「考えて対応」と「感じて反応」は使いわけよう
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長いこと休んでいたので、パイロットの仕事に復帰するにはいろいろとやることがたくさんあります。
危険物の取扱いや、セキュリティに関する講義、さらには飛行機のテクニカルな知識、実際のオペレーションにかかわる知識など、法律で定期的な知識のアップデートとテストが義務付けられているものがありますが、その多くが休んでいる間に有効期限が切れてしまいました。
パンデミックの中にあって、クラスルームで講義式でやっていたものの多くがCBT(パソコンでのオンライン学習)になっていて、それぞれが大量のパワーポイントスライドで構成されています。会社はこれらを片付けるための時間を1日だけロスターしてくれるのですが、1日だけではきつい。今日だけで100枚はスライドを見ました。テスト付きなので気が抜けません。
そこからシミュレータによるトレーニング、さらにラインスーパーバイズを経てラインチェックと、入社した時のトレーニングをもう一度やる感じです。
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さて、100枚のスライドの中で、少し面白いのがあったのでここで紹介したいと思います。
ヒューマンファクターの話でした。
エアラインの運航は、プロシージャと呼ばれる手順があらゆる状況に規定されていて、それらを厳格に運用することで、ヒューマンエラーを防いでいます。
しかし、日々の運航で遭遇する事態は、教科書どおりに出現しないこともよくあります。そういった教科書にないか、あっても少し違った形で提示される状況に対応していくうちに、いつのまにかスタンダードプロシージャから外れてしまったり、判断をミスったりすることがあることも事実です。
これだけ「プロシージャ化」が徹底しているエアラインでも、運用がうまくいかないことがあるのはなぜなのか。それを人間の脳の特徴から解説しているスライドが、個人的に非常に面白く、また自分の実運航にも活かせると感じたので、私なりに咀嚼した内容を以下で解説してみたいと思います。
特に、私のように臨機応変な対応や、想定外の事態に弱い人、本番に弱い人には何かしらのヒントになるかもしれません。
まずは脳の情報処理の仕組みから
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