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シャーロック・ホームズ「技師の親指」の感想を言い合うつむぎとおじさん
高校生の姪・つむぎと、口先だけミステリ作家志望の面倒くさがりなおじさんとの会話です
※この先、シャーロック・ホームズ『技師の親指』の内容に少し触れています
つむぎ
「おじさん、『技師の親指』って知ってる? シャーロック・ホームズの話だよ。指を切られちゃうなんて、めっちゃ痛そうでしょ?」
おじさん
「タイトルからしてエグいよな。親指切るなんて、どんな凶悪事件かと思ったら…実際は案外地味だったりするんだろ?」
つむぎ
「それがね、事件自体は確かにそこまで派手じゃないの。でも、親指を失ったって聞くと、うわぁ!ってなるじゃん。ドイルってそういうインパクトの作り方が上手いよね。」
おじさん
「親指一本で読者の心を掴むなんて、ドイルもなかなかだな。でも、結局その技師ってなんでそんな目にあったんだっけ?」
つむぎ
「技師さんが、怪しい装置の作業を請け負っちゃったのが原因なの。雇い主の言いつけを無視して中を覗いたら、それがバレて手を切られちゃうっていう…怖いけど、ちょっと教訓的な話でもあるよね。」
おじさん
「覗き見してはいけません、って教訓か。そんなの普通の人なら覗きたくもならないだろ。」
つむぎ
「いやいや、そこが人間の好奇心の怖いところ! ほら、おじさんだって見ちゃいけないファイルとか開きたくなるでしょ?」
おじさん
「俺は見ないぞ、健全だからな。……まあ、たまには覗くけど。」
つむぎ
「ほら見た! でも、ホームズの話って、結局はそういう人間らしい弱さを描いてるところが魅力だと思うんだよね。ドイルの描き方ってさ、事件自体はシンプルなのに、登場人物の心理とか背景で引き込まれるんだよ。」
おじさん
「で、その事件をホームズがどう解決したかってのが肝心だろ? 例のズバッと結論を出すやつか?」
つむぎ
「うん! ホームズは、技師が見た機械の説明とか、雇い主たちの挙動を全部見抜いて、『○○』って言うところが、何か妙にスッキリするんだよね。」
おじさん
「やっぱりホームズっていいよな。スパッと解決してくれるし、俺みたいにぐだぐだ悩まないところが爽快だ。」
つむぎ
「そうだね! おじさんもホームズみたいに、スパッと何か解決してみたら?」
おじさん
「俺には俺のペースがあるんだよ。ホームズがすごいのは分かるけど、俺は俺流で行くからさ。」
つむぎ
「ふふ、そんなこと言ってる間に、指を切られるような目にあわないでね、おじさん。」
おじさん
「……俺が切られるのは酒代くらいだな。」