「どうしてわたしはあの子じゃないの」を読んで
寺地はるなさん
「架空の犬と嘘をつく猫」📕を
2024年6月に読んだ
人間模様繊細な心の動きが描かれていて、しっとりと読み進めることができた
おもしろかったので
今回は
「どうしてわたしはあの子じゃないの」📕
中学生だった3人のそれぞれの視点と
30歳大人になった3人の回想や現在の視点から書かれている
【心に残ったところ】
2019年、天
「たまに考える。自分が選ばなかった。人生と言うものについて選べなかった人生かもしれない。後悔しているわけでなく、ただどうであっただろうと考える癖がついている。」
2019年、五十嵐
「帰りたいな。時々そう思うことがある。
会社にいる時や自宅にいるときになぜか他に帰るべき場所があるような気がしている。
どこかに大切な自分の一部を置き忘れたようなそんな気がしてならない。
今いる場所が嫌なわけではないのに、
今の自分は幸せだと知っているのに、
なぜかそのどこかに自分のもう一つの人生が存在するような気がしてならない。」
「大人なのでわかっているつもりだった。
わかってあげようと思った。
中学生くらいの子供の不安定さというか危うさというか、それから人生の複雑さと言うべきもの」
【感想】
寺地さんの本は2冊目で
どんな方なのかなぁと調べてみた
⚫︎佐賀県唐津市出身
結婚し、出身地の佐賀から大阪へ出て
知り合いがおらず、子供もまだ小さかったため話し相手がいなかった
どんどん自分の中に蓄積していく言葉を吐き出すために小説を書き始めたそう
言葉が蓄積されていくのはすごく共感するけれど、こんなふうに小説という形にできることがすごい才能だと思った
みんな影響しあって生きているんだなぁと思った。中学生くらいの未熟さも含めた若さ
その時の自分のできる限り精一杯で考えて生きているんだと思った
田舎のすぐに噂が広まる感じとか出来事がリアルに表現されていて、すごくわかるなぁと共感
寺地さんも佐賀県出身だから、
田舎独特の風習とか雰囲気とか
天みたいに思うことがあったのかなぁ
それともそういう友人とか周りの人がいたのかなぁと考えながら読んだ
人との関わりとか人間の心の中の想いが
繊細に表現されていて
寺地さんの本って読みやすい。