『味』秋山徳蔵
📙『味』
(天皇の料理番が語る昭和)
秋山徳蔵 1955
新版 2015
郷土料理を味わっていただく機会ができたのは、たいそう喜ばしいことである。私どもも、なるべく、その土地土地の風味を加えたものをと、献立に注意している。
北海道 さんま、ほっき貝
秋田 しょっつる
岩手 じんぎすかん料理(小岩井にて)
青森 りんご
福島 くるみ、ぜんまい、油揚の和えもの
山形 なめこ
金沢 ゴリのお汁
富山 いかの黒づくり
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京都 松茸、丹波の栗
大阪 鯉
長野 手打そば 《←ここ!》
静岡 甘鯛
岐阜 鮎のうるか
桑名 はまぐり
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著者の秋山徳蔵は、宮内庁の主厨長、いわゆる「天皇の料理番」を長年にわたって務めただけではなく、日本に本格的な西洋料理を紹介した人物として知られる。1888年、福井県に生まれる。西洋料理との出会いは、地元の陸軍連隊でのこと。ステーキ、牛乳で作る白いソース、緑色に透き通ったゼリー・・・。陸軍炊事係の兵隊から聞かされた話は、秋山少年を虜にしてしまう。16歳で上京、華族会館料理部、築地精養軒、三田東洋軒を経て、1909年に渡欧してフランス・パリへ向かった秋山は、博識広聞、ついに地元の最高級レストランで腕を認められるまでになる。帰国後、昭和天皇の料理番として台所を預かることとなる。
「昭和天皇の食事内容は驚くほど素食」と書き記す。国民が耐乏生活を強いられていた戦時中も、国民同様の食事を取っていた、さらにひどいものを召し上がった、陛下はたいそうお痩せになった、と打ち明けている。普段は素食が並んでいた皇室の食卓だが、これが、祝賀、儀式、外国貴賓を迎える際の宮廷料理となると話は別となる。豪華なメニューの内容は、この本に目を通して、活字からの空想で味わうことができる。
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