短編小説『白昼夢』─あるいは『檻のなか』
僕の住むこの狭い七畳のワンルームに、間の抜けたような雀の鳴き声が入り込んできた。それと同時に何かすえたような匂いも鼻口を漂っていく。気持ちの良い、とはまるで言えない早朝の目覚めだった。
カーテンの隙間から明けたばかりの弱々しい真冬の陽の光が差し込んできていて、それが瞼に当たっているのが分かる。眩しくて目を閉じたままゆるゆると頭を持ち上げていくと、こめかみが酷く痛んだ。
足元でカチン、と音がしてからコタツのヒーターが切れた。昨夜は両足をコタツに突っ込んで、上半身はテー