第192話:他人から他者へ
不思議なことに、カミさんは猫の気持ちを代弁する時に、それが人であれば本人と言うべきところを、なぜか本ニャンと言ったりする。
例えば、
「本ニャンには本ニャンなりの考えがあるらしい」とか、
「本ニャン的には相当ショックだったらしい」とか。
カミさん的には、このニンとニャンの音の響きが、人と猫の間をつなぐ「絆:キズニャ」ということになるらしいのだ。
一方の本ニャンは気ままで、愛情など、どこ吹く風。してほしいことがある時だけ寄って来てカミさんを酷使している。
猫にとってカミさん