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20.書き尽くした先を見据えて

 99匹のうちの1匹

すべてを生み出した先の、 無 に向かっている。

私たちの生活に意味を考えて、意味見つけられないまま死んでいきたい。
そう僕は言ったけど、本当に彼は同意してくれるだろうか。否定、ということに恐怖を感じるのは、僕が詩人ではないことの証明のような気がすると、縛られている。縛られた先の機械音は僕の知らない音。

ずっと、緑色の海で泳いでいたかった。
僕はカナヅチ。遥か先を考えたって暗闇に呑まれるだけで、解答は見つからない。僕はそれを知っているけど、だけど、見つけたいとひまわり畑を縫うように走った。
真似事の終焉はないのかもしれないけど、それでもあの日を思い出して太陽の下で焼け焦げてしまいたい。
化膿した夏の前で、ダンスパーティの準備だけが行われて、明日、夏が終われば良いと願った。


努力の向こうの先でハーシーが笑ってる。
僕は泣きじゃくったまま崖の上にいて、彼女も、向こう岸の崖の上にいた。