さりげなさ
重度の知的障害者がいる現場で仕事をしている。
いつも、走り回り、大声をだし、自閉症も併せ持つため、こだわりまくって大騒ぎ。落ち着かない彼との散歩の時間。
彼と一緒に、もう一人、私を含め3人で歩いていた。別の彼が、機嫌よく私の頬に触れてくる。寒い日のこと。頬を触る手は冷たい。さすがに
「きゃー、冷たい、やめてよ」
と言ってみるが、ご機嫌の彼は嬉しそうにまだ触れている。すると、いつも大騒ぎの彼が、渋い顔をして、そのご機嫌の彼を私からはがしてくれた。そして、なにも発しず、また一緒に歩く。
ありがとう。。。と言い出せないくらい自然にはがし、自然に歩き出した。
ちょっとこだわりが強くて騒がしいけれど、心は優しいお兄さん。助けてくれたんだよね。いやー、かっこよかったよ。
本当に、ありがとう。
散歩の続きをしよう。
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