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【最新版】Webtoon、こうやって作っています!制作工程を全て公開!

日本で馴染みのある漫画制作というと、出版社所属の編集者と漫画家での制作を連想される方が多いかもしれません。

しかし、ソラジマではスタジオ型を取り入れて、分業制でWebtoonを制作しています。なぜなら、Webtoonはほとんどがカラーで制作されているため、従来の制作スタイルでは週間連載が難しく、各クリエイターの負担も大きくなるからです。

6〜7人のクリエイターさんがチームとなり、一つの作品を制作するスタジオ型(分業制)は自分の得意ポジションでスキルを発揮できるため、クリエイターの負担を減らすことができます。また制作工程がスムーズになるため、一定の高いクオリティーを維持しながら連載できるメリットがあります。

本記事では、Webtoon作品がどのような過程を経て制作されているのか説明していきます!それぞれの工程でどのような作業を行うのか、また担当クリエイターにはどのようなスキルが必要なのか、Webtoonの仕事に興味のある方々の参考になれば幸いです。



ソラジマのWebtoon制作のフロー

①企画
②キャラクターデザイン
③ネーム
④線画
⑤着彩
⑥背景
⑦仕上げ

それぞれの工程を担当するクリエイターさんがいて、リレーのように分業制で制作をしています。例えば、ネームが出来上がったら編集者がそれを次の工程である線画の担当クリエイターさんに渡し、また線画が出来上がったら次の担当へ渡す流れになります。

編集者は、企画から原稿が完成するまでのすべての工程においてディレクションをします。各担当クリエイターさんへの発注や展開するプラットフォームのレギュレーションチェック、締切設定などのスケジュール管理、完成原稿の検収など、編集者は作品制作の総責任者としての業務を担当することになります。


①企画

ソラジマでは主に、0からオリジナルの作品を制作しているため、まず作品の骨子となる企画を考えることから始まります。

編集者はマーケットやトレンドを分析してジャンルや大まかなテーマを決め、企画案を作成し、登録されている作家さん向けの公募を行います。公募で集まった企画の中で、最もマッチする企画書を提出した作家さんにコンタクトし、一緒にブラッシュアップしながら作りあげていくパターンが多いです。しかし、作家さんからオリジナルの企画を直接提出していただくことも可能です。

ソラジマの企画作家として「Webtoon Writer Room」へ登録すると、LINEやメールで編集者からの公募案内が配信されます!作家登録方法について興味のある方は、内容について詳しく紹介しているこちらの記事をご確認ください。

作家さんから提出された企画書が一発でOKとなり、審査まで通ることもありますが、より面白い作品にするために編集者と相談・議論を重ね、ブラッシュアップしていくことが多いです。一度決まったログラインや設定は、30話から長い場合だと100話まで続くストーリーの根本になり、簡単に修正ができないため、この段階でしっかり面白く練っていく必要があります。

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)の脚本シート

企画書ができたら、次は毎話毎話の脚本を書く作業になります。脚本も毎話編集者が確認し、ていねいにフィードバックを出します。執筆スタイルは作家さんそれぞれで、演出のディレクションまで書き込む作家さんもいれば、プロットのように状況とセリフのみで簡単に作成する方もいらっしゃいます。

下はcomicoとLINEマンガで連載中の作品『生意気殿下の家庭教師になりました』1話の脚本の一部です。こちらのシーンがどのような工程でWebtoonとして完成されたのかぜひ最後まで読んで確認してください!

エリシア<私は完璧な淑女だった>(ルビ・・・を入れて“だった”を強調) エリシア、壁際に立つローレン家の使用人を見つけ足早に暖炉の前を通る。

何者かがわざとぶつかり、斜め前に向かってよろける。
その先には暖炉がある。

エリシア「え」
エリシア<あの日までは>
使用人「エリシア様!!!」

暖炉前の金属のガードがひっくり返る「ガシャーン」という大きな音がする。


②キャラクターデザイン

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)のキャラクターデザイン
『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)のキャラクターデザイン

企画の内容が決まったら、キャラクターデザインに進みます。作品とキャラクターの設定をもとに、登場人物の見た目と時代背景に基づいた衣装や装飾のデザインを行います。主人公やサブキャラクターのほかにモブキャラクターまで企画段階で決める場合もあれば、制作を進めながらその都度にデザインする場合もあります。

この段階で決まったキャラクターデザインは、次の工程を担当するクリエイターさんに渡し、これをもとに制作をお願いすることになります。複数人で制作するため、迷わず作画ができるよう、衣装の色や柄・キャラクターを描く際のポイント・さまざまな角度と状況の表情など、かなり細かい部分までしっかり描きこみます。


③ネーム

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

キャラクターデザインと脚本まで出来上がったら、漫画の設計図ともいえるネーム制作に入ります。テキストをイメージにする段階で、どうすればこの脚本を漫画として面白く見せられるのかを意識し、制作していきます。

読者の行動が「読む」から「見る」になることを考慮し、読者の感情を動かすために、ネーム作家さんの「文字を視覚的に表現する能力」が問われる工程でもあります。

ネームの演出要素には、コマのサイズ・距離(ショットのサイズ)・アングル・色の調整・視線誘導などがあります。コマ間隔をあまり詰めすぎないことや、ふきだしを利用して視線を誘導することなど、縦で長いWebtoonならではの特徴もあります。これらの要素をうまく使いながら、脚本の中の一番の見せ場や強調すべき部分、または省いても良い部分などを判断し、サクサク読めるネームを作っていきます。


④人物線画

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

人物線画は、ネームの上にキャラクターを清書に起こす工程です。Webtoonはデジタルデバイスで展開されるので、線画は作品のクオリティーを決めると言えるほど大事なポイント!ムラのないきれいな線画の作品が、Webtoonの特徴です。人を描くのが好きで、さまざまなアングルでの表現や自然な表情描写に自信のある方におすすめです!

線画担当のクリエイターさんは、キャラクターデザインの情報をもとに作業をしていきます。量の多い作品では、同じ作品に複数名の線画担当がアサインされ、同時に作業を行う場合もあります。その際、担当者によってキャラクターの外見が変わってしまっては作品全体のクオリティーに影響が出るため、キャラクターデザインどおりに書き起こす「キャラ寄せ」のスキルが必要となります。

しかし、選考フローでクリエイターさんの個性が作品と合うかどうか、いわゆる「相性」を編集者がしっかりチェックしてから担当作品を決めているので、「そっくり描く能力がないとダメ」という訳ではありません。


⑤人物着彩

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

Webtoonは、モニターやスマホ画面で読まれることを前提に作り、ほとんどがフルカラーで制作されています。また、横読み漫画のように線で明暗を表現するとデジタル画面では複雑に見えるため、アニメ塗りでパキッとした立体感を表現します。

基本的には、キャラクターデザインにあるカラーパレットに基づいて色を塗っていきますが、クリエイターさんから「このドレスは袖と体の部分の色が違ったほうがわかりやすい」など、作品をより良くするためのアイディアを出していただき、修正する場合もあります。


⑥背景

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

ネームデータに記載されている時間や場所の指示に基づいて、作品の世界観を表現する背景を描きます。ネームの指示と人物の位置をしっかり確認し、シーンに応じた背景を制作していきます。「指示にはないけど、寒い地域の描写なので雪を積もらせる」といった、クリエイターさんが自ら作品を分析して背景を作画する場合もあります

最近は3Dアセットを活用し、豪華でよりリアルな背景を制作する作品が多いです。小物や建物を1から作る必要がないので、効率良く作業できる長所がある一方で、背景に3Dっぽさが残っていると読者の作品への集中を妨げる可能性があります。アセットが不自然に見えないように、キャラクターが違和感なく背景に馴染ませるように調整することがとても重要です。


⑦仕上げ

『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

仕上げは、着彩まで終わった原稿のクオリティーをさらに高めるための最後の工程です。光源・影・色味の調整をし、作品の雰囲気をガラッと変えることができるため、作品全体の雰囲気が決まる段階とも言えます。

ただきれいに、華やかにするだけではなく、キャラクターや背景をよりリアルに見せ、各コマの魅力を引き上げる作業です。そのため、担当するクリエイターさんには素材や色の選択、配置のセンスはもちろん、全体を把握する能力も求められます。

ジャンルによって仕上げのスタイルがかなり変わるのもポイント! 例えばロマンスファンタジー作品だと、花や後光を挿入してキラキラ感を出すことが多いです。男性向けのアクションジャンルでは、バトルシーンエフェクトを入れ、より迫力のあるシーンに仕上げることが多いです。


『生意気殿下の家庭教師になりました』(©️奥田たすく/SORAJIMA)

今回はソラジマのWebtoon制作フローをご紹介しました。『スタジオ型って何?分業制って?』と疑問に思っていた方々の理解に、少しでも役立てれば嬉しいです。

一つの作品を作るためにはどの工程も欠かせなく、すべてとても重要です。ソラジマの編集部は、作品に関わっているクリエイターの皆さん一人一人に感謝の気持ちを持ち、各クリエイターさんの才能が最大限に発揮できるよう、全力でサポートしています。

現在、ソラジマでは「今世紀を代表するコンテンツを創る」というミッションを一緒に目指す編集者・クリエイターを募集しています!

「ストーリーを考えて演出するのは苦手だけど、人物を描くのは得意!」「線画はあまり得意ではないけど、カラーリングには自信がある!」など、得意分野に集中してスキルアップしたい方、特技を活かして作品制作に携わりたい方、ぜひご応募ください。

読者の心を魅了する素晴らしい作品を一緒に創り上げるクリエイターさん、未来の編集者さんとの出会いを楽しみにしています!

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