22.こっちは、もう夏が終わるよ。
99匹のうちの1匹
夏の終わりの気だるさ。
突き進んだ時は一瞬で、その先の揺れる道を見る。霞む視界の先には、明日の詰め放題のような明日を覚えた。
扉の向こう。
物語の先の。
熱を帯びたカラダを、周りの熱気のせいにして、余韻に浸りたい。それはまるで憚られるような、人。人。人。。
早熟を持て余すだけの人生を、見ていたくないだけ。試験管の隅であぐらをかいて冬を待つ。夏眠がなかった、特別な“夏”だから、一昨日も、その前も、ずっとまわりつづけていたい。
無の中のぼくと、まわる 車輪。
まわり続けるそれをぼくは、遠くから、眺めているだけでしかないこと、
それがやけに嬉しく感じること、
気が付いたら、違う車輪の中で、僕はまわり続けていた。
まだ旅の終着駅には遠いから、明日、線路の上を歩きたい。
早く夏なんて終わればいいと、いつまでも願い続ける。