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3C's:リスクをとるときのフレームワーク

割引あり

今回は、リスクのあるオプションを取る判断をする時に使うフレームワークの「3C's」なるものについて書いてみよう。前回の有料版で書いた通り、出典はこちら。

3つのC

具体的には、Criticality、Consequence、Control の三つの頭文字のことだ。

Criticality(目的の重要度)

そのオプションを取ること、つまりミッションの目的が、どれだけ重要なことかを指す。重要なことであればあるほど、危険を顧みずにそれのオプションを完遂する動機が強くなる。

例えば、時間短縮のためにテイルウィンド(背風)の滑走路にビジュアルアプローチをかけることなど

Consequence(最悪の事態)

そのオプションを取ることで想定される最悪の事態は何か。それは受け入れ可能なものか。最悪の事態が受け入れられるものであれば、仮にクリティカリティが低くても、それに対するリスクが無視できるほど小さければ、オプションを取る動機が強まる。

上記の例なら、VFRトラフィックとの空中衝突、背風成分による滑走路逸脱、それらを回避するためのゴーアラウンドなど

Control(最悪の事態を回避するための手段)

最悪の事態が受け入れ不可能な場合、それを回避するために状況を積極的にコントロールする手段があるかどうか。ゼロサムで考えれば、リスクのあるオプションは、そのほとんどが却下になってしまう。なぜなら、「Consequence」で考えるのは「最悪の」事態なのだから、ほとんどの場合その結末は受け入れ難いものになるからだ。

しかし、最悪の事態に至るプロセスをオペレーターの技量によって、積極的にコントロールすることで、これを回避することができると結論づければ、GOが出せる。

例えば、管制とのコミュニケーションでトラフィック情報を得る、背風での着陸制限を確認する、早めに減速して飛行機を着陸態勢とし、外部監視を厳とする、トラフィックが2機以上いたり、ウィンドチェックで背風が上がったらサークリングに切り替える、ゴーアラウンドプラン具体的に話し合う、など。

こうして、十分コントロール可能と判断すれば、その選択肢を取ることができる。一度取ると決めたら、あとはコントロールそのものに100%集中して企図した通りに結果を出す。

現場で作業をするオペレーターは、その技量を使う(コントロールする)ことで一見リスキーに見える選択肢をとり、困難な状況を打破することができるのだ。

以下、有料版の「B面」です

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