23.追い追われ、吐き出すまで
99匹のうちの1匹
追いかけていたはずのものに、追いかけられるようになること、それが、本当に“幸せな事”なのか、ぼくには少しもわからなかった、だから、だからぼくの中にくすぶる非望は手のひらの上に乗るほどで、そのまま死んでしまった方がいいに決まっている、と君は言ってくれるだろう、
朝焼けの中の一酸化炭素は、まだぼくの中には少しも入ってくれなくて、冷たくなったCO2を肺に詰めている、
君が明日を越えるまで
死際の快楽がまだ残っているから、ぼくらは死を恐怖してしまうのか、それとも、待ちぼうけみたいな夜がまだ終わらないからだろうか、どちらにせよ、ぼくは知らない誰かの訃報で悲しくなってしまうほど、そのこころをぐちゃぐちゃにしている、君の訃報を、冷静に聞くために