路地裏の先の案内人
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読み:14歳程度の少年
お姉ちゃん、ここの人じゃないでしょ。
見れば分かるよ、そのスーツシワひとつ無いから。
ここじゃそんな人いないよ。
で、ここに来るのは初めて?
いいよ、案内してあげる。
(遠くから少年を呼ぶ声)
「なに〜? おじさん、今日はいらないよ〜!」
あのおじさんはね、世話焼きなんだ。
ここに住んでる子どもの面倒をよく見てる。
僕はもうそんな歳じゃないんだけど…
え?思ってたのと違う?
何が?
もっと怖い人たちばかりだと思ってた、って?
やだなぁお姉ちゃん、失礼だよ〜。
…なんて、そうだよね。
外の人たちはみんなそう思ってるんでしょ?
凶悪な犯罪者が隠れ家にしてる、迷い込んだら身ぐるみ全部剥がされて追い出される、人を喰ってるやつがいる。
お姉ちゃんが聞いたウワサはどんなウワサ?
ここはね、表の街で生きていくことが出来なくなった人たちが多く住んでるんだ。
だからそういう噂が流れるのは仕方ないんだろうけど、ぜーんぶウソだよ。
ここにいる人たちはみんなお姉ちゃんたちと同じ人間。
ちょっと人間関係でやっていけなくなったり、生きていくのに疲れちゃったりしてここに辿り着くんだ。
だから来る人はだいたい元気の無い顔をしてる。
でもね、みんながその傷を一緒に治そうとしてくれるんだ。
みんな優しいよ、1人じゃ耐えられないような痛みを感じたことのある人たちばっかりだから、分かるんだろうね。
お姉ちゃんは何しにここに来たの?
人探しかぁ、どの人かもう分かってるの?
この写真に写ってる女の人?それならよく向こうの角を曲がった先のバーにいるよ。
それじゃ、僕はここまで。
この人から知りたいこと聞けるといいね。
…それと、目に入っちゃったまつ毛も取ってもらいなよ。
僕はお姉ちゃんが何か困ってるってことしか分からないけど、彼女ならきっとその先も見つけてくれるだろうから。
またね、困ったら来なよ。
もっと案内してあげるから、この町を。