花の香りは、記憶
𓂃𖤥𖥧𖥣⋆*
『そーらーちゃん』
幼なじみのおっこんが呼ぶ声。
"おっこん"は、本当は陽子ちゃん。ようこが言えない幼少期、私は陽子ちゃんを"おっこん"と呼んでいました。小学生になってもあだ名はおっこん。
『行ってきまーす』
玄関のドアを開けると、すぐ脇に沈丁花の木。
白と紫の小さなお花が、まぁるく集まった沈丁花は可愛くって大好き。門扉までのアプローチには、椿、くちなし、金木犀の木。門のそばには、まっ白い沈丁花の花が咲いています。
門の前で待っていてくれるおっこんも、沈丁花に鼻をくっ付けて、クンクン匂いを嗅いでいます。
いいにおーい♪
ふたりはケラケラ笑って、順番に沈丁花に鼻をくっつけて、いい匂いだね!いい匂いだね!と、飽きずに毎日同じ事を繰り返しながら、仲良く手を繋いで登校しました。
今から何十年前になるのかな?(笑)
花の香りは、記憶です❁⃘*.゚
2月から3月にかけて咲く沈丁花。
梅雨時から初夏には優雅で甘い香りのくちなし。秋になるとオレンジ色の小さくて可愛い花をつける金木犀。
ふぁっと風に乗ってやってくる花の香りがすると、私はいつもこの光景を思い出します。
6月。
そろそろ梅雨入りというころ、くちなしの花が咲きます。漢字では「梔子」と書くそうです。読めませんし、書けません。
花びらが肉厚で、咲いた後に雨風に当たるとすぐに茶色くなってしまいます。
母はくちなしの花が一番好きでした。そして、花を一輪挿しに挿すとき、必ず渡哲也の「くちなしの花」を口ずさんでいました。
小学生の私は、すっかりその唄を覚えてしまい、歌詞の意味などは考えず、大声で唄っていました。
くちなしの花の〜、花の香りが〜、旅路の果てまでついてくる。
くちなしの、白い花、おまえのような花だった
くちなしの花の記憶は、この唄といつもセットです(笑)
音源を貼ろうと思ったけど、雰囲気に合わないので今日はやめておきますね。
少し前に、みなさんはどんな時に秋を感じますか?とつぶやいたら、たくさんのnoterさんがコメントをくださいました。
お店にモンブラン以外にも栗のケーキがたくさん並べられ始めたとき
秋は美味しいスイーツたくさんありますね。今だとシャインマスカット✨高級品です。
美味しいスイーツがお店に並んだら買わないわけにはいきませんぶー (̂•͈Ꙫ•͈⑅)̂୭*゚
少し肌寒くなって山の景色が変わるとき
山のお近くにお住まいなのかしら?紅葉が始まった山🍁素敵ですね。ドライブとかハイキングに行きたくなりますね!
今日ちょうど、今年初の金木犀の香りを感じて秋だなぁって思いました😆
あと、スーパーでマツタケ30,000円の値段を見た時😂
マツタケ!高い✨そうですよね。秋の味覚の代表格を忘れていました!
そして、金木犀の花もう咲いていたんですね。今年は咲くのが早かったとか。やっぱり金木犀はみんなが好きですよね。多くの方が金木犀の記事を書いてました。noteでも秋の訪れを感じる事が出来ますよね。
私はというと、まだあの甘い香りに遭遇できていません🥺。早くどこかから、ふぁっと香って来ないかな…
𓂃𖤥𖥧𖥣⋆*
9月は私の誕生月。誕生日をすぎると待ちに待った金木犀の季節。金木犀ってある日突然香ってくるのが不思議です。
「咲いてるところを取ったらダメよ」と、母に言いつけられていた小学生の私は、地面に落ちた小さなお花たちを1つずつ拾い、手のひらに集めて匂いを嗅いでいました🧡
ひとつひとつのお花がいい匂い。オレンジ色が美味しそう。
我が家の金木犀は、花が落ちるとすぐに私のお部屋へと運ばれ、お皿の上に置かれました。どうしたらずっといい匂いを楽しめるのか、あれこれ考えたものです。
これらが三大香木と言われるということは、後になって知りました。
季節ごとにいい香りを届けてくれた我が家ですが、今はもうありません。
父が家業に失敗し、家を手放す事になったのです。
嫁いでいて引っ越し準備も手伝わなかった私は、嫌な事から逃げていました。専業主婦で花が大好きだった母が、悲しい顔をする所を見たくなかったのです。
玄関の花たちがどこに行ってしまうのか、ほんとはとても気になっていましたが、そんな事は聞く事もできませんでした。
何年かして母とふたり思い立って、家があった土地を訪れました。そこには何件かの建売り住宅が建っていていました。金木犀も沈丁花も、もちろんそこにはありませんでした。
私にとって金木犀の花の香りは、懐かしい子どもの頃の思い出と、ほんの少しの寂しさ。
いいにおーい♡
ケラケラ笑いながら、ふたりで花の匂いを嗅いだあの頃。
可愛い小学生の大切な思い出。
𓂃𖤥𖥧𖥣⋆*
おまけ
もうひとつ、真っ赤な椿の花も咲いていた我が家の玄関。つばきの花は匂いがほぼありません。ぼたっと花ごと落ちるので、あまり人気がないのがしれませんが、私はかわいいなと思っています。椿と似た"さざんか"をご存知ですか?
さざんかは、船橋市の花です。つばきの仲間だと思うけど、つばきと違って花びらが散ります。甘くて優しい香りもします。
文京区にあるホテル椿山荘東京では、期間限定で素敵なイベント開催するとか♡
100種類1000本の椿があるそうです!
幻想的で素敵です♡
『お花とエッセイ』コンテスト❁⃘*.゚
こちらのコンテストに参加させていただいてます☺️
ともきちさん、yuca.さん、つるさんの素敵な企画✨
ともきちさんのお知らせを見て、ずっと気になっていました。コンテスト…というと気後れするし、私の記事がエッセイって言えるの?とか、色々自信がありませんでした。
あらためてともきちさんのコンテストの詳細を見てみると、自分がエッセイと思えばそれでいいとの事(。・о・。)!!
今日はいつもの息子ごとは封印して、私の子どもの頃の思い出を。
最後まで読んでいただきありがとうございました(*ˊᗜˋ*)/ᵗᑋᵃᐢᵏ ᵞᵒᵘ*