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『雪女YUKI-ONNA』
📓『雪女YUKI-ONNA』
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)
『怪談(kwaidan)』1904 より
(日本の伝説・奇談に魅せられた小泉八雲の傑作物語)
「武蔵の国のある村に茂作、巳之吉と云う二人の木こりがいた。この話のあった時分には、茂作は老人であった。そして、彼の年季奉公人であった巳之吉は、十八の少年であった。」
❄️吹雪の夜
❄️白い着物の女
❄️雪女との約束大人になった巳之吉
❄️お雪
❄️働きものの女房
❄️破られた約束
❄️消えた雪女
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雪女の伝承は、日本各地に伝わるお話で、地域によってお話の内容が異なるほか、登場人物や雪女の姿、雪女の名前などに違いがあります。雪女の歴史は古く、室町時代にはすでに伝承がなされていたようです。岩手県遠野地方では、小正月の夜か満月の夜にでてきて遊んでいくといい、青森県西津軽郡では正月元旦にたずねてきて、最初の卯の日に帰ると語っているように年神さまと同じように考えられていました。それが信仰ののほろびとともに妖怪になったと考えられます。近年童話や絵本などで描かれる雪女は、小泉八雲が妻のセツから聞いた雪女の話を再話して1904年に刊行されたこの『怪談』のなかに所収された物語を基にしていることが多いです。
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ハーンの妻セツは松江の士族として生まれました。幼い頃から物語が好きで、大人たちから昔話や民話、怪談話などを聴いて育ちました。明治維新により家は没落、セツの夫は貧しさに耐えかねて出奔。困窮の極みのなか、1891年、家族を養うために英語教師のハーンの家の住み込み女中となります。セツとハーンは「怪談話が好き」という共通点があり、すぐに惹かれあって結婚しました。セツは日本語が読めない夫のリクエストに応じて日本の民話・伝説を語り聞かせました。
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「…わしはその時、今のお前のように綺麗なそして色白な人を見た。全く、その女はお前にそっくりだったよ」…
仕事から眼を上げないで、お雪は答えた、──「その人の話をしてちょうだい。……どこでおあいになったの」
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昔話には「約束を破ると幸福が離れていく」いうお話が多い。
きっと、小さき子らへの「優しい訓示」なのです。
(『幸福』を得ることは難しいのです)
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…(そして実話)セツは夫ハーンの執筆活動の最大の協力者となり、三男一女をもうけて生涯仲良く暮らしました。
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