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🟡拾い猫:ねこ俳句


もう十年 おまえといるか 拾い猫



拾ってきた猫を飼い始めて、もう10年になる。

夜、僕が外に出て煙草を吸っていると、
必ず猫は僕の傍にやって来て、
僕の足に、
長いしっぽの先を「ちょんと」ひっかける。

さりげなく、
「私はここにいます」と言うように。

そう、君も僕も、
「いま」確かに「ここ」にいる。

月が静かに灯りをともす夜に、
宇宙の塵のように
20年後には
たぶんお互いもういないであろう一人と一匹にとって
それだけは、確かな事実なのだ。


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