異人たちとの夏
📗『異人たちとの夏』
山田太一
1987
1988:映画化・監督大林宣彦
2023:イギリスで再映画化
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人気シナリオライターである原田は妻子と別れ、マンションに一人暮らし。ある晩、同じマンションの住人であるというケイという女性が、飲みかけのシャンパンを手に部屋を訪ねてきた。「お近づきのしるしに、と思って」。一晩一緒に過ごしたいと言う。この日に仕事をも失いかけ、不機嫌だった原田は、彼女を冷たく追い返した。数日後、原田は幼い頃に住んでいた浅草に迷い込み、幼い頃に死別した父母とそっくりな夫婦に出逢った。原田は少年の心取り戻し、ふたりの元へ通い出す。ある日、そこで、その迷い込んだ先で、ケイを。あの晩に訪ねてきた不思議な女ケイと再会する。次第に原田は、同じマンションの「305号室」に住むというケイと愛し合うようになる。
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主人公「原田」は作者「山田太一」と同じくテレビドラマの脚本家。執筆時の年齢も同年代である。また、故郷も同じ浅草で、「原田」は12歳の時に両親を交通事故で失った、との設定となっている。(山田太一は10歳の時に母親を亡くしている。)