水瀬そらまめ

詩と小説の創作

水瀬そらまめ

詩と小説の創作

マガジン

  • 詩集 月光読書 弍

    何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/

  • 小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主

    オリジナル長編ダークファンタジー小説(完結済みにつき随時更新の予定)砦の王子と天使の魔法世界。全55話、約16万文字

  • 【短編小説】惜陰の城

    小説賞に出したものの落選になったけれど自分としてはよくできたものだと思うので、ここで読めるようにしました。オカルトファンタジー。天使と亡霊の話です。

  • 小説 Lento con gran espressione

    月子は亡くなった大叔母から小さなお屋敷を譲り受ける。そこには花の咲きみだれる美しい庭園があった。大叔母は何故月子に家を残したのか?そんな中、ひょんなことからとあるピアニストの青年と出逢う。彼は大叔母の友人だった──。

最近の記事

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【詩】東京の蜻蛉

青緑  冷たい色の透明硝子 亀裂したこちら側とあちら側      空間と空間 ある日 他人との「壁」 を 感じました 透明な意識が割れた瞬間でした    リリン シンセイ リリリリリ 落ちたフォーク 鉄の音にビクりとし 足元がすくわれるような気持ちで道を歩き 背中を丸めました                  転がっている二匹の蝉の腹眺めながら   意識を時空にとどめて感じてみた結果です 今日も終わる 明日も同じ明日 お互いを引き裂くように 今日と明日を別けて始まるの

    • 孤独

      寂しさも哀しも いつかは海岸岸に辿り着く 何時だって 明日が幸せだなんて 思えない日常の中 盛大に泣いて泣き散らかして 通り雨の中心で佇む 知らないけれど きっと気づいてないだろうけど 独りが怖い それはどうしようもないくらい 確実な答えで なのに誰も気づかず過ぎていく 抱きしめて欲しいのは 誰かじゃない それは今のここに居る自分なのだ

      • ラ♭

        憂鬱な気分の日は雨の中 傘もささずに歩くのさ そうすると昼日中の景色が 懐かしくなる 君の声も懐かしくなる 綺麗な音楽を聴いて 懐かしくなるね いつの日か こんな日々が当たり前じゃ 無かったことを知るのさ かまわないと思っても そんな酷い事言わないで さよならは君には似合わない 明日虹が出るよ こんな天気な日は 願おう この世の平和を 君の幸せを 君がどこにいても なにをしていても どうか幸せでいますよう フラットの日々の過ごし方 いつか願おう 雨の日こそ楽しいもの

        • Panasonic VITALIFTの効果

          先日は誕生日でした。 ついに来たというか、いよいよ本格的に老いて来ました。 白髪は鼻の穴にも増え、唇の上には細い皺、頬にシミ。 萎れた頬。 一年前と比べると全く違う。 こんなに変わるのかというほど変わりました。 悩んでいたら、夫がパナソニックビューティーの ヴァイタリフトを買ってくれました。 11/1発売。8万円なり。 せめて、せめてこの弛んでしまった頬を引き上げたい。 いやいや整形でもしないと無理だから。 分かってますよ、でも整形は怖い。 一度始めたらずっとやっていかないと

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        【詩】東京の蜻蛉

        マガジン

        • 詩集 月光読書 弍
          62本
        • 小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主
          8本
        • 【短編小説】惜陰の城
          1本
        • 小説 Lento con gran espressione
          9本

        記事

          小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【第五話 母との別れと謎(1)】

          夜空に三日月が浮かび、いくつかの雲が月にかかり通り過ぎていった。月影は春に咲いたばかりの花々を湿った色で映す。青芝の表面は白い霧の絨毯でおおわれている神秘的な夜の世界があった。砦の王・大公殿下は、長い間悶々としていたが、もうこれ以上考えるのはやめようと思った。 「結局なにをどう考えたところでこの問題は解決しないだろう」  思考することを諦めて、何度かため息をつき、手すりにもたれかかった。  瞼を閉じれば、黒髪の毛が後ろに流されて、耳元で風の音を感じる。近くで枝木の揺れき

          小説 呪いの王国と渾沌と暗闇の主【第五話 母との別れと謎(1)】

          【歌詞】冷たい君の涙

          冷たい君の涙 本当に 僕が好きなの あの時の 丘に登って 考えてみても わからない ああ、言葉が風に乗って 飛んでいく ああ、どうしてこんなに 流される 心が 追いついていかない やっとここまで 辿りついたのに 風船が 空を 登っていくよ 勇気出さないとならないのかな 冷たい君の涙 本当に 僕が好きなの わかっている わかってるんだ 僕の方から さよなら 言わないと いけないんだって 君は いつだって優しくて ああ、僕を置いていくこともできない ああ、僕をひとりにで

          【歌詞】冷たい君の涙

          【詩】モノクロ・フラッシュ

          明日の勇気を見つけよう  挫けてしまった自分へ思いっきりけりをつける時  構わないと電車を見送る時  誰かの背中に背中を向ける時  悲しさを見破られまいと涙を押し殺す時 貴方が私にしてくれた 突然のフラッシュに 笑顔のフラッシュに感謝する  それは過去であって現在ではない 窮屈な都会の景色に目を奪われて 電車の外の看板を見つめ 窓に映った自分の疲れた顔を見つめて 通り過ぎる人たちを横目に  どんな時だって  貴方は勇気をくれたあのどうしようもない視線  あの青空を

          【詩】モノクロ・フラッシュ

          【小説】Lento con gran espressione(9)

           あきる野さんの家はすぐに見つかった。五軒先の大きな家だったが残念なことに不在だった。三人で何度も駐車場をのぞ着込む。何度見てもいないのに。 「車ないね、でかけてるんだよ」  春菜ちゃんもわたしもがっくり肩を落とした。町田までの道のりで菅野くんには、ピアノの上のブーケと写真のことを伝えていたので、いったん家に入って三人で写真を見ることにした。美しいピンクの薔薇が出迎えてくれる小道を歩いて家に入った。あきる野さんが手入れをしてくれているのであろうか。わたしはグランドピアノの

          【小説】Lento con gran espressione(9)

          これからもよろしくです。

          この記事はある程度期間が過ぎたら削除するつもりで書きます。 内緒的なエッセイは勇気が入ります。 私は今、小説を書いています。純文学です。 でも今までの気持ちとは志が違います。 今まで私は誰かに認められたいという承認欲求の塊でした。 でも書かない期間を設けて感じたことがあります。 やっぱり何か表現したい。 自分が思っている以上に「書くことが」好きだったのです。 そして一から勉強することが楽しくなって来ました。 どの投稿サイトでも大していいねが着かない。 応募しても予選

          これからもよろしくです。

          感情に任せて書くのは詩じゃないと言った詩人がいた。それならば自分の詩は詩ではない。俯いて悲しくてどうしようもなくて、そんな詩もあっていいんじゃないだろうか。ダメなのか。

          感情に任せて書くのは詩じゃないと言った詩人がいた。それならば自分の詩は詩ではない。俯いて悲しくてどうしようもなくて、そんな詩もあっていいんじゃないだろうか。ダメなのか。

          【散文詩】愛するのは子守唄

          しっとりと汗のついたシーツを剥いで ベッドから起き上がった 隣には寝息をたてる男がいた スマホがふいに鳴る 直樹からだ 男の大きな背中がみじろいだ そっと立ち上がって それを持ってバスルームに入る 直樹は子供みたいな大人だった 薫がいないと眠れない そうねむたげな声で呟くのだ 私はくすりと笑って歌った 赤ちゃんに歌う子守唄を しばらくすると鼻息が聞こえて来た 眠ってしまったようだ ドアの向こうからいびきが聞こえてきた なぜだろう 涙がこぼれ落ちた 直樹に会いたい 会ってハグし

          【散文詩】愛するのは子守唄

          【詩】人生

          通り雨が来るでしょうか 外は雷が鳴っていて恐ろしい 川のような道路に海の水が混じって 泥のよう 息をし息を繰り返す 生きようとしもがき苦しむ 生き方の問題だと言われた 外ではあいかわず雨 ラ音♭が窓に打ちつける 無我夢中の人生って とても気恥ずかしい 決してスマートじゃないから 誰かに許してもらうには 歳を取りすぎた 許してとたくさんの人達に 伝えることができたなら そんな私もまだ誰かに必死に 愛されたいと思っているのです 通り雨が来るでしょうか 外は雷が鳴って恐ろしい

          【詩】あの丘で待っている

          明日みる夢は遠くなれど 昨日の夢は背中に迫ってくる 道筋は違うなれど 皆同じ頂へと向かっている それは山のようで丘のようで あの輝く太陽を拝みたくて 登っているのだ 清々しい風が頬に吹いてくる たおやかに揺れる花々が 芳しい香りを放ち 極楽を想像させる 君は知っているかい どれだけ大事な人がいるのかを 緩やかな景色の中 手を振っている人たちがいる ありがとうをいう人が あの世界で待っている

          【詩】あの丘で待っている

          詩人になることにした

          なんにせよ、何か一つのことを長い間続けるのは難しい。 それがどんなに努力しても報われないのなら特に。 私は20歳の頃から小説を書いてきた。 長かった。疲れてしまった。 選考に残ることもあったが、ぬか喜びになった。 もう小説を書くのをやめようと思う。 そして詩人になるのだ。 詩人なら孤高という言葉も美しく輝く。 詩なら溢れてくる。 しかし途中まで書いていた小説が一つ残っている。 それを仕上げよう。 それで終わりだ。 詩のように天から降ってくる現象があるのなら それで幸

          詩人になることにした

          【詩】すみれ

          すみれ すみれの花が咲いたよ 美しく 可愛い花だよ あなたに横顔が似ているよ 気高さが似ているよ いつも話してくれた 優しさのひとときをくれるんだ 振り返った過去が 後悔と共に押し寄せてくる あの時もっと優しくしておけばよかった あの時もっと素直になっていればよかった いつだってあなたは あなたらしかったね いつだってあなたは 変わらなかったね すみれの花が咲いたよ あなたに似た花だよ いつまでもいつまでも 変わらぬ花 まるであなたのよ

          【詩】すみれ

          【散文詩】私は私らしく

          夢子よ、夢子、いつもそばに居ておくれ。 年老いた祖母が私に最後、語った言葉だった。 あれから随分経って、私は15歳になった。 今、熱烈な恋をしている。 真斗くんはクールで私の気持ちを知ってか知らずか いつも冷たく接してくる。 部活にも身が入らない。勉強も然り。 私は恋愛に身を投じている。 このまま歳をとって大学生になっても 真斗くんのことを好きな自信はあった。 卒業式になって真斗くんにボタンをもらって いよいよ告白した。 結果、玉砕。 私は地元の大学に何とか入学できたけど

          【散文詩】私は私らしく