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「将ならば、敵軍にどうやって勝つか それ以外に心囚われることはない」
先日たまたまやってみたキングダムのリーダータイプでてきた麃公。映画しか見たことなくてどんな人かぐぐってみたらカッコいい漢だった。
そういえば三国志でも一番好きなキャラは、老いてますます盛んと言われた黄忠だ。
じいさまといえば、しばらく実家に帰れていない。
今年のお盆も茨城で過ごした。
私はおじいちゃんおばあちゃんによく可愛がってもらった。
父方のおじいちゃんは早くに亡くなったため、母方のおじいちゃんとの思い出のほうが多い。
母方の実家のそばには川があって、遊びに行くとおじいちゃんが釣り糸を垂らしていた。
「何が釣れるの?」
と聞いたら、じいちゃんはただ笑っているだけで
「なんも釣れね。ただ垂らしてるだけだ」
ばあちゃんが横から言葉を投げる。
それにもまた、ただ笑っているじいちゃん。
まだおじいちゃんが10代半ばの頃、帰宅したら結婚式が行われていて「誰の結婚式だ?」
父親に聞いたら
「おまえのだ」
と言われてそのまま式に出て結婚したらしい。
9人兄弟の末っ子だった。
都会の(地元でも栄えているところ)一人娘を嫁にもらい、結婚してから畑を手伝わせれば「そんなことさせるために嫁にやったんでね!」と義両親に怒られ。
召集され近衛兵として通信係に当たっていたところ流れ弾にあたり足を負傷して、傷痍軍人になったおじいちゃん。
4人の子供を育て上げた。
きっとあれやこれや文句を言いたくなる時だってあっただろう。
そういう時代だったと言われればそうかもしれない。
だけど、そんな時代でも家族を守り、妻を守り、最後にはみんな口々に「惜しい人だったな」って悲しんでくれる人生を歩んだ。
こんなに誰も文句が出ない葬式は初めてだ、と弔問に訪れた方が言った。
わたしは葬式で受付をしていて、訪れた方が「自慢のおじいちゃんだ、大事にせ」と声をかけてくれた。
大事にの意味はその時よくわからなくて、ただ「おじいちゃんはみんなに愛されてたんだなぁ」としか思わなかった。
わたしも親になり、気づいたら社長になり、生き方を振り返るようになった。
頭脳で考えるより本能、感覚で生きている。
キングダムの麃公もそうらしい。戦いに私欲を持ち込まず、ただ純粋に戦いを楽しんでいる。
誰かの上に立とうとか称賛とか地位名声、そういう欲を持たない。
ただ、将軍として任されている限りはいかに相手を倒すかに全力を注ぐのみ。
そこで出てくるこの言葉。
「将ならば、敵軍にどうやって勝つか それ以外に心囚われることはない」
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代表や社長は、社員および家族、さらにサービスやコンテンツを提供している以上そこには責任と使命を背負って役割を全うしている。
やりたいことを続けていたら、そういう立場になっただけ。
日本ではキングダムのような戦は起こっていないけど、企業戦士という言葉がある。
企業の利益に貢献するためにがむしゃらに働くサラリーマンを風刺した言葉だ。
会社のために、家族のために、〇〇のためにと他者ありきで動くのは危険を伴う。
善意の押し付けにもなるし、相手をコントロールできないと今度は怒りに変わったりもする。
そこに費やした時間だけ、見返りが欲しくなるからだ。
一方で、キングダムの麃公は、戦で勝っても誰にも見返りは求めないだろう。
それは自分の炎に忠実に動いているからだ。
煉獄さんの『心を燃やせ』
麃公の『火を絶やすでないぞ』
今日ここに生を受けるまでのご先祖様たちの命の炎。
受け継いだ火をどう活かすかを、考えていこう。
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