問題解決SNS - SocialBooster の可能性
市民活動
時折、問題提起めいた内容のツイートがTwitterで拡散される事がありますが、ひとしきり騒いでメディアが新しい話題を見つけた頃になるとその問題は忘れ去られてしまい、問題は解決されぬまま終わります。
問題意識の広がりを新しい話題でかき消してしまうのです。社会の意識が分散するようでは社会改善が進みません。今の今まで残った問題ともなると、社会総出で取り組まなければならないもののはずです。
SBでは投票に応じて優先的にコンセプトが表示され多くのユーザーに注目されるようになりますが、問題の解決が進行(投票数に相応した対応)しない限り表示順位が下がりません。これにより、社会で一定の規模の社会課題に取り組む事業がはじまるまで問題意識を広げ続ける事が出来ます。
「街の景観が悪い」というストレスにあたる投稿があったとします。ユーザーは紐付け機能を用いて、この投稿に新しい投稿、または別の投稿を紐付ける事が出来ます。
「街の景観が悪い」というストレスに対して「街を綺麗にしたい」というニーズを紐付けられるのです。
このニーズに「街を緑化する」というアイデアの投稿を紐付ければ、後はプロジェクトとして具体的な計画が提案されるのを待ちます。
予定、予算といった具体的な計画が立案されれば、後はコミュニティを新たに立ち上げるか、地方自治体などの既存のコミュニティをそのプロジェクトに紐づけて実行の段階に移ります。
コミュニティメンバーの努力により、当初の「街の景観が悪い」というストレスが緩和あるいは解決されるのです。
職場改善
SocialBoosterは何もストレスから投稿しなくてはならないというルールはありません。いきなりアイデアを投稿してしまっても問題がないのです。
「職場で犬を飼う」というアイデアが投稿されたなら、プロジェクトでの論点は”どこから犬を連れてくるのか”になります。
「捨て犬を引き取る」、「ペットショップで買う」、「社員の飼い犬を常駐させる」など、プロジェクトの選択肢は広がっていきます。
また、上述の過程で犬を飼う事になった職場コミュニティAの影響を受けた別のコミュニティBが、職場コミュニティAの採用したプロジェクトを自らのコミュニティに導入するというような展開も期待できます。
起業
SocialBoosterを人材集めやPRの為に活用する事もできます。コミュニティを立ち上げ、うまく社会の評価を得られれば上位に表示され人材を得やすくなります。
もしコミュニティそれ自体に魅力があればコミュニティへの投票を集める事で期待率を上げ、着手率が低下することで表示順位を上げる事ができます。
企画で勝負するのであれば、コミュニティと企画(プロジェクト)を紐付け、プロジェクトへの投票を集められればコミュニティの投票数に加算され、同様に表示順位を上げる事が出来ます。
人材を得るだけでなく、プロジェクトの宣伝にも繋がり、またアイデア、ニーズ、ストレスの層まで紐付けられればそのコミュニティとプロジェクトの社会的意義を数値的に証明が出来ます。
また、投票数が相対的に減るか、コミュニティへの参加者が増えない限りは表示順位が保たれるので、Twitterのように時と共に流されることはありません。
災害
Twitterで「あたたかい毛布が足りない」というツイートがされれば、いいねが集まったりリツイートされて終わりですが、SocialBoosterでは違います。
「あたたかい毛布が足りない」というストレスに投票が集まれば表示順位が上がり、ニーズ、アイデアへと問題解決過程を進行していきます。
支援に向かうボランティア達は災害の現場が求めているものとその規模を把握し、プロジェクトを介して他のコミュニティと協力しながら問題の解決にあたります。
SDGs
2030年までに持続可能な社会を実現するべく17の目標を達成しなければなりませんが、このままでは2030年どころか2040年になっても目標の達成には至らないかもしれません。
企業の利益とSDGsが相反する以上、企業が目標達成に本腰を入れるとは思えません。とはいえ、世の中には利益を顧みず、労力を惜しまない人々がいます。Twitterなどに見られる彼らは日々様々な事業を展開し、従事していますが、その活動が国連の統計に影響を与える事はまずありません。
SBのコミュニティは複数のプロジェクトと紐付けられますが、同時にプロジェクトも複数のコミュニティと紐付ける事ができます。コミュニティと同様プロジェクトにはチャット機能があり、そのプロジェクトに紐付けられているコミュニティのメンバーであればプロジェクトページで発言が出来ます。
このプロジェクトを介した連携機能によってコミュニティ同士の連帯を促進できれば、非営利の集団が国や国連の統計に影響を与えられる程の事業を行えるようになるかもしれません。
デジタル民主主義
SocialBoosterのコミュニティを政党、プロジェクトを政策とみなす事もできます。
従来の選挙制度と違うのは、SBではいつでも投票でき、投票に重み付けができるという点です。Twitterのいいねと同じ感覚で投票出来ます。また、政治家ではなく政策(プロジェクト)、問題(ストレス)に投票できるのも特徴です。
気に入ったプロジェクトやコミュニティに投票すれば、そのコンセプトの期待率が上がります。着手率が低ければ上位に表示されるようになりコミュニティの活動を支援に繋がります。
役割分担
5つのコンセプトレイヤーは別々の属性のユーザーを対象としています。
コミュニティは、物事の実現に長けたユーザーを対象としており、プロジェクトは物事の計画に長けたユーザー、専門的な知識を持つユーザーを対象としています。
アイデアは発想に長けたユーザーを、ニーズやストレスは洞察力のあるユーザーを対象としています。
Twitterでは性質を同じくする者達でしか交流する事はありません。しかし、別々のレイヤーに生息するユーザーの交流をSBが仲介することで、ストレス層は無意識のうちに問題解決の一助に加わる事ができ、コミュニティ層は実在の需要に対応する事が出来ます。
ストレスは単なる愚痴の発散に終わらず、コミュニティ層は存在しない需要をあるかのように振る舞う事が出来なくなります。
オープンイノベーション
SocialBoosterには外部からの提案を拒む機能が存在しません。
ある自治体がコミュニティとして登録していたとして、その自治体の魅力をどう発信するのか悩んでいたとします。役場の発想では限界がありますが、SBでは外部の人々がプロジェクトのコミュニティとの紐付けという形で魅力を発信する企画を提案出来るのです。
相乗効果
政治に特化したサービスにする事も可能でしたが、あえてそうしていません。
PoliPoliやissuesなどのサービスは政治に特化したサービスです。そこに集まるユーザーは政治に興味、関心があり、一定の見識のあるユーザーのはずですが、こうした人々での議論は政治に興味関心があるという点において同質的であり、そこで得られる結論は社会を構成する大多数の人々への訴求力に欠けます。
SBは政治に微塵も興味がない層を取り込める構造、デザインを目指しています。彼らが政治に期待せずに投じた素朴なストレスが、彼らの預かり知らぬところで政治分野によって解決される事に期待したからです。
また、一見政治分野でしか解決できないように思えるストレスが、ビジネスの分野で解決される可能性にも期待できます。
ストレス、ニーズ、アイデア、プロジェクト、コミュニティという抽象的な言葉を用いたのは、政治やビジネスを超えた広い範囲での運用を想定しての事です。
コミュニティという単語は政党や企業だけでなく、NPO法人や部活動も包括し、ストレスは問題や課題よりも意味の範囲を広く捉える事が出来ます。