大喝!「言葉足らず」の張本勲氏も学ぶべき、中途採用面接での意図・真意の伝え方。意地悪質問をクリアせよ。by転職定着マイスター川野智己
「いやあ、中途採用の面接の場面では、面接官からの質問内容も新卒採用と全く違うことに驚きました。なんていうか、くせ球というか変化球というか、仕掛けがある考え抜かれた問いかけなんです。だから、応募された方々も、その質問に翻弄されて、右往左往されていました。その回答の成否により、面接評価に大きく差がつきやすく構成されているんです。いやはや。」
こう話すのは、井崎守(31歳)、中堅の広告代理店の人事で、中途採用の採用担当者として勤務している。かくいう彼自身も、大手スーパーの新卒社員採用担当者として従事しており、ちょうど1年前にこの広告代理店に、今度は、中途採用担当者として転職したのだ。
「前職の新卒採用担当者の時は、当初は店頭でパートのご婦人たちを指導していた、単なる若手のお兄さんでした。その後新卒の採用担当(リクルーター)として社内異動になったのです。」
「当時の仕事?とても楽しかったことを覚えています。新卒の学生とは歳が近いし、同じリクルーターも同世代の社員が多く、なんていうか大学の同好会のノリでしたね。」
「仕事に関しては業務マニュアルがあるし、毎年同じことを同じようにこなしていれば、よかったんです。例年80名ほど採用しますので、その人数だけはノルマとされていましたが、所詮、内定辞退などの不確定な要因もあり、まあ気楽なものでした。」
一般的に、企業における新卒採用業務は、現場の若手社員に担わせるケースが少なくない。学生と歳が近いので、話も合うし、親近感も感じさせることができる。人事労務に関する詳細な知識も必要ない。いわば、営業的な「力仕事」として位置付けられている。
1 中途採用の難しさ。
しかし、同じ採用業務でも「中途採用」の業務は一転して様相が変わる。
採用する対象者は、単なる欠員補充の採用は少なくなり、企業における中核となるコア人材の採用が主になる。当然、賃金も高く、技術者や専門家、リーダークラスの採用も多い。
彼らの採用ミスは企業にとって大きな痛手だ。よって、この中途採用業務に従事する社員は、前述の新卒採用担当とは異なり、人事労務の専門知識が必要なことはさることながら、応募者のキャリアから、その能力やパーソナリティを、面接における問いかけ(質問)により見抜かなければならない責任重大な職務となるのだ。
その一方、せっかく採用したその中途採用の人材が定着せずに、早々に退職でもしようものなら、配属先の上司は「ろくな人間を採用しなかった。」と、採用責任者の責任を問うだろう。
井崎氏に話を続けてもらおう。。。
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