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「からだに合った暮らし」を選ぶ

鈴木七重さんの講座で学んで、なるほどなぁと腑に落ちた表現がたくさんあるのですが、そのひとつが今回のお話。

激変した環境と、狩猟時代のままのからだ

まず、自律神経について。自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、交感神経はアクティブに活動している時に優位に、副交感神経はリラックスして休息しているときに優位になります。

それはシーソーのように、どちらかが上がっている時は、もう片方は下がっていて、そして必ずどちらかが上になっています。

交感神経が優位な時と、副交感神経が優位な時では体の状態がまるで違うのだけれど、その表現がとてもわかりやすいので紹介したいと思います。

交感神経が優位なときのからだは、狩猟時代でいう「狩り」モード

・獲物に集中し素早く捕らえるために目の瞳孔が開く
・全力で走れるよう心臓の鼓動は速く
肺は広がってたくさんの酸素を取り込んでおける状態に
・狩りに集中するため、主要な大きな筋肉と瞬時に判断するための脳、
 速く走るための心臓に、できるだけ血液を送り込めるよう
 血管を細くして末端に血をまわさないようにする。
・お腹がすいた感覚や消化に使うエネルギーは狩りには無駄なので、
 胃や腸の動きはストップして、唾液も分泌されない
・尿意も邪魔になるので、膀胱が拡大して、尿をためて置けるようになる。
脳も興奮して、集中力が高まり、血圧や、血糖値も上がっている状態。

「ゆるめる・温める・巡らせる」著:鈴木七重

この状態は私にも心当たりがありました。
仕事に集中していると、食べることもトイレに行くことも忘れていた
なんてことはよくあった。だからこれを聞いて「なるほど」と、腑に落ちて交感神経優位のときに体の中で起きていることをスッと理解することができたのです。みなさんも心当たりがありますよね。

副交感神経が優位なときは、無事に狩りが終わり安心してリラックスしたときの状態。

・しとめた獲物を食べるために、消化器系が働き始める
口から唾液が分泌し、胃や腸が動き出す
・心臓はゆっくりと鼓動し肺も収縮するので、呼吸は深くゆっくりになる
・筋肉、心臓、脳に回っていた血液を全身に戻すため、毛細血管が広がり
 末端まで流れ始める
・膀胱も小さくなり、動き始めた腸のおかげで、尿意や便意を感じる
・目の瞳孔は小さくなってゆったりと全体が見渡せるようになる。
・血圧や血糖値も下がり、脳はリラックスした状態に。

「ゆるめる・温める・巡らせる」著:鈴木七重

なんだか聞いているだけで体がゆるんできそう。
無事に狩りを終えて、獲物をみんなで分け合って、お腹が満たされ、星空を見上げながら眠りにつく。そんな狩猟時代の光景が目に浮かんできます。

朝日と共に起きて、日が暮れるにつれ少しずつリラックスをしていき、夜の訪れとともに眠りにつく……。そんな暮らしが毎日できていれば、自律神経は整い、不調なんてほぼ感じずにいられそうですよね。

500万年前から変わっていないからだの仕組み

大きな話になるけれど、人類が現れたおよど500万年前からヒトはこのシンプルな暮らしを繰り返してきました。

電気が日常で使われるようになったのは19世紀後半、たった120年ほど前。そこから急速に生活が変化したのです。

500万年を24時間とすると120年前はおよそ2秒前。ついさっきです。
たった2秒で私たちを取り巻く環境は激変しました。
特にこの数十年、環境はさらにものすごいスピードで変化していますが、
私たちのからだの仕組みは500万年前から変わっていません
からだの奥には原始の本能が力強く残っているのです。

「ゆるめる・温める・巡らせる」著:鈴木七重

あまりにも速いスピードで環境が変化していて、それにからだが対応しきれていないということ。からだの中の仕組みを変えることはできないから、より快適に生きるためには、私たち自身が「からだに合った暮らし」を選んでいく必要があります。

それを意識して選ぶ行動すべてがセルフケアと言えるのです。

交感神経が優位な時間が極端に長くなりやすい環境にいる私たち。もっともっとゆるんでいていいのです。まずは、日々の中でゆるめるケアをできるだけたくさん取り入れてみましょう。

その方法やきっかけをこれからもお届けしていきますね。


おわり


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