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吉里吉里人


井上ひさし 1981
上野発仙台行きの夜行列車「十和田3号」が突然急停車。猟銃を構えた男たちが乗り込んで来た。
東北の一寒村、吉里吉里村が突如日本から分離独立を宣言、「吉里吉里国」を名乗ったのだ。たまたまこの列車に乗り合わせた三文作家の古橋は、ネタを掴む千載一遇の好機とばかり、同行の編集者共々この「小国」に外国人として滞在することを申し出る。

吉里吉里国は誕生から崩壊まで僅か36時間ですが、ありとあらゆる手法を駆使して書かれたこの物語はハードカバー二段組みで八百ページを越す長さ、にも拘らず当時百万部近い大ベストセラーになりました。社会現象にもなり日本各地に「吉里吉里国」を真似た小国が実際に生まれました。国家名、地図、紙幣の発行など。

「吉里吉里国」の独立宣言。未曾有の事件に狼狽し対応に戸惑う日本政府。殺到するマスコミ。やがて、この狂気の沙汰と思われる独立騒ぎが、実は綿密な計画の元、周到に進められたものだったことが次第に明らかになる。・・・・秘密の切り札も持っていた。

吉里吉里国に入り込むことに成功した古橋は、誕生した小さな国の動乱に関わっていき、そして、時局に流されるがままに、一国崩壊の現場にも立ち会うこととなる。

「独立」って難しいものだと感じます。
大きなものは「国」だけど、
身近なところにも沢山の「独立」の形があります。
〜からの「独立」、いつかは「独立」。
目標、希望、夢・・・・。
支える人は、心良く応援していただきたいものです。
(  悪しき心を持たずに )

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