背骨を２カ所矯正したら、ウソみたいに世界が晴れた

普段から、首と肩のコリが辛くて鍼灸治療をしているのだけど、最高に相性がよい先生と出会った。

私の首がつっぱって90度も向けられなくなっている原因は胃にあることを見つけてくれて、首肩はほとんどノータッチ、胃とか肝臓だというあたり、肋骨にそったナニカをほぐされ、直後スーッとよくなった初診から、もう2年くらい通っている。まぁ、通うことをやめられない＝治ってないじゃん、と言われたらどうしようもないのだけど、職業柄仕方ないと割り切っているし、シンプルに心地よいので読み流してほしい。

そしてここ数ヶ月、また首のつっかえる感じが取れなくて通いつめていた。お灸をしたり、おなかに鍼をさしたり、頭にさしたり、いろいろ原因と思わしきところへアプローチをかけてもらった。

「んーこの歳でこれは、んーレアケースですけど、ちょっと改善がみられなすぎる…血液検査とかで引っかかったりしていませんか？白血球の量とか」

ただ体のつっかえを修復してもらいたいだけなのに、突如白血球の値を聞かれてゾワリとする。でも、東洋医学に精通しているとはいえ、根本を探そうとしてくれて、疑ってくれるのはとてもありがたいことだともおもう。

一生懸命考えてくれる先生をよそに、私は「もう治らないかも…」とかなり疲れていた。

「矯正をしてみませんか？背骨が変な方に向いてるんですよ」

そういわれて、背骨が変な方向いてるってどんなん、と思いながらも、私はその先生のもはや信者で、治してくれると信じているので二つ返事で矯正をすることを決めた。

「息を吸ってーはいてー」グウィン

いつもとわけ違う勢いで背骨付近を押される。正直言うと、怖かった。テレビとかで芸能人が矯正をうけているとき、カメラは骨が（関節が？）高らかになる音をいつも捉えている。音は気持ちいいけど、その行為が正しいのかどうか怪しいような勢いと音だ。

しかし、私も同じようにプッシュされたけどまったく音がならなかった。
心の中で「この人は鍼灸師であって、矯正は別に得意ではないのかも…」とちょっぴり残念に思いながらされるがままだった。

施術が終わりベットから起き上がると、あれれ、24時間不快に感じていた背骨と肩甲骨の間のモヤモヤが消えていた。ただ、疑いぶかい私は、この先生に施術してもらったからという洗脳もあるんじゃないかとおもっていた。施術後「変化ないです」なんて判断はできないし、「なんとなくよい気がします！」と返事するのが私の精一杯。

翌日。

漠然と死にたいと思う時間が1秒もなかった。

自殺を考えているわけじゃない。ただ、なんとなく生きてるのが辛いというどうしようもない気持ちに襲われることが度々あって、仕事中、眼球に涙の膜がはる日もあり、どうしたものかと。

そんな時間が5分だけだとしても、とても辛くて、でも死にたいと言えるわけもなく、ただその5分をただ生きることでやり過ごすしかない。
そして、その5分のあいだは「うん、病院いこう…」と思うのだけど、そうじゃないときに病院へいく気にもなれずの繰り返し。

背骨の向きがどうやら治ったらしい。
背骨には自律神経をつかさどる神経がいっぱいあるから、影響を受けやすいんですよ、と先生はよく言っていたし、そんな本もよく目にする。

矯正をしたら、死にたいと思わなくなった。

ただの一回で、たまたまその日に悪い思考へいかなかっただけかもしれない。それでも、その1日は背筋がぴんと伸びるようで、まぶたもいつもより持ち上がっているような気がした。

その2日後。

23時で眠れた。不眠症ほどではないかもしれないけど、2時、3時ときに4時まで眠れないことが日常で、枕の位置を治しては目を閉じ、それでも眠れなくて携帯で時間をみてしまう、そんな繰り返しで、眠るというより寝落ちるという感覚が近かった。

だからいつも眠たくて、眠たいのに眠れない、なぜなら首の位置が定まらないから。それが、23時で眠たいと思い、携帯を伏せたあとどうやら私はすぐに眠っていた。寝ようと思って寝れたのは、いつぶりだろう。

その眠りから目覚めたのが今朝だ。ちょっと、泣きそうになった。

完全に治ったわけではない。でも、突破口が見えた。
骨をちょっと動かしただけで、こんなに晴れやかな気持ちになるって、骨、すごくない？

体を一度解体して、組み直してほしいと思うけど、そんなことは不可能なので、自分に合うとおもう施術で、整えてあげたいと改めておもった。

もう少し可動域が広がったら、ストレッチとかヨガとか、セルフメンテナンスしていくことも大切だろうけど、そういったことを考えられるようになるまで、先生にゆだねたい。私にとってのゴッドハンドが、通える距離にあるのだから。

明日は土曜日だ。期待しすぎず、でも今日のような深い眠りに、アラームをかけない朝をむかえられたら幸せだなぁ。