コロナの影響を受けたサッカークラブのリアル
コロナウイルスによる政府の小・中・高の休校要請。
それにより、一気に状況が変わった。
その判断の良し悪しについては置いといて、これにより、全農チビリンピック九州大会予選が中止に。
この事について感じた事を書こうと思う。
この大会は、全農チビリンピック全国大会へ繋がる大会で、サッカー少年にとっては、
全国大会という憧れの舞台に立つための貴重な大会になる。
ジュニア年代の全国大会と言えば、全日本U12サッカー選手権大会が一番注目されるが、
「日本一」を目指す大会としては、このチビリンピックも同様に注目される大会の1つだ。
全国大会の是非については、
「勝利至上主義」というワードを皮切りに、
・技術的な影響(勝つ事を目的にして段階に応じた指導ができない)
・精神面的な影響(サッカーを楽しむ観点の欠如。バーンアウトを引き起こす原因)
が議論の争点になり、マイナス面の影響をピックアップされる事もしばしばなんだが、
「日本一」を目指している我がクラブにおいて、
そこを目指している子ども達を指導している中で感じる感覚は、マイナス面よりもプラス面の方が大きい。
確かに、育成年代の子ども達を預かっている中で、これらの影響は頭に入れておかなくてはいけない事なんだが、
それが、「全国大会があるから」という理由とは自分の中では結び付かない。
何故か??それは、
全国大会が子ども達にとっては、自分を変えるための補強になる大会
になっていると思うから。
「日本一」になるためにチーム作りをする事は当然なんだが、そのベースになるのは、一人一人の「個」であって、
「個育て」の上にチーム作りがある。
故に、「個育て」において、
技術的・精神的な影響(技術レベルの段階的な育成、楽しむ事の重要性)を大切にする
という観点がベースにあれば、
全国大会の影響が「個育て」において負の影響をもたらす事はないと言い切る事ができる。
まぁ、そんなクラブもあるんだろうが、少なくとも我クラブは、個の成長への影響を無視してまで、
チームの利益?名声?に夢中ではないという事だ。
「個の成長」において自分と向き合う事は大切な要素である。
自分を変えるための補強になっている
と感じるのは、「日本一」という目標を掲げる中で、全国大会というのが、
成長段階でのいい節目として、分かりやすい立ち位置で存在してくれてるから。
中途半端な気持ちを除去してくれると言うか、目標があるから、
もっと上手くなりたい。上手くなる事でもっとサッカーが楽しくなる。
こんな循環を生み出してくれてるような気がする。
要は、指導者が全国大会に出る事・勝つ事に躍起になって、育成年代で大切な視点を見過ごす事さえしなければ、
マイナスにはならず、むしろプラスの影響を与えてくれる補強剤になってくれているという事だ。
だからこそ、今回の政府の判断によるしわ寄せがきた事が残念で仕方ない。
子ども達にとって、今回の大会は勝ち取った権利なんだから。。。
大会中止の連絡を受けて、まだ子ども達とは顔を合わせていない。
すでに、ネットのニュースで流れてるから子ども達は知っているだろうが、
正直、どう伝えて、どうフォローしようか迷っている。
これから頭の整理でもして、この影響が子ども達にできるだけマイナスにならないように言葉を選ぼう。
ぽっかり空いた穴を塞いでやる事が、今できる指導者としての自分の役割になるだろうから。。。