【組織開発日記】ソラジマ組織開発の向かう所
要約
「組織開発」の目的は事業計画の達成。
他組織と違う観点の目標を置いてしまうと、日常の価値観がずれる。
短期では、事業計画達成を阻害しそうな組織課題を誰よりも知る部署に。
この組織開発日記について
ソラジマで組織開発部の担当をしている樋口です!
これからたまにソラジマの組織やカルチャー、組織開発部の取り組みについて自由に色々と書いていこうと思います。
「組織とカルチャーで勝っていく会社」と銘打っているソラジマ、その組織開発部のドタバタ・試行錯誤を見て頂ければ幸いです。
本文
第1回目は、「ソラジマ組織開発の向かう所」。
ソラジマの組織開発部が何を目標とすべきかについて、最近あった気づきについて書こうと思います。
これまでの部目標と背景
事業開始から2年が経つWebtoon制作事業が軌道に乗ってきたことで、最近のソラジマでは中長期の経営戦略についてさらに解像度を上げていこうという動きが活発です。
それに伴って組織開発部も、中長期/短期の目標やKPIについてより詳らかにしていこうとその方針について試行錯誤をしています。
そんな中、直近は
・短期:組織サーベイ数値を高水準で維持する
・中長期:将来起こり得る組織課題を他社事例等から予測し予防策を打つ
という方向性での運営を行っていました。
しかし組織開発の難しいところは、「改善策/予防策の実行」において、かなりの部分で他部署や現場メンバーを大きく巻き込まなければいけないこと。
加えてその課題の多くが「重要だが緊急ではない」という特性があることです。
歪みの発生
直近この部署横断での課題解決において、取り組みへの優先度認識について組織開発部と他部署間で若干の温度差を感じる事象が増えてきました。
他部署も極めて重要なKPIを必死で追っている中で、組織開発部は「緊急ではない」タスクを増やして他部署に負荷をかけるだけの組織になってきてしまっているのでは…?他部署から見たとき本当に「ありがたい組織」なんだろうか…?
と、ある種の罪悪感のようなものを覚え、改めて組織開発部の存在意義について考えるように。
「もはや、短期的には他部署から疎まれながらも将来的に必要なことを遂行していく、嫌われ役的組織でいるべきなのか…?」
という闇落ち寸前のような思考にもなりました。
原点に戻って原因究明
幸いにも他部署やそのメンバーたちに対して、「彼らも純粋にソラジマの成長を願っているはず」という信頼は揺らがなかったので、何が今の温度差を生んでいるのだろう…?と代表と一緒にサウナと銭湯で心身を整え、ひたすら考えました。
議論の末、その根本的な原因は、いつの間にか生じていた目標の違いだという結論に。
例えば、ソラジマの本丸たる「Webtoon事業本部」と我々「組織開発部」の短・中期的な目標は以下のような形でした。
一見、各部が掲げる目標としてはそれぞれ違和感が無いように思えます。
しかし、究極の目標(Why)は共有しつつも、異なるWhat(何を)・How(どのように)を追う組織になっており、その結果、時間・人的資源が限られる中での「優先順位づけ」の基準、日常の価値観とも言えるものがずれはじめてきてしまっていたのです。
組織開発部の目標・存在意義を再確認
最終的に、組織開発部の存在意義を「事業計画の達成」であると再定義することになりました。
ソラジマが世界に対して行いたい価値発揮は「今世紀を代表するコンテンツを創る」こと。これは全社員が共有しています。
まず、編集者・クリエイターが試行錯誤している創作活動はこれに直結するものです。彼ら彼女らは「どうヒットを出すか」の目標からぶれるべきではありません。
そして売上や利益目標は、創作の試行錯誤を長期戦で行うための経営体力維持と、大きな挑戦をするための資源確保に欠かせません。販売部などはここを強烈に意識します。
そして採用部はこれらプロフィットセンターの戦いを優秀な人材を招くことでサポートし、開発部門はこれらの戦いを技術的な面でサポートします。コーポレート部もやはり専門性発揮と会社の健全性維持という点でサポートを行います。
組織開発部も同じ。
独自に「理想の組織」を定義しそれを実現して満足したいのではなく、「今世紀を代表するコンテンツを創る」ための「事業計画」を、人と組織の側面からサポートする部門なのです。
この存在意義に照らし、組織開発部の目標(What:何をする?)は
「事業計画の達成を阻む組織課題を解決し、事業計画の達成に資する組織成長を促すこと」
とします。
そのHowとして、短期施策の立て方を
「現場の課題を、現場マネージャーよりも敏感に察知し、現場マネージャーが”人と組織”に工数を割かなくてすむ世界観を実現する」
という方向性に見直していくこととしました。
まだこれが正解かは分かりませんが、同じWhyで語り合い、同じ目標達成で喜び合える方向性には格段に近づけたかなと思っています。
同時に、”組織の縦割り化”という組織作りの永遠の課題について、自らの部署を対象に本質を垣間見ることができた気がします。
今後、ソラジマの組織開発がどうなっていくかはまた日記を書きますのでお楽しみに!