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パイロットが心理テストを受けてみた結果 その1. 興味の方向 外向(Extraverted) v.s. 内向(Introverted)

前回の記事では、今後何十年と無事にパイロットを務めあげるために、ここはひとつ自分の「性格」とやらをよく知ってみようと考え、Webによる性格診断を試してみました。

今回受けたテストについて

今回受けたテストは、NERIS Type Explorer®ですが、前回も少し触れた、マイヤーズ・ブリッグス タイプ指標(MBTI)なる性格診断テストによく似ています。

MBTIMyers–Briggs Type Indicator、マイヤーズ=ブリッグス・タイプ指標)は、個人がどう世界を認識し、物事への決定を下すかについての心理学的な選好を示すことを目的とした、内観的な自己申告型診断テストである

https://ja.wikipedia.org/wiki/MBTI

両者とも、その人が世界を見るときや、決断を下す際の「好み(=選好)」をアンケートで測定するという点が共通していますが、使っている言葉が微妙に違ったりするので、注意が必要です。以下、実際に受けたNERIS Type Explorer®の言葉で仕組みを説明します。

世界を見る座標軸

人が世界をどう見ているのかを、5つの座標軸で測定します。

1. 興味の方向(Mind)
外向(Extraverted) - 内向(Introverted)
2. 情報の使い方(Energy)
観察(ObServant) - 観念(INtuitive)
3. 判断の根拠(Nature)
理性(Thinking) - 感性(Feeling)
4. 外界への接し方(Tactics)
決定(Judging) - 未定(Prospecting)
5. ストレスの御し方(Identity)
平静(Assertive) - 多感(Turbulent)

https://www.16personalities.com/articles/our-theory
(日本語は筆者による訳)

カッコ内の英語の頭文字が太字になっていますね、それらの組み合わせで16通りの性格を表現します。例えば、「外向・観察・理性・決定」だったら

ESTJ

という具合に。2の4乗だから16通りというわけです。

本当は5つなので、32通りなんですが、最後のIdentityの座標軸は16通り全部の性格に補助的に付属する2通りの性格という位置付けで、あくまでメインの性格の数は16通りと考えるようです。先の例で最後が「多感」であれば

ESTJ-T

です。このように、2つの対立する座標軸のどちらによって世界を見ているのか、それぞれの組み合わせを考えると、この同じ「世界」は16種類にもわかれるということになります。そりゃぁ戦争もなくならないわけです。

長くなってきたのでまぁここらで一服

私の検査結果

さて、私の検査結果は、私自身のアンケートの回答の傾向やパーセンテージが載っている詳細なものなので、前回の記事では有料版に載せました。

その有料版に示したパーソナルな検査結果を公開はしませんが、16通りあるどの性格に落ち着いたのかは公開するとしましょう。そうしないと今回の記事の話が進みません。私の性格は、こちら↓に相成りました。

INFP-Aですから、これは「内向・観念・感性・未定 – 平静」ということになります。もちろん、10分で終わるようなWebテストで、私の性格の全てがわかったなんてことにはなりませんが、まぁそれでも一つの指標にはなるでしょう。なんだか色々ありますが、まずは最初の項目「内向」を見てみましょう。

内向的なパイロットは成立するか

コクピットには2人のパイロットがいますし、キャビンにはフライトアテンダントもいます。その他にも、飛行機を飛ばすには様々な職種の人々が関わっていて、あらゆる場面でコミュニケーションが欠かせません。国際線ともなれば、ステイ先での付き合いもあるでしょう。

ですから、外向的、つまり「E」の特性を持っている方がパイロットに向いている、と考えられるかもしれません。しかし私の特性は「内向」。

ええ、そうなんです。私はたくさんの人とワイワイするのがどうも苦手で、どちらかっていうと1人で、どちらかと言えば遠くに山が見える海辺みたいなところで何時間もぼーっとしている方が好きなんですね。

いや、そんなこと今更言われてももうパイロットになっちゃってんだからどうしようもないよ。それともなにかい、内向的なオイラはやっぱり「パイロットには向いていない」ってのかい。

心の叫び

もちろんそんなことはありません。私の友達には、内気で物静かな腕のいいパイロットがたくさんいます。

そもそも、世の中のどんな職種だって人とコミュニケーションすることが必要で、それはパイロットに限ったことではありません。内向的な人はパイロットに向いていない、というのは、内向的な人はどんな仕事にも向いていないと言っていることと同じで、単なる暴論にすぎません。内向的であることが、直ちに、仕事におけるコミュニケーションや人間関係に有害であるわけではないのです。

あなたはどこから元気をもらうか

重要なのは、自分の特性を理解し、現実的にうまく立ち回ることです。

外向的な人のことはよくわかりませんが、おそらく人と一緒にいたり、話をしたり、大勢で集まって踊り狂ったりすることそのものから、直接、元気をもらうことができる人たちなのでしょう。それならば、仕事で人と会うことからも元気をもらえるわけですから、それに越したことはありません。

しかし、私はそうではない。それよりも、海のさざ波や川のせせらぎ、焚き火の爆ぜる音やどこまでも続く山の稜線など、自然現象に囲まれた景色の中で、ひとりで静かにコーヒーでもすすっている方がよっぽど早く元気になることができます。

これは、良し悪しの話ではなく、電気で動くかガソリンで動くかの違いみたいなものです。

いずれにせよ、仕事で誰かと会って円滑なコミュニケーションが求められるのは誰だって同じなのですから、内向的な人は、普段の生活で「人付き合いのためのエネルギー」を無駄遣いしないように気をつければいいのです。プライベートで無理に人と付き合って、いわゆる「リア充」を気取るなんてのはもってのほか。

趣味を持つなら、人とワイワイやるようなスポーツではなく、1人でできるものにすればよし。スポーツや武道なら、1人競技や自分自身と向き合うようなものがいいでしょう。**

**有料版には私の趣味をのせました。

プライベートで十分に一人でコツコツコツコツやっていれば、いくら内向的な人でも何かしら人と喋りたくなりますから、それを仕事のタイミングに合わせていけば内向的な人でもニコニコニコニコしながら世間話の一つもできることでしょう。

それができれば、パイロットだろうがカカロットだろうがどんな仕事でも、うまいこと人間関係を作れるはずです。

今回は、INFP-Aのうち、「I」内向について話しました。次回は、そのほかの要素である「観念・感性・未定 – 平静」についてできるところまで話してみましょう。

次回へつづく

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