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#詩人

詩「ふゆのさむぞら」

詩「ふゆのさむぞら」

きれいだね
つめたいかぜは

ゆきのふりそな
つんとした

すました顔して
とびまわる

はしった体は
じんとして

ぽっぽとほてって
あかくなる

きれいだね
あかいおてては

きれいだね
ふゆのさむぞら

                  平成22年1月作

詩「雨音」

詩「雨音」

雨は深い
雨は静かだ

音が
鳴り響いているのに

そのはずなのに静寂で
ただ
静寂で

意識が
ズブズブと沈んでゆく

ああ
雨は静かだ

ざあざあと流れこんで
窓枠からも染み入って

頭の中に
意識の底に

ズブズブと沈みこんで
ざあざあと流れこんで
洪水のように渦をまいて
水滴がポタリポタリと

入ってくる
私の中に

満ちてゆく
心の底に

乾いた砂が
水をほしがる

雨音がよびよせる

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詩「一大事」

詩「一大事」

教室で
電車の中で

授業中に
就寝前に

詩が
ノックする私

「あのう
お取り込み中すみません」

そう言って
やってきた詩に

「こんなときに出て来るな!
帰れ!帰れ!!」

なんてこと
私には言えない

出てくるだけで
ありがたや


メモするべし

そうしてその場で
推敲を開始する

授業の中身も
電車の音も
眠気の虫にも
サヨウナラ

こっちの方が
一大事

別世界で
脳みそフル回転

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詩「よるのひだまり」

詩「よるのひだまり」 空みつえ

よそのこどもの
こえがする

おさないこどもの
わらうこえ

よるに
ひだまりができた

それくらい
うれしくなる

しらないうちの子
なのに

かおもみないのに

にんまり
たのしくなる
                    平成22年7月