので10,000mAhの充電器をエイヤ!と買った。
結果、無事に満充電までできるほどの充電があった。
メーカーさん、ありがとうございます。あなた方に救われた命があります。
身の振り方が定まったところで、オットに連絡
無事に電源を手に入れ、カラオケに入ったところで、たぶん連絡には気づかないだろうな思いつつもオットに連絡。
この日のオットは、「めっちゃ飲んでやるぞーーー!!」モードなことを知っていた。
だから、私が連絡したところでおそらくスマホを見てないし、電話をしても気づかないはずだとわかっていたので、ノーリアクションは想定内。
そして、私としてもこの一連の「カギ忘れ事件」は、私の不注意で起きたできごとだ。
せっかく友人との楽しい時間を過ごすために出かけていったオットに対して、「私のために戻ってきてくれ!」とはさすがに思わないし、前述のとおり私はカギ忘れプロ。ちょっとやそっとのカギ忘れでは動じないメンタルを持っている。
ただし、次の日(日付としてはもう今日)は、応援している横浜F・マリノスの試合を久しぶりに2人で観に行こうという予定を立てていた。
私が無事に家に入った後に出かける支度をすることを加味すると、朝帰りで構わないが、オットには可及的速やかに帰ってきて、カギを開けてもらう必要があった。
そのためには、今の私の状況を知らせておくほうが有効だと思い、先んじて連絡してみたが、結局朝まで既読はつかなかった。
想像以上にエンジョイできた、深夜のひとりカラオケ大会
そんなわけで、夜風をしのげる場所をゲットした私。
「最近カラオケ行ってないから行きたいな〜〜」と、オットに話していた矢先、こんな形でカラオケに行くことになるとは思わなかった。
とはいえせっかくカラオケに着いたのだから、歌いたいじゃないか!!
ということで、ヒトカラがスタートした。
ヒトカラ自体は、一時期ハマってよく行っていたので慣れているけど、無限にも思えるような翌朝5:00までのプランを一人ぼっちでこなすのは初めてだった。
丸の内サディスティックにはじまり、相川七瀬、中島みか、宇多田ヒカル、きのこ帝国、サカナクション、女王蜂、デコニーナ、髭ダン、カナブーン、米津玄師、ポルノグラフィティ、バックホーンなどなど。
誰に聞かせるでもなく自分が歌いたい歌を歌った。
2時間くらい歌ったら、喉か眠気が限界を迎えるかな?と思っていたのに、想像以上に楽しんでしまい、気づいたら5時間くらい一人ぼっちで歌っていた。(側から見たらホラーだったに違いない)
中でも自分的にハイライトだったのは、一時期ハマっていたヴィジュアル系のバンドたちの曲。
ジャンヌダルクとか、アシッドブラックチェリーとか、シドとか。
有名どころをひっさしぶりに歌うのも楽しかったけど、何より感動したのは、「曲のタイトルはわかるけど、メロディは1ミリも思い出せない!」って曲を試しに入れてみたら、イントロだけですべてを思い出して完走できたことだった。
(ちなみにそれはシドのレインだった。)
なんていうか。普段忘れているだけで、きちんと覚えている記憶、それらを好きだった事実って失われないものなんだなという感動があった。
そんなこんなで、すっかり懐メロに想いを馳せていたら翌朝3:30くらいになっていた。
「まってまって、もうあと1時間半でカラオケから出なきゃいけないじゃん!まだオット連絡ないし、オットは最速で帰って来れても1時間半くらいかかる場所にいる。これは、今寝とかないと後でつらそうだ!!!」
ということで、最後はAdoのギラギラを歌って、喉を酷使して寝た。
目覚ましをかけなくても大体いい時間に起きた
深夜フリータイム終了間近のカラオケは、さながらチェックアウト時間前後のホテルのようだった。
気づいたら、私のカラオケルームの前後左右にいた、おそらく学生さんたちであろう元気な歌声の皆さんは全ての団体が帰ったようで、各ルームを店員さんが清掃していた。
掃除機をかけたり、消毒をしたり。入念に部屋を磨いてくださっていた。ありがたい。
そして、そんなお掃除の音で起きると、朝4:45だった。出なきゃと思いながら、ぼんやりInstagramを見ていたら、オットが今夜会うといっていた先輩がカラオケに行っているストーリーをアップしていた。
これはきっと、オットもカラオケを5:00に退店するはずだから、そのときを狙って電話をかければ繋がるにちがいない。
謎にそう確信し、私はカラオケを後にして、家の近くの河川敷を目指して歩き出した。
そして、昨日家で食べようと思って買っていたベリータルトを河川敷で食べながら、何度か電話をしてみた末に、オットを捕まえることに成功した。
「お願いだから、寝ないで帰ってきてね」
かなり前から予想していたことだったけど、オットはへべれけだった。へべれけ。電話越しでも上機嫌で、状況を話すと「ああ!みかちゃん!!かわいそうに!!!」とニコニコしながら嘆いていた。
まわりの先輩曰く、「かなり酔っ払ってるけど、自分で歩いているから大丈夫」ということだった。うん。それなら大丈夫。大丈夫だね。自分で帰ってこれるね。よかったよ。うんうん。(((
とはいえ、本当は私だってわかっている。
この状態のオットが家に帰ってくるときに何をしでかすのか。わかりすぎるほど、わかっている。
彼は、電車で寝過ごして、意味わからんところまで行ってしまうのだ。
「始発の電車に乗って帰るよ」って連絡がくるときは大体、直帰で自宅に帰ってくるために必要な所要時間の2-3倍の時間をかけて帰ってくる。
だから、正直あんまり期待してなかった。でも、期待してないからといって、祈りの電話をしないままでいいとは思わない。
私の持てるべき全力を注いだ上で、それでもなおオットが寝過ごすのなら、もうそれは仕方ない、手放すべき問題なのだ。だから、ダメもとだけど電話した。
へべれけに何を言ってもムダである。
腹ごしらえをして、絶望する
というわけで、心配MAXではあったけれど、私に成し得るすべての祈りを行ったことで一旦満足し、私だって朝ごはんを食べにいってやるぞ!と思い、松屋に向かう。
こういうとき、24時間営業してくれているチェーン店のありがたさをひしひしと感じる。
河川敷に1時間くらい居たので、冷えた身体に豚汁が沁みる。ゆっくり時間をかけて食べた。
松屋を食べ終えて、どうしようかと考えを巡らす。
そういえば、最寄駅の駅ビルは室内に座れるスペースが意外と充実しているから、開いていればそこでオットの到着を待てそうだなと思い立ち、ビルに向かったところ、案の定ビルは開いていて、座れるスペースを発見した。
そして、そこでこのnoteを書きながら待っていると、恐ろしいことに気づいてしまったのである。
先輩たちにそそのかされて、まだ飲み会続行しているのか?
いや、さすがに先輩たちも私の状況を知ってくれたので、帰れと言ってくれているはずだ。
ということは?もしかして寝過ごしている‥‥???
運命の審判のときが、ついにやってきた。
これはもう鬼電するしかないと意を決し、LINEにも電話番号のほうにも、これでもかと電話をかけまくった。
もう、オット本人じゃなくて、周りの誰かが耐えかねて電話を取ってくれたり、オットを起こしてくれてもいいから、オットでもオットじゃなくても、誰か気づいてくれ‥‥!!!と願ったほどだった。
そして、ついに、その願いが叶った。
オットじゃなくて、タナカさんが気づいて電話をとってくださった。本当に神だった。タナカさん、神だった。ありがとうございます。親切にしてくださる隣人のおかげで生きられている。ほんとに。
そして、オット。
寝過ごしにくわえて、スマホ落としのコンボ決めてきてた。
私、さすがに多少ダメージくらったよね。
でも、ということは恐らく、最短でこれから1時間程度はまだ帰ってこないということが確定した。
しかも、オットは通信手段を失っている。もう何もできない。私がどこに待機していようといまいと、オットはそこに迎えにくることはできないのだ。
でも、冒頭の方でも触れたとおり、私とオットは今日このあと、マリノスの試合を観に行くのだ。
私は外出の準備に時間がかかる。カギ忘れのためにお風呂にも入れていないので、逆算していくともうあまり時間がないことは明白だった。
これは、奥義、スーパー銭湯の出番だァ!!!!!と思った。
風呂に入ろう。風呂に。
身体の汚れを落とし、湯船に浸かってリラックスし、ゆったりと構えた心で家のカギが開くのを待とうではないか。
最後には、超トラディショナルな連絡手段しか残されていなかった
そう思ったものの、もはや私たちに残された連絡手段は、トラディショナルなもの以外に他になかった。
だから、トラディショナルな連絡手段を用いて、オットに自分のことを伝えることにした。
郵便ポストにお手紙を入れた。気づいてくれるといいが‥‥。
〜中略〜
そして、スーパー銭湯から帰ってきて、今。
ついに、オットが帰宅し、私は今、家の目の前まで帰ってきてから12時間の時を経て、家の中に入ることができた。
長かった!!!!!!!!
未解決の問題もあるけれど、カギ忘れの冒険はこれにて終幕
私が帰宅して開口一番、意識の9割が寝ているみたいな顔のオットが話しかけてきた。
夫のスマホは、今はまだ回収できていないけれど目星はついているので一旦はよし。そして、私のカギ忘れの冒険は、これにて終幕を迎えた。
ああ〜〜〜〜〜!大変だったけど面白かった〜〜〜〜〜!!!
普通に気をつけて生きていたら、あまり発生しないであろうレアイベントを無事にクリアできたような感覚がある。
こんなイベントをクリアすることに、果たして何の意味があるのだろうと冷静に突っ込みを入れたくなる私もいる。わかる、わかるよ!
でも、このイベントの何が楽しいって、「全力で今を生きるしかなくなること」が楽しいのだ。
全力で「今」をエンジョイするということ
カギ忘れというイレギュラーが発生すると、家に帰ってからの行動として自分がプランニングしていた全ての予定が、良くも悪くもまるっと吹っ飛ぶ。
そして、そのときに持ち歩いている荷物しか使えないという、アイテムの制限もあり、どうしても必要なものは購入する必要が出てきたりする。
そういうイレギュラーに発生した、ある種の自由な状況下で、今、自分が避けたいことや取りたい行動を全力で自分に問うのだ。
「避けたいことを回避するため」と「どうせ時間があるならやりたいことをやろうよ」がミックスされた結果。
今回、私は「夜風にさらされて、家の前で一夜を明かすのはいやだから、行きたいと思っていたカラオケに行こう!」という選択をしたし、「なんかもっと時間ありそうだから、ゆっくりお風呂入ってこよう!」という選択をした。
それは私にとって心地の良い選択だったし、恐らく、こんなことがなければできなかった選択だった。
結果論ではあるけれど、カギ忘れという事象は、全力で「今」をエンジョイするということを教えてくれるなあと毎回思っている。
だから、カギ忘れイベントが発生するたびに、何だかちょっとワクワクしてしまう自分がいる。
今の自分の100%の本心は、どこに連れていってくれるんだろう?何をしたいんだろう?それを実現するために与えられたモラトリアム期間のような気すらしている。
かといって、次の日に予定はある場合は、オチオチ楽しんでもいられないし、兼ねてから考えていた指紋認証型のカギの導入を急ピッチで進める必要がありそうだ。
今日はこの辺で。では、そろそろ出かける準備を始めようと思います!