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『しにたい気持ちが消えるまで』を読んで
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素晴らしい本だった。
一人の女性が力強く生きていく姿、読んでいても圧倒されてしまう。
ここまで生命力に溢れていながらなぜ飛び降りたのだろうと読みながら考えてしまうこともあったけど、多分それはマトを外している。
このような生き様もあるのだと読者に提示している。
「飛び降り自殺を決行したものの、後遺症を負いつつ生きていくことになった」という点で、私はどうしても自分自身と重ね合わせてしまうパートもあった。
特に病院へ搬送されてからの地獄のような展開は否応無しに自分が飛び降りた時のことを思い出させた。
痰の吸入の過酷さ。
水も飲めない不自由さと、全身にわたる麻痺…私の話になってしまうのだけど、全身が麻痺している状態で、食事もトイレも全介助だった時のことを思い出した。
この本を読んでいて、豆塚さんが自身の障害に対してとても淡々と対応していっているように感じた。
飛び降りたことへの後悔や障害の受容がどのようなものだったのかは、本当のところは本人にしかわからない部分なのかもしれないけど、読んでいて辛くなるような苦痛に満ちた内容ではない。
そこが不思議と読みやすかった。
何よりまだ10代だった彼女が、これからの自分の人生を見据え、大人たち相手に一歩も退かずに話し合っている場面…なんというエネルギー。
車椅子バスケやいろんなことに挑戦していく様子は、「こういう生き方もある」「気持ち次第だ」と思わされる。
最初に私が豆塚エリさんに関心を持ったのは、飛び降り自殺未遂の経験がある人という共通点があったから。
本を読み終えた今では、自分とはまったく違う人間なのだとやはり思う。
同時に深い尊敬の念を抱きました。