天国にいちばん近い島
📙『天国にいちばん近い島』
森村桂 1966
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ずっとずっと南の地球の先っぽに
天国にいちばん近い島がある
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🏝️一年中花が咲き、マンゴーやパパイヤがたわわに実り、病気もなく泥棒もいない。
父は幼い「私」に「天国にいちばん近い島」の話を何度も語ってくれた。やっと就職した出版社でも失敗ばかり繰り返し、すっかり劣等感に浸っていた「私」は、父が与えてくれた夢を実現することで自分を立て直そうと思い立つ。「私」は一面識もない船会社の社長あてに手紙を書いた。その手紙は社長の心を動かし、「私」は単身ニューカレドニアへ旅立つことになった。
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「天国にいちばん近い島」はきっと「ニューカレドニア」にちがいない。死んでしまった父に、また会えるかも知れない。母が寂しがっていると言えば、父は、心地よいその島暮らしを捨ててでも戻ろうと思ってくれるに違いない。そして、神様の目をぬすんで、こっそりと父を連れて帰ればいい・・・。
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森村さん自身の体験をもとにした旅行記で、感動に支えられたリズミカルな表現力で、同世代の若者たちの共感を呼び、青春文学作家としての彼女の出世作となりました。
1968 NHK朝の連続テレビ小説「あしたこそ」原作
1984 映画化 原田知世:主演 大林宣彦:監督
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ニューカレドニアに着いたはいいけれど。
赤土ばかりに覆わた貧弱な島の様子と、予想外に冷たい日本人たち。すっかり幻滅した「私」だったが、「私」の素朴な善意と好奇心は、次第に日系人や原住民たちとの間に暖かい交流を生んでいった。彼らの好意に包まれながら、この島が、もはや自分にとってかけがえのないものになっていることを「私」は感じるのだった。
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さようなら、ニューカレドニア
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