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エアラインパイロットの給料とキャリアについて

先日、ツイッターでこんなのが。

アメリカは国土が広いから、国内線といっても軽い国際線みたいになることもあるのだろう。何しろ、国の中に時差があるんだから。

私はUSで飛んだことがないので本当のところはよくわからないけれど、リージョナルで下積みして、メジャーやレガシーの「国内線」でさらに下積みして、やっと国際線にたどりついたところで「うまみ」を享受することができるという仕組みになっているのかもしれない。

NZの場合

翻って、人より家畜の数の方が多い国、ニュージーランド。

国内線は最長でも約2時間。この前はクライストチャーチからタウランガに飛んで、滑走路見えなくて一旦ミストアプローチして、ミニマの低い反対側の滑走路に再度アプローチして着陸したのもあったけれど、それでもブロックタイム(飛行機が出発地のゲートから出て、到着地のゲートに止まるまでの時間)で2時間16分。

その日は、そこから3レグやって次の日も4レグで、比較的長い、疲れる日だったけど、言ってみればその程度。組合が頑張ってターボプロップパイロットのオーバナイトデューティ(ホテル滞在がある仕事)は原則1泊のみなので、2日に一度は必ず家族の元へ帰ることができる。

第一、夜は国中が寝てて誰も飛行機なんか乗らないので、遅くとも夜10時には国内線は店じまい。ライフスタイルはすこぶる良い。

だから、米国のパイロットが国内線より国際線のほうが楽だ、と言っているのを見て、所変われば常識も変わるのだなと感慨を深くしたわけだ。

とは言え、一般的に言ってターボプロップからジェットに行くのは「進級」として捉えられているし、給料は上がる。だからみんな基本的にいきたがるんだけど、ターボプロップの機長をやって長い人なんかは、ジェットに移ると一時的に給料が下がることもあったりして、一筋縄ではいかない。

うちの会社は

うちの会社の話をちょっとだけすると、うちは、ターボプロップとジェットで契約が別で、シニョリティリストも分かれている。だから、ジェットに移るとそれまでシニアキャプテンとしてやっていた人がジェットシニョリティリストのボトムにくっつくことになって、いろいろと不便になる。

そのほかにも長距離国際線(ワイドボディ)の場合は入り口がFOでなくSOであったり、短距離国際線兼国内線(ナローボディ)の場合もトレーニングペイから始まるなど、主に移行初期の扱いに雑さがある。そう言う理由で、ターボプロップを勤め上げた方がいいや、って考える人がかなりの人数いるのだ。

参考までに、ターボプロップ機長のベースサラリーは、

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