【散文詩】愛するのは子守唄
しっとりと汗のついたシーツを剥いで
ベッドから起き上がった
隣には寝息をたてる男がいた
スマホがふいに鳴る
直樹からだ
男の大きな背中がみじろいだ
そっと立ち上がって
それを持ってバスルームに入る
直樹は子供みたいな大人だった
薫がいないと眠れない
そうねむたげな声で呟くのだ
私はくすりと笑って歌った
赤ちゃんに歌う子守唄を
しばらくすると鼻息が聞こえて来た
眠ってしまったようだ
ドアの向こうからいびきが聞こえてきた
なぜだろう
涙がこぼれ落ちた
直樹に会いたい
会ってハグし