クリスマスの夜
1人用台本
読み手女性向け
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君と最後に会ったのは夏の前。
最初はこんなに長く会えないと思わなかった。
ひと月過ぎた頃はいつ次に会えるのか待ち遠しかった。
でも君は忙しそうだったから我慢した。
あんまり早くなかったLINEの既読もどんどん遅くなった。
私に返信しようとしたら見たくないグループも見えちゃうから仕方ないよね。
いつしか夏休みになってた。
1日くらいは会えるかなって思ってたの。
でも会えなかった。
大きいお休みのときって課題も大変だものね。
秋学期に入った。
君と休みが重なる日、無かった。
ほんの少しでもいいから会いたかった。
君が駅から家に帰る間だけでいいから。
でも何時に帰ってくるのか教えてくれなかった。
悲しかった。
でもね、ある日学校の帰り、君が向かいのホームに見えた気がしたんだ。
すぐにLINEした。
君から「僕だったかもしれないね」って返ってきた。
返信はその日じゃなかったし、私が欲しかった返事でもなかった。
だから前にデートしたところに行ったら少しは満たされるかなって思ったの。
2人で行ったあのご飯屋さん。
お腹はいっぱいになったけど何か物足りない。
2人で行ったあのお土産屋さん。
君が買おうか悩んでたもの、もう無くなってた。
私が好きなもの、お金を気にせずいっぱい買った。
いつか会う日のために君へのプレゼントも買った。
でも隣のカップルがどうしてか羨ましかった。
私にも君がいるのにね。
君にプレゼント買ったよってLINEした。
ちょっと遅かったけど、嬉しい返事が返ってきたよ。
私の中では会うための手段でしかなかったかもしれないけど。
君へのプレゼントを抱えて、いつ会えるかなってカレンダーを見たの。
そしたらもう12月だった。
眠れない日、君のことを考えてたら我慢ができなくなって寂しいってLINEした。
返信が来た。謝られた。
でもどうしても忙しいって書いてあった。
いいの。どれだけ待つことになってももう寂しさは溢れて溢れてる。
それなのに。どうして好きも溢れてるんだろう。
これだけ待たされてるのにどんどん君のことしか考えられなくなる。
私の溢れた心、君にしかすくえないみたいなんだ。
私の体は溢れた心でびしゃびしゃで、冬の夜じゃ眠れない。
どんどん夜は長くなる。
君が好きだから、夜が長くなる。
長いクリスマスの夜よりも、もっと長い夜。
君がくれた最後の返信は1週間前。今日は12月25日。
待ち望んでいたはずのクリスマスの夜が終わらないの。
君が居ないから、終わらないの。