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「自転しながら公転する」を読んで
これは2022年10月に読んだ
感想記録
「自転しながら公転する」
山本文緒
●二人の関係、周りの人間関係、世間体、親の病気、介護、将来設計、仕事、結婚
さまざまなテーマが集約されていた。
展開が気になり、分厚い本だったけど
一気に読み進めた。
●「都は彼に触れようとして手を伸ばした。
明日死んでも百年生きても、触れたいのは彼だけだった。」
●「別に幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ。」
(P477)
生きていくなかで、考えないといけないこと、考えてもどうしようもないことってたくさんある。人を羨んだり、妬ましくおもったり、不安でしかたなくなる時もある。
家族の形は変化していく。
変わっていってもいい。
自分を回転させながら、周りの人たちともうまく回転していかなければならない。
生きていたら、どこかで選択を迫られたり、周りの人の変化によって大きく展開がかわったりすることがある。
人と関わることがきっかけで
物事がより見えてきて、苦しくなったり辛くなったり、嬉しくなったりする。
都と貫一の関係を読み進めると、
こういうことってあるよなぁって共感しながらハラハラして読み進めた。
●山本文緒さんは2021年の秋
ガンで亡くなられたということを知って驚いた。
作品がのこって良かったし、
他の作品も読んでみたいなぁと思った。
【追記】
●3.4話くらいでドラマ化されていた
小説のドラマ化なのでどうかなぁと思ったけれど、キャスティングもよくて世界観が十分に表現されていてすごくよかった!!
●無人島のふたり
という本も読んだ
山本さんの最後の本、エッセイのような
闘病の様子がリアルに記されていて
切なくなる場面もあったけれど
読めてよかった。