福祉という言葉の意味。
「認知症を治す方法!」や「こうすれば認知症を予防できる!」という文句につい気をひかれ、飛びつきたくなる気持ちはよくわかるが、最後までみてみると、つまりは、しないよりはしたほうが良いということで、「必ず」治る、防げるというものではない。
認知症は、老化による自然な過程である。医療的なアプローチをするよりも、どう生きていくのかという社会的なアプローチが必要だと思う。
福祉とは、幸せ、幸福という意味である。
福祉というと、対象は障がい等のある社会的弱者だと思っている人が多いのではないか。
本来福祉の意味する対象は、障がいが有ろうが無かろうが、すべての人で、人が幸せになること。
福祉は、「いいこと」だからお金の話をしてはいけない。
基本ボランティアで。
利益を得るなんてもってのほか。
心優しい人たちが働いていて奉仕している。
そんなイメージをもたれていないか。
人が、または自分が幸せになるためならお金を使っても構わないはず。
その価値としての報酬を受け取ることに、申し訳なく思うことはないはず。
しかし、それをよく思わない人が多い。
老いていけば、できなくなることも出てくる。体力が衰えたり、ボケてくることもある。
目が悪くなれば眼鏡をかけるように、車いすを使ったり、介護員を使ったりすればいい。バリアフリーの環境が整っていなくても、通りかかった人が手を貸してくれたり、助けてくれればいい。認知症になっても、自分の代わりに自分のことを知ってくれている人がいればいい。
「ブラック・ジャック」を読みながら、ふと考える。