あの頃の自分に言ってやりたい お前が期待している、それは 愛なんてものじゃないよ お前が見ているもの それは蜃気楼のようなもの つかみかけたと思ったら、次の瞬間に消えてしまう それは薄氷のようなもの 踏み出したと思ったら、足元から崩れ、溺れる その度、お前は嘆き、怒り、 信じていたのに 愛していたのに などと言う でも、そもそも、 まぼろしの愛を あると信じていたのは お前だけ 愛のない そんな世界は絶望だ とお前は言うだろうか しかし、の
青空に向かって 息を吐く。 空を吸い込む。 私の中がすべて からっぽになり 空洞に透明の青が満ちる 吐く。吸う。 満ちる 昨日までの哀しみや悔いや 怒りを 天日にさらすように 私を放つ。 光が私を突き刺す。 私に満ちる。 そして 私は空と一つになる。 空からの光が私を包み、 溶かし 私は空になる。